第40話『異世界カフェ開店!転生したらバイトリーダーだった件』
文化祭当日。
クラス企画『異世界カフェ ~転生しても接客できるとは限らない~』が、ついに幕を開ける!
その中身は――異世界。
接客。
混沌。
バイトリーダー。
そして、友情(?)
物語の舞台は、ここにある。
(文化祭当日・朝)
「ひより!魔王のマント着るの忘れてる!!」
「え!? これ、ただのバスタオルじゃなかったの!?」
「違うよ!? 漆黒の風をまとう漆黒のバスタオル――じゃなくてマントだよ!!」(しおん)
「まだ舞台始まってないのに世界観濃いな!?」(こよみ)
(開店前・教室)
異世界カフェの内装は、なぜか本格的。
天井から吊るされた“ホログラム魔法陣風照明”。
黒と紫を基調にした怪しげなテーブルクロス。
メニュー名も独特だ。
・“不死鳥の涙のフラッペ”
・“破滅の果実パフェ ~呪いは自己責任で~”
・“焼きそばパン(※中身は普通)”
「ねえ最後のやつだけ日和ってない!?」(みつき)
「そろそろ常識という名の鎖を捨てるときだよ」(いおん)
「お前が言うなぁぁぁぁ!!」
(客が来る)
最初のお客様は、他クラスの女子2人組。
「えっ、めっちゃ凝ってる……」「ていうか衣装すごっ!」
「いらっしゃいませ。異界よりの旅人たちよ。貴君らに安息を……」と、まどかが完璧な“転生女王”ムーブ。
「ご案内いたします、前世は魔王軍兵站部主任だった者です」(ひより)
「経歴が生々しいよ!!」(みつき)
(厨房にて)
いおん「焼きそばパン一丁!!でも今日は魂のソースを使うよ!!」
しおん「……ところで魂のソースって何?」
いおん「知らん! なんか魂入ってそうなやつ探した!!」
「それ不安しかないんだけど!?」
(※実際には普通の中濃ソースだった)
(カフェの空気はなぜか大盛況)
魔法っぽいBGMに、やけに作り込まれた世界観。
謎の接客トーク。
「こちら、“混沌と秩序の二層パフェ”になります。二層に分かれてるのは、バイトリーダーの心の葛藤を表現しています」
「えっ何その深読み……!?」(客)
(※中身はチョコムースとイチゴムース)
「でもおいしい~!」
(休憩時間)
ひより「すごいね、こんなに来るなんて!」
こよみ「正直、予想外……でも、わかる気もする」
みつき「普通のクラスは“カフェ”か“劇”の二択だけど、うちは“劇カフェ”という第三の道を切り拓いたからね……」
まどか「あと、全員キャラに入りすぎて、やりきる力だけは本物だった」
しおん「誤解を恐れずに言うと、私は素でこれです」
いおん「私は誤解を恐れてないから大丈夫!」
「全力で意味わからない!!!」(みつき)
(文化祭終了・帰り道)
夕焼けに染まる帰り道。
「……なんだかんだで、楽しかったね」と、あかりがぽつり。
「うん! でも来年の文化祭は、もうちょっと静かなやつにしよっか~」と、ひより。
「え、それって『来年はもっとヤバいことしよう』って意味だよね?」(こよみ)
「うん、そういう意味で言った!」(ひより)
全員「やっぱりな!!」
笑いながら、夕日に向かって歩いていく7人。
混沌と友情の文化祭は、こうして幕を閉じた――。
やりすぎ? 上等です!
全力で突っ走った異世界カフェ、皆様お楽しみいただけましたか?
次回は、文化祭の打ち上げ!温泉回……かと思いきや!?
**第41話『打ち上げ温泉旅行!?問題しか起きない休暇スタート!』**を予定しています!




