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青い欠片  作者: カニパン
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決裂の予感

 夜明け前の街。瓦礫の隙間に長い影が伸びる。

 ゼロは前方を警戒しながら歩いていた。

 三体の自動人形も周囲を警戒し、リリスとミラを守る。


 突然、瓦礫の奥から金属の足音が響く。

 これまでの敵とは違う、背が高く、鋭い角を持つ新型自動人形だった。

 赤く光る瞳がゼロたちを捉える。


 「……新型か……」ゼロは低くつぶやく。

 胸の奥の怒りが沸騰する。

 博士の意思を受け継ぐ存在――倒さなければならない。

 しかし、心の奥では理性も揺れていた。

 『人間には手を出すな』


 三体の自動人形も緊張の色を見せる。

 

「ゼロ、守ることを忘れるな」

 

アッシュの声が静かに響く。

 

「怒りだけで突っ込むな。状況を冷静に見ろ」

 

グレンとノアも警戒を強める。


 新型自動人形が攻撃を仕掛け、瓦礫の壁が粉々に砕ける。

 飛び散る破片に金属の粉が混ざる。残酷な光景が街に広がる。


 ゼロは咆哮とともに前に出る。衝撃波が敵を押し退ける。

 しかし、敵は予測不能な動きで再び突進してくる。

 瓦礫の隙間にいたリリスとミラが危険にさらされる瞬間、ゼロの理性と怒りが交錯する。


 「……守らなければ……でも……」

 

胸の奥で、破壊衝動が再び沸き上がる。

 目の前の敵を粉砕してしまえば、一瞬で安全は確保できる――だが、博士の言葉がゼロを止めた。


 瓦礫の上でリリスがミラを抱き締め、必死に隠れる。

 

「……ゼロ……やめて……!」

 

ミラも小さく叫び、手を伸ばす。


 ゼロは一瞬立ち止まり、拳を握り直す。

 怒りの赤と理性の青が交錯し、瞳の光は揺れる。

 

「……俺は、守る……!」


 衝撃波を最小限に抑えつつ、ゼロは敵を制圧。

 三体の自動人形も連携攻撃で新型を封じ、瓦礫と破片の中で安全を確保する。


 戦闘が落ち着いた後、ゼロは瓦礫に手をつき、深く息をつく。

 胸の奥で、まだ怒りは消えていない。

 しかし、守る意志は確かに勝っていた。


 リリスは震える声でつぶやく。

 

「……ゼロ、怖かったけど……やっぱり守ってくれた」

 

ミラも小さく頷く。

 

「私も……負けない……」


 瓦礫と煙に包まれた街で、ゼロは再び決意を固める。

 

「……守る。俺が、みんなを守る」


 だが、街の奥で何かが動く気配があった――

 新たな敵の影。最悪の戦いは、まだ始まったばかりだった。

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