第44話 『返却されたテストの嵐!ボケるなツッコめ!泣くな!』
テストが終わった瞬間に、すべてが終わるわけではない。
そう、むしろ恐怖はその先に待っている。
答案返却――それは、青春最大の現実確認。
でも私たちにとっては、もはやギャグの祭典でしかなかった……。
(朝・教室)
「おはよう、みんな。今日は試験返却日よ……ふふふ……震えなさい……」(担任・花村先生)
「こ、これは……生き地獄の始まり……!!」(まどか)
「私、“赤点フェス”開催されたら主催者側だと思う……」(あかり)
「いや、何のフェス!? それ盛り上がっちゃだめなやつ!!」(みつき)
(1時間目・英語)
「ふむふむ、“Dog”を“戌”って書いたのはおもしろポイントとしては満点ね」(花村先生)
「採点に笑いの評価入れないで!? それ制度的にアウトだから!?」(みつき)
ひより「ちなみに私は“paradox”を“パラドックス星人”って書きました」
こよみ「もはや語感だけ!」
しおん「私は“destiny”を“宿命――静かなる滅びの旋律”って訳したよ」
みつき「それただの中二ポエム!!」
(なお、ひより→38点、しおん→41点、まどか→92点、みつき→満点)
(2時間目・数学)
いおん「私の答案、数字じゃなくて絵が描いてあった……『たぶんこう』って感じで矢印つけてた……」
まどか「予想図描いてどうするのよ!?」
あかり「わたしは“π”でラップ作ってそのまま提出しちゃった☆」
みつき「なぜ出したの!? いや、なぜ書けたのにそれを提出する勇気があるの!?」
ひより「私は“公式を体で覚える派”だから、答案用紙に腕立ての回数だけ書いてみた!」
こよみ「数じゃねぇ!! 数学科の神を怒らせる気か!」
(平均点:62点、赤点率:異常)
(休み時間・廊下)
しおん「……返却されし試験用紙、そこに刻まれたのは私の生の記録――」
いおん「私、ついに記録更新したよ! 合計点が過去最低だったーっ!」
こよみ「記録って、普通は上を目指すものでしょ……?」
ひより「えーっと、みつきはどれくらいだったの?」
みつき「……言いたくない」
全員「えっ?」
みつき「……全教科満点だったら、ちょっと怖くない……?」
(凍りつく教室)
ひより「もしかして、うちらの中に一人だけ“文明人”がいる!?」
まどか「ご、ごめんなさい……わたしも全部90点台だったの……!」
あかり「えらい! でもギャグ偏差値はわたしの方が上!」
こよみ「その偏差値、何の役に立つの?」
(放課後・帰り道)
ひより「……あー、やっぱテストって疲れるねー……」
しおん「精神と肉体の全回復には、文化的な癒しが必要……」
いおん「そうだ!温泉!……いや、お風呂!」
まどか「勉強と点数と笑いに翻弄される青春……」
みつき「でも、こうしてみんなで笑えるなら、それでいい気もするね」
ひより「バカでもいいさ! テストがどうでも、私たちは最強のバカトリオ……じゃなくて、セブン!」
「……トリオ感が強すぎて、私たち影薄くない?」(まどか&こよみ)
返却された答案の中には、点数よりも笑いと絆が詰まってました。
でもやっぱり、赤点はちょっとツラい。次こそ……次こそは……!
(※たぶん何も変わりません)
次回は、ついに夏イベントへ突入!
第45話『夏だ!海だ!バカ全開の灼熱バカンス編!』




