第25話『文化祭目前!A組、伝説の学級演劇をやるってよ!』
「演劇って……何から始めればいいの?」
その問いから、すべてが狂い始めた。
演出、脚本、配役、衣装――
A組に、ひとつでもまともな人間がいたら、止められたかもしれない。
けれど、それを止める者は――いなかった。
朝のHR。
先生「というわけで、文化祭の演目は“学級演劇”だ。A組は自由に決めていいぞ!」
クラス(ざわざわ……え、自由って言われると一番困るヤツ……)
つむぎ「えっと、じゃあ王道で“白雪姫”とか?」
まひる「いいね!あたし王子役やりたい!」
さくら「じゃあ私が白雪姫♡ まひるに起こされるの夢だったんだ~!」
ひなた「物語開始3分で破綻する配役なんだけど」
こより「ていうか、まひるにキスされて目覚める白雪姫、嫌すぎる……」
議論は迷走する。
・「桃太郎を現代バージョンにしてみたら?」→「鬼がブラック企業の社長になった」
・「ロミオとジュリエットは?」→「言葉が全部関西弁で進行」
・「シンデレラは?」→「ガラスの靴じゃなくてガチャ爆死演出」
まどか「いっそ、宇宙の果てから来た転校生が地球を救う話にしよう。コメディSFで。」
ひなた「誰も止めないの!? いやむしろ今の案、通りそうで怖いんだけど!?」
数日後、全会一致(?)で決まった脚本タイトル。
『銀河最終戦争~乙女たちは燃えている~』
内容:
・平凡な女子高生Aが、実は銀河帝国の末裔
・敵対する宇宙生命体「ダークちくわ軍団」との戦いに巻き込まれる
・友情・裏切り・光る剣と謎の爆発演出
・最終回、宇宙が友情で救われる(予定)
配役も決定。
主人公(銀河の姫)→ さくら
ライバル(漆黒の騎士)→ ほのか
お目付け役のAI猫 → まひる
裏切り者で最終的に爆発する → こより
宇宙軍総司令官 → つむぎ
謎の預言者 → まどか(台本なしでアドリブ)
そして――
演出・監督・全ボケ監視役 → ひなた(自動的に配属)
ひなた「……この配役、ひとりだけ苦行背負ってない?」
しかし、準備が始まると――
・段ボールで作った宇宙船が走り出す
・照明係がスモーク炊きすぎて保健室送り
・台詞が長すぎて2時間枠を越え始める
・まどかのアドリブが毎回異星語
ひなた「あと一週間で公演とか、嘘だろ……このままじゃ全校にバカさらすことになる……!」
こより「もうすでに十分さらしてる気がするけどね」
ついに始まった、A組最大の狂気イベント「文化祭演劇」編!
SF?コメディ?友情?全部盛り!
でも現状、開演=炎上確定の脚本状態!
次回――
第26話『衣装完成!宇宙服のはずが、なぜか忍者が混ざった件について』
……何が起きているのかは、誰にもわからない!




