乗せてください
昨年、冬に差し掛かった頃の出来事で、実話体験です。
性格には姉が体験したお話になります。
姉の怖がって焦る様子が今も忘れられません。
どうかご覧ください。
乗せてください
この話は少し前のことである。
現在、私は脚を怪我して松葉杖で通勤し、帰りは姉が都合が合うと、私を会社まで迎えに拾ってくれるというのが常で、大変ありがたく、助かっている。
そう、いつもではないが時々でも、ほっとする。
この話は脚を怪我する以前の秋から冬にかけてのある日の夕刻の時だ。
この時も姉は私の会社に向けて車を走らせていた。
私を迎えに来る途中、
姉はとても気味の悪い思いをしたという。
札幌の大通り公園沿いの、車道、車の多いところだ。
もう少しで私が待っているところだと、赤信号で、青になるのを待っていると、
車の窓ガラスを、コンコンと、叩く女性が居た。
姉の車は日本車で、右ハンドルである。
なんで?そんなとこに立ってるのかしら?対向車も、後ろにも車は走っているし、停車していたり、交通量の多いところで道路の真ん中だ。
思わず、ウインドウを、少し下げた。
髪はボサボサで、中年とみえたという。
寒い季節だったが、薄着で、長袖のワンピースか何かを着ているだけ。
「乗せてください」
とくりかえし言うのだ。
「すみません、用事が会って、何かお困りですか?」
「乗せてください」
「乗せてください」
「乗せてください」
と繰り返し、気味が悪く、
「ごめんなさい!」
と言い、青信号になったのを幸いに車を出したというのだ。
バックミラーを確認すると、
もうその姿は無かったというのだ。
私を乗せて、帰路につく時に、
姉の様子が変だった。
「私、しばらくあなたを迎えに来られない!ごめん!」
「うん、それはいいけど顔色悪いよ?具合悪いの?大丈夫?」
「実はさっきね…」
と経緯を聞き、
それは気味が悪いよね、大丈夫?としか言えなかった。
「みさ、その人の顔、気味が悪くてよく見てないけど、この距離で思い出せないの、こんなことってある?目が大きくてとか細くてとかさ、普通は印象に残るのに、ボサボサだったとしか分かんなくて怖いの、あの人生きた人間だとしても、怖い…。」
バックミラーにも、一瞬で居なくなり、
それは、相当怖かったに違いない。
「しばらくこのへんは運転せずに、私は大丈夫だからさ」
と言ってお互い家に帰った。
その後しばらくして姉は体調を壊し、
ギランバレー症候群になってしまったとのことで、検査の為に入院したり大変だった。
症状も震えが止まらず、倦怠感が酷いという。
かく言う私も程なく後に、大腿骨を骨折してしまったのだが…
不幸や、ハプニングとは突然に降りかかるものでこじつけは良くない。
しかし、
【疫病神】
【災い】
【良くない何か】
まさかね…
そんな言葉がよぎるのだ。
あの日姉は変なものを見て話しかけられ、
無視して、素通りした。そのあと私はその車に乗せてもらった。
もし彼女を乗せていたらどうなっていたんだろうか。
姉も病気にならず私も骨折などしなかったのか
または
二人とも何か不幸に、例えば交通事故などに巻き込まれ…
とにかく、私も姉も、無事に2人とも生きているのだから余計なことは考えまい…
ただ不幸なことが重なっただけだ…。
そんなことをふと、考えてしまうのだ。
あの女は災いか
それともなにかの前触れか…
皆さんはどうお考えでしょうか?




