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わたしたち、今日も平和にバカしてます。―大騒動(高校生編)―  作者: たむ


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30/50

第30話『日常回復?いいえ、事件です』

文化祭が終わり、季節は秋めいて。

ようやく落ち着いた日常が――戻ると思ったか!?

バカの集団に“平穏”は似合わない。

始まるのは、新たな(くだらない)戦い。

(朝の教室)


「ついに……この日が来てしまったわ……」

しおんが机に伏せて、ぼそぼそと呟く。


「何の日?」

ひよりが椅子の上で体育座りしながら聞く。


「“何もイベントがない、普通の平日”という名の虚無よ……」


「それはそれでよくない!? 心安らぐでしょ!?」


「いやいや、みつき、それは違う」

こよみが真顔で口を開く。


「この学校に“普通の平日”なんて一日たりとも存在しないんだよ」


「えっ、呪われてるの?」

あかりが純粋な目で聞いてきた。


「それは否定できない」

まどかが真面目な顔で頷いた。やめて。


(チャイムが鳴り、1限目開始)


担任・武田先生「はいはーい、今日は連絡事項だけだから自習にしまーす」


「先生! それはつまり、“自由時間”ということですか!?」

いおんが目を輝かせて聞く。


「いや、自習って言ったよね!?」


しかし数分後――


(黒板前)


《第一回・平日ヒマつぶし大会~優勝者には焼きそばパン~》


「よっしゃあああああああああ!!」

ひよりが教卓の上で叫ぶ。先生は諦めた目で座ってる。


「ルールは簡単! 30分以内に一番“くだらない遊び”を考えた人が優勝!」


「この学校の教育、大丈夫かな……」

みつきが額を押さえる。


「いいのよ、バカはバカらしく!」

こよみがサムズアップしてくる。目がまじ。


「私は“無音でUNO”っていうのを提案するわ」

しおんの提案、いきなり高度。


「私は“片足でリズムゲーム”を!」

いおん、やる気満々。


「“焼きそばパンの具だけを詠む俳句選手権”とか」

あかり、それはもはや文学。


「じゃあ私は“教室内かくれんぼ”で」

まどか、それ普通に無理あるよ!


「決まりだね!」

ひよりの号令とともに、謎の大会が幕を開けた――


(数十分後)


「俳句:『茶色かな/パンの奥より/呼ぶソース』」

「……しみる」


「UNOは無音だとめっちゃ怖いってわかった」

「視線で殺し合うからな……」


「いおん、まだ片足で踊ってるの?」

「リズムは、心の中に……!」


「私は誰にも見つかってないわ!」

まどか、まさかの窓カーテンの中に潜伏。


(最後、机の上)


「じゃあ、優勝は……この日常を“事件”に変えてくれた、みんな全員です!」


「なんだそれ!」

「でもうれしい!」


そして結局、焼きそばパンは7等分されたのだった。

文化祭の熱気が冷めても、彼女たちのテンションは変わらない。

騒ぎがない日は、彼女たちが騒ぎを作る――

それが“平和”というもの。


次回、何が起きてもきっといつも通り!

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