表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/13

第4話『雨の日、教室での秘密基地計画!?』

春の嵐、というやつでしょうか。

雨がザーザー。風がビュービュー。


傘はあるけど、気持ちは沈みがち。そんなとき、教室で静かにしている――

はずだったのに、なんか「秘密基地」って言葉が聞こえた気がしたんですけど?

「ひより、今日、雨ヤバくない?」


しおんが、窓の外のびしょびしょの世界を見ながらぼやいた。


「ねえ見て、傘が風に負けて骨折してる……わたしの傘……」


「それ、なんで開きながら走ったの!?」


放課後の教室、外は豪雨。

部活は中止、校庭は沼、そして下校もためらうレベル。


みつきがカバンから何か取り出した。


「こんな日は、教室を秘密基地にするしかないでしょ」


「出たな、みつきの“即興で何か始める”病……!」


「ねぇ、なんでそういう病名みたいになってるの?」


みつきの手には、折りたたみ式の簡易ランタン、そして机をぐいっと動かし始める。


「ここの机をこうして……カーテン代わりに上着をかけて……ほら、もう秘密基地完成!」


「すばやすぎる!動線完璧か!」


「……あれ、ちょっと、楽しそうかも」


あかりが遠慮がちに入ると、次々と他のみんなも集まり――


気づけば教室の隅っこに、机と椅子で組まれた“ちょっと豪華な秘密基地”が完成していた。


「うわ、これ入ったら出たくなくなるやつ!」


「でもこれ……先生が見たら怒られるよね?」


「大丈夫。見つかる前に“消える”」


「何を!? なにが“消える”の!?」


こよみが落ち着いた様子で言った。


「でもこういうの、たまには悪くないわよね。学校に住んでる気分になる」


「実際、こよみちゃん1週間くらい住めそうな顔してるもんね」


「どんな顔よ、それ」


いおんが、くるっと一回転して両手を広げた。


「この基地に名前つけようよー!」


「おお、いきなり来たな、ネーミングセンス問われるやつ!」


「じゃあ、えーっと……“秘密のバカ会議室”」


「バカって入れちゃうの!?」


「“バカ”が私たちの共通点でしょ?」


「……なんか納得しちゃうの悔しい……!」


しばらくして――

校内放送が流れる。


『下校時刻を過ぎました。生徒の皆さんは速やかに帰宅してください』


「うぅ、帰らなきゃいけないのかぁ……」


「秘密基地……崩さないで明日も来たい……」


「ダメだよ、そもそも机戻さないと先生がブチギレるってば!」


……こうして、後ろ髪を引かれつつも、秘密基地は本日をもって一時撤収。


「でも、また雨の日が来たら作ろうね」


「うん。また“バカ会議”しよう」


「ねぇ、その名前は変えよう?」


そうして、今日も教室は平和だった(ギリギリ)。

雨の日に教室で基地を作ったこと、みなさんも一度は……ありますよね?

(ない? ない……?)


次回、第5話は『はじめての調理実習、鉄の胃袋が試される!?』

何が起きるのか、もう予感しかしません。お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ