第38話『クールな友情バトル勃発!こよみvsひより、小学生の因縁決着戦!』
“腐れ縁”――それは、深すぎてほぐれない絆。
水無瀬こよみと桜庭ひより。
小学生の頃から続く、戦いとツッコミと友情の歴史。
そして今、決着の時――かもしれない。
(放課後・帰り道)
「……ひより、ちょっと勝負しない?」と、こよみが唐突に言い出した。
「いいよ!内容は!?」と、食い気味なひより。
「……あの頃の続き。スプーン曲げよ」
「またそれかああああああ!? あの頃のトラウマ!!」
(回想・小学4年生)
スプーン曲げ選手権(勝手に開催)で、ひよりは必死に念じた――。
「ぐにゃれ〜ぐにゃれ〜!!!」(実際には顔がぐにゃってただけ)
一方のこよみは、無言でスッと曲げた。
「物理じゃん!? 今の手の動き、完全にてこの原理だったよね!?」
「勝負は勝負だったでしょ?」と、こよみのクールスマイル。
(現在・学校の屋上)
「今度こそ、こよみに超能力で勝つ!」と気合いMAXなひより。
「今回は物理じゃない。正真正銘、念力一本勝負よ」とこよみが宣言。
二人、スプーンを手に睨み合う。
「フン……グラビティ・スプーン……起動……!」(ひより)
「念じる前に中二病になってるぞお前!」(みつき)
(10分経過)
……曲がらない。
「あ、指つった……」とひよりが崩れ落ちる。
「私はもうちょっとでいける気が……」とこよみ。
そのとき――
「え? 曲がったよ?」と、なぜか後ろからあかりの声。
「え、いつの間に!?」(みんな)
「えへへ〜、曲がってたらなんかラッキーかな〜って思ってたら、曲がってたの♪」
「こいつ……まさか超能力者だったのでは!?」(まどか)
(下校中)
「結局、勝負はうやむやになったね」とみつき。
「でもまぁ、勝負っていうか……また小学生に戻ったみたいで楽しかったな」とこよみ。
「うん! こよみといると、昔のバカやってたの思い出すから大好き!」(ひより)
「……うるさい。……でもまあ、私も嫌いじゃないよ」
ほのかな夕焼けのなか、ふたりの笑顔が並ぶ。
こよみとひよりの因縁(?)に幕が下りた――のかは怪しいですが、
二人の友情は確かに深まりました!スプーンはたぶん犠牲です!
次回は、文化祭準備で暴走する“あの二人”。
タイトルは――
**『しおん&いおん、幻想と混沌の文化祭企画会議!』**です!




