第45話 『夏だ!海だ!バカ全開の灼熱バカンス編!』
夏は開放の季節。
常識も、羞恥心も、筋肉痛の危機感も、すべて水着の向こうへ消えていく。
それが青春の海――
そして、それを全力でバカにするのが、我々である。
(朝・集合場所)
ひより「というわけで! わたしたちは今日、海に行くことにしたッ!」
みつき「唐突すぎる宣言だけど、もう慣れたわ……」
こよみ「準備も移動手段も手配済みなのが逆に怖い」
あかり「朝4時から目が覚めて、テンション上がって、勝手に水着着てた☆」
いおん「わたしもー! なんかもう、海って聞くだけで細胞が騒ぐ!」
しおん「……波打ち際に詩を捧げに行こう……」
まどか「本日、ツッコミ担当が明らかに足りません……ッ!」
(午前中・浜辺)
ひより「さーて、泳ぐぞーっ!」
あかり「ひより、浮き輪じゃなくて、タイヤ持ってきてる……」
こよみ「サイズ感おかしいよ!? しかも車用じゃない!?」
いおん「さあ! 水中バトル開幕! ターゲットは、まどか!!」
まどか「ちょ、ちょっと! 私泳げるけど戦えるとは言ってな――ぎゃああっ!? 冷たっ!?」
(波間に消える委員長)
みつき「……早い。もうこのバカの渦に飲み込まれてる……」
しおん「うふふ……これが、“水辺の戯れ”ってやつね……」
(しおんはなぜか全身和装+浮き輪。逆にすごい)
(昼・海の家)
店主「いらっしゃい、女子高生さん。注文は?」
ひより「全メニュー、一品ずつで!」
店主「!? だ、大丈夫かお嬢ちゃん……」
こよみ「胃袋どうなってるの……」
しおん「この世に“焼きそばソーダ”なる異形の品は存在しないの……?」
みつき「誰も開発してないから! そういう飲み物、法律で止めて!!」
あかり「私は、かき氷のシロップ全部かけたスペシャルミックス!」
まどか「原色過ぎて虹ができてるんですけど!? 食べ物でオーロラ再現しないで!?」
(午後・砂浜)
ひより「ビーチフラッグ、やるぞーっ!」
いおん「よっしゃ、運動系きた!」
みつき「これはまともな競技になるかもしれない……って思ったのが間違いだった」
スタート!
いおん(疾走)「うおおおお!!」
あかり(くるっと回転)「回転スクリューーーッ!!」
しおん(空中浮遊風)「私は風……砂浜の幻影……」
こよみ(冷静)「あれ? 旗、どこ?」
まどか(転倒)「ぎゃあっ、顔から砂ッ!」
ひより(謎の機動)「この日のために訓練した“ビーチスライディングソウル乱舞”が火を噴く!!」
みつき「もう全部めちゃくちゃだよ!!」
(夕方・帰り道)
ひより「……楽しかった……」
いおん「楽しかったああぁあぁーー!!(砂まみれ)」
あかり「やけどしたけど、楽しかった☆」
こよみ「すごく……疲れた……でも嫌いじゃない……」
まどか「私……こんなにも騒ぐ人間たちと、海で叫ぶ日が来るとは……」
しおん「沈む太陽が、私たちの愚かさをすべて許してくれる……」
みつき「誰か、明日の筋肉痛を代わってください……」
バカたちは、海にも負けませんでした。
そのテンション、灼熱の太陽すら逃げ出すレベル。
でも日焼け止めはちゃんと塗ろう。後が本気で大変だからね。
次回――静寂が訪れる……いや、そんなわけない。
第46話『夏休みの宿題ってなに? 私たち、そんなに賢くない』




