第36話『まどかの憂鬱、恋とギャグは両立するか』
ギャグの嵐の中にも、少女の心は揺れるのです――
これは、まどかが“恋”という不可解なバグに直面する物語。
(放課後・図書室)
御園まどかは悩んでいた。
手元のノートには、こう書いてある。
「ギャグで人を笑わせるには、心からの自由が必要――」
「恋って、ギャグの敵なんじゃないか説」
「はあ……なんでこんなに気になるんだろう。あの生徒会副会長……笑いどころゼロの人なのに……」
まどかは恋をしていた。
冷静沈着、常に完璧な成績と品行の副会長・真堂レイジ。
その堅物ぶりに、なぜか胸がキュンとするのだった。
(生徒会室・廊下)
まどかは意を決して廊下で副会長に声をかける。
「し、しし失礼しますッ! 副会長、これ、参考資料……」
「ありがとう御園さん。正確で丁寧な資料だ。君は本当に優秀だな」
「っ……」
(今の一言、録音して目覚ましにしたい)
(帰り道・ファミレス)
まどかはひよりたちに恋の悩みを打ち明ける。
「私……たぶん、恋してるの……でも、ギャグを捨てたくないの……」
「いや両立できるよ!? 愛と笑いってセットじゃん!」とひより。
「ギャグに全振りしてるのに乙女な自分に嫌悪感あるんでしょ?」とこよみ。
「わかる、笑ってるくせにときめいちゃうとモヤッとするやつ!」とみつき。
「恋もギャグも、真剣にやればええやん?」と、いおんは唐揚げを食べながら言った。
「それだ……!」
(翌日・生徒会前)
まどかは堂々と生徒会室に現れた。
副会長が驚いた顔で振り返る。
「御園さん、なにか用かな?」
「はい! この“ダジャレ標語ポスター”を貼りに来ました!」
「……校則の条文に“ギャグを交えて掲示してはならない”とは書かれていない、な。採用しよう」
「っ……!!」(今の返し、ちょっとツボった……)
まどかの恋とギャグ、両方が少しだけ前進した。
ギャグ一筋の委員長・まどかに訪れた、人生初(?)の恋の気配。
真面目な副会長との不器用な距離感が今後どうなるのか、乞うご期待。
次回は、天然娘・あかり大活躍(?)回!
タイトルは――『天然伝説ふたたび!野々宮あかりと七つの幸運』です!




