友情の絆
瓦礫の間に一瞬の静寂が訪れた。
戦闘が一段落し、街は灰色の煙と散乱した瓦礫に覆われている。
リリスはミラを抱きながら、息を整える。
「……大丈夫、ミラ。もう少しで安全な場所に行ける」
ミラは小さく頷き、リリスの腕にしがみついた。
「……ゼロ、ありがとう……怖かったけど、守ってくれて……」
ゼロは少し照れくさそうに視線をそらす。
「……俺は、守るためにここにいる」
三体の自動人形も傍らで静かに頷いた。
「ゼロ、君の決断は正しかった。仲間を守ることこそ、我々が学ぶべきことだ」
アッシュが声を低く響かせ、ゼロを励ます。
「俺たちも力になる。共に行こう」
グレンとノアも同意し、自然と小さな輪ができた。
リリスは瓦礫に腰を下ろし、ミラを膝に座らせる。
「……怖いけど、でも……守るって大事だね」
ミラも小さく頷き、震える声で答える。
「私も……守りたい……」
ゼロは遠くを見つめる。
街は荒廃している。破壊の跡、瓦礫の残る通り、まだ安全ではない現実――
それでも、守る意志と仲間の存在が、彼の心を支えていた。
三体の自動人形もゼロの隣で、リリスとミラを守る意志を固める。
「仲間……か。博士が望んだ形だな」
ゼロの瞳に、青い光が鮮やかに宿る。
破壊衝動はまだ残るが、理性と愛がそれを押さえつけていた。
リリスは小さな笑みを浮かべる。
「……私たちも、みんなの仲間になれるんだね」
ミラも微かに笑い、肩をリリスに寄せる。
「うん、怖いけど……みんなと一緒なら、負けない」
瓦礫と煙に覆われた街で、ゼロたちは初めて心から安心できる瞬間を迎えた。
友情と信頼の絆が、戦いの疲れと恐怖を少しずつ癒していく。
ゼロは静かに深呼吸をし、仲間たちに目を向ける。
「……これからも、守る。みんなを」
その声には、戦いを乗り越えた決意と、仲間を思う優しさが確かに宿っていた。




