第28話『開演!銀河最終戦争――バカと友情は舞台を救うか』
クラスの出し物「SF学園劇」、ついに本番当日。
友情、裏切り、笑い、そして無意味な爆発。
脚本を読んだ教師が頭を抱え、演出家のいおんが高笑いし、主演のひよりが宇宙に旅立つ。
さあ、開演だ――我らが宇宙のバカたちの大戦争!
(体育館・舞台裏)
「本当にこれ、上演するんだね……」
まどかが台本を抱えて立ち尽くす。顔には緊張と諦めの入り混じった表情。
「今さら逃げられないよ。っていうか、逃がさないよ」
クールに言い放つこよみは、なぜか片手に光る銃(段ボール製)を持っていた。
「セリフより小道具が主張してるじゃん!!」
みつきが思わず突っ込むと、奥からガシャーンと物音。
「爆破装置、設置完了だぞおおお!!」
しおんが謎のスーツ姿で現れた。背中に“宇宙革命軍”のマントを翻している。
「ちょっと待って、爆破って舞台で使う言葉じゃないのよ!? それ映画の用語じゃないのよ!!」
「心配するな、火薬は入れてない。ただの空き缶と乾電池と、あと謎のロマンだ」
「それが一番怖いんですけど!?」
一方、主演・宇宙学園の転校生役のひよりは――
「うふふふ、私は銀河の果てからやってきた転校生。名を……えーと、なんだっけ?」
「忘れるな!!」
(数分後・開演)
舞台幕が開いた瞬間、いきなりスポットライトとともに登場したひよりが叫ぶ。
「我が名はユリ=スターシュパルツ=タカハシ三世! 宇宙学園に転校してきた、銀河最強のバカだ!」
観客の一部が笑い、一部がフリーズ。そして先生は頭を抱える。
「あなたがこの学園に来た理由は……!」
セリフを続けるのは、敵役でありながら友情に目覚める役を任されたいおん。
「我々“惑星委員会”は、あなたの正体を知っている。あなたは――伝説の“ギャグ星人”!」
「はい、そこカットォ!!」
「カットすんなぁあああ!? 本番中だよ今!!」
笑いと混乱が交錯する中、クライマックスでは――
「私たちの心が一つになれば、銀河の危機だって救えるんだよ!」
そう叫ぶひよりの背後で、なぜか爆破装置が作動し、
ボンッ!!!!!
煙と共に現れたのは、マントを羽織ったしおん。
「我は宇宙を救う者……“変態仮面・漆黒のペンギン”!」
「誰だよ!!!!!」
そして――
(ナレーション:あかり)
「こうして、宇宙の命運をかけた“友情とバカの戦い”は幕を下ろし、観客の脳内に深い混乱を残したのでした」
(観客席)
「……これ、感想どう書けばいいんだろう」
「逆にすごいものを見た気がする」
「なんか、ちょっと泣けた」
拍手。なぜか起こるスタンディングオベーション。
(舞台袖)
「やったね! わたしたち、やりきったよ!」
ひよりが満面の笑みで叫ぶ。
「……まあ、演劇じゃなくて何か別の何かだったけど」
こよみがぽつり。
「よし、次は映画化を狙おう!」
「絶対やめろ」
いろんな意味で伝説となったクラス劇。
脚本、演出、演技すべてが“異星人レベル”の仕上がりでした。
感動? 感想? そんなものは宇宙に置いてきた!
次回は、バカな戦いのあとに訪れる――
“日常”という名のさらなる混沌です。
お楽しみに!




