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わたしたち、今日も平和にバカしてます。―大騒動(高校生編)―  作者: たむ


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第27話『文化祭リハーサル!舞台上で大暴走、全員演技崩壊!?』

タイトルに嘘はない。

照明は落ち、幕は上がり、テンションは天井を突き破る――が、完成度は地の底。

“リハーサルだからセーフ理論”を掲げてA組は今日も前のめり。

銀河最終戦争(※忍者風味)、開戦です。

放課後の講堂は、文化祭前日特有のざわめきでいっぱいだった。

舞台袖には段ボール宇宙船、黒布で強引に整えられた“銀河忍者服”、カツラ、そして謎のスモーク缶。


ひなた(演出)「点呼。主役、照明、音響、プロップ、全員スタンバイ!」


全員「おー!!」


ひなた「よし。じゃあ――通しいきます」


まひる(AI猫)「ミャオーン☆」

――の直後、音響席から甲高いキィーンというハウリング。


さくら(銀河姫)「うぅわっ!?耳死んだ!宇宙の叫び声ってこれ!?」

音響・いおり「マイクミュート忘れてたごめん!!」


ひなた「“宇宙の叫び声”は台本にない。やり直し」



第二惑星シーン。

つむぎ(総司令)「姫様!ダークちくわ軍団が――」

――ボフン。スモークが爆発的に噴き上がり、前列が白く消える。


こより(漆黒の騎士)「視界ゼロで殺陣は無理!!」

照明・くるみ「スモーク量“弱”にしたのに、缶の寿命が反抗期……!」


ひなた「煙は“伝説”じゃなく“事故”を作る。換気。次」



宇宙船の発進シーン。

まひる「エンジン始動、三、二、一――」

段ボール船がガガガと予想外の速度で前進し、そのまま舞台下手へ脱輪。


さくら「待って、姫が置いてかれてる!?」

こより「操縦AI、学習が早すぎる」

つむぎ「誰だキャスターに油塗ったの!」


いおり(小声)「ヌルヌルってカッコいいかなって……」

ひなた「舞台はF1じゃない」



暗転。

照明が落ちきる前に、まどか(預言者)が勝手に登場。


まどか「……星がささやく。『シュッ』」

観客席の練習班:クスクス……(笑いが走る)


ひなた「アドリブ3文字で爆笑取るのやめて。忍者封印って言ったよね?」


まどか「封印の札、家に忘れて……」

ひなた「口を封印しろ」



クライマックス手前。

ほのか(騎士)とこより(裏切り者)の決闘、立ち回り開始。


ほのか「剣を捨てろ。まだ帰れる場所がある」

こより「帰る場所なんて――」


――ドスン。背景パネル《星雲D-2》が倒れ、二人を包み込む。


こより「(パネルの下から)これ、銀河の重力……!」

ほのか「(冷静)ビスが足りないだけです」


舞台監督・霧島(生徒会)「安全ピン追加、留め具二段化。次、続けて」


ひなた(小さく親指を立てる)「助かる」



最終決戦。

さくら「この光が、みんなの――友情の――」


――ピー…ガガッ。音響席から謎のBGMが流れる。

♪「ちゃらっちゃっちゃっちゃ~~~」※どこかで聞いたことがある“変身風”


全員「それ、ひよりのうさ耳スーツ内蔵BGMじゃん!!」

ひより(袖で白目)「Bluetooth勝手に繋がった……」


ひなた「音切れ!“友情=変身”は安直!!!」



通し終了。

舞台上に崩れ落ちるA組。雑巾とガムテとため息の海。


ひなた「……良かったところから言う」


全員「(え? 怒られる流れじゃないの?)」


ひなた「①台詞の入りが前より半拍早くなった。テンポが出てきた。

②ほのかの“間”がきれい。こより、そこで呼吸を合わせて。

③さくらの声、上手うわてに抜ける。上向かず客席三列目の奥を見る意識で」


さくら「……褒められた……!」

こより「呼吸、合わせる。了解」

ほのか「(小さく頷く)」


ひなた「改善点は三つ。メモれ」


ひなたはホワイトボードに、太字で書く。


立ち位置テープ:色分け(赤=主役、青=対立、黄=コメディ)で床貼り直し


アドリブ規約:3秒以内/台詞末尾の補強のみ(「シュッ」禁止)


合図の合言葉:暗転明けの呼吸合わせは――「バカでも前へ」


まひる「合言葉が酷すぎて逆に覚えやすい」

つむぎ「泣ける」

まどか「シュ……(ひなたの視線)……承知」


霧島(生徒会)「客席動線、あとでマークしておく。安全第一」

若宮会長「……期待してる。A組の“やらかしじゃない方”、初めて見たい」


ひなた「見せるよ。やらかし“だけ”じゃないA組を」


その言葉に、舞台袖でなぜか拍手が起きた。

ガムテの巻き芯がコロコロ転がり、スモーク缶が静かに冷える。

誰も口には出さないけれど、胸の中には同じ熱が灯っている。


――“間に合わせる”。

いや――“ちゃんと、届かせる”。


ひなた「もう一回、いける?」


全員「いける!!」


ひなた「よし。暗転――合言葉」


全員「バカでも前へ!」


暗闇で、みんなの声が重なって、ひとつになった。

リハは大崩壊、でも心は揃ってきた。

“バカでも前へ”――それは合図であり、合意であり、A組の旗印。


いよいよ次回、文化祭本番。

客席は満員、スモークは控えめ、テンションは最高潮。


第28話『開演!銀河最終戦争――バカと友情は舞台を救うか』

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