第47話 『わたしたち、文化祭の係決めで壮絶な心理戦してる!?』
文化祭――それは青春最大のイベントにして、バカが最も輝く舞台。
でもね、舞台に立つ前に、まずは“舞台裏”の戦争があるのです。
名を「係決め」という――!
(新学期・教室)
担任「さて皆さん、今日は文化祭の係を決めましょう。企画・演出・大道具・衣装・会計・広報……」
ひより「演出! やりますやりますやります!!」
みつき「秒で手を上げるなよ! 空気読め!!」
まどか「ひよりさんが演出とか、不安しかない……」
こよみ「でも“ひより色”にはなるだろうね……いろんな意味で……」
しおん「演出とは……世界を掌に収める者の仕事……ふふ、興味深いわ……」
いおん「なんか怖いな!? しおんとひよりが演出とか、現実が歪むよ!?」
(係希望タイム)
担任「じゃあ希望を紙に書いて提出してね。多数決で決めます」
【ひより → 演出】
【みつき → 会計(堅実)】
【あかり → 広報(理由:ポスターに自分を描きたい)】
【こよみ → 衣装(淡々と仕事をこなしたい)】
【いおん → 大道具(大工仕事に燃える)】
【しおん → 脚本(異世界の詩的舞台を構想中)】
【まどか → 演出(ただし計画的な運営重視)】
みつき「……って、まどかも演出志望!? ひよりと!? 真逆すぎない!?」
まどか「真面目にやりたいだけです……ええ、常識的に」
ひより「バカにだって夢があるんだよぉぉ!」
(数分後・投票結果)
担任「……えー、演出は“同票”なので、くじ引きで決めましょう!」
ひより&まどか「うわぁぁああ!!」
しおん「ふふ……世界の運命を決めるのは、運命……詩的だわ……」
あかり「これでひよりが当てたら笑うね〜☆」
いおん「いや、怖いって。引き運だけは異常なんだから……」
(くじ引き)
ひより「(神様……いや、宇宙の力よ……来い……!)」
まどか「(私の誠実な努力が報われて……お願い……!)」
――バサッ
ひより「……あったぁ!! 当たり!!」
まどか「負けた……この理不尽な世界に……」
みつき「やばい……文化祭がバカに染まる……!」
しおん「私たちは今、取り返しのつかない選択をしたのかもしれない……」
(放課後・係別作戦会議)
ひより「いい? 私たちの劇は“銀河ファンタジー戦記”にするのだ!!」
みつき「いきなり宇宙!? 普通に学園ものとかは……?」
ひより「だってせっかくだし、派手なのやりたいじゃん!」
しおん「宇宙と詩と戦争……そのテーマ、悪くないわね」
いおん「ちょっと燃えるかも……光る剣とか使ってみたい!」
まどか「(……どうしよう。演出負けたけど、めっちゃワクワクしてる自分がいる……)」
こよみ「……まあ、ひよりの暴走を止めるブレーキは必要だし」
あかり「ポスターは“星空で抱き合う双子姉妹”でいい?」
みつき「お前は黙ってて!!」
こうして、文化祭準備という名の“壮大な戦争”が静かに幕を開けた。
中心にいるのは、バカな指揮官と、常識派参謀――
そして、ひたすらに自由で混沌とした仲間たち。
果たしてこの舞台は、感動を生むのか、それとも爆笑で終わるのか!?
第48話『脚本会議、暴走する文芸少女と止まらないSF脳』




