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第2話『転校生トリオと昼休みの珍騒動』

高校生活、始まって早々――

まさかの転校生3人加入というフルスロットル展開を迎えた私たち。


今回は、彼女たちと初めての「昼休み」に起きた、ちょっとした――いや、やっぱりだいぶ派手な事件です。

「じゃーん!見て見て、今日のお弁当!」


私・ひよりは昼休み早々、自慢げにお弁当のフタを開けていた。


「おぉ、すごい……色とりどりだわ……」


しおんがポツリとつぶやく。

唐揚げ、卵焼き、ミニトマト、ウィンナーに白米。まさに黄金比弁当である。


「作ったの?」


「まさか。ママ製作の、愛情込みでございます」


「親の愛情を自慢すんな」


みつきがそう突っ込んだところで、

「ひよりちゃん、ひよりちゃん」とあかりが呼ぶ。


「私のお弁当、開けたら空だった……」


「どういうこと!?」


「……そういえば朝、猫が箱の上で寝てた気がする。たぶん盗られたのかも」


「猫のスキル高すぎん!?」


「かわりに、かつおぶしが入ってたよ」


「確信犯じゃん猫!!」


ひとしきり騒いでいると――


「……相変わらず、うるさいわね」


すぐ後ろから、冷たい視線。

黒髪ショートの美少女――転校生の水無瀬こよみが立っていた。


「一応、昼食中なんだけど?」


「こよみ~!こよみも食べてるの!? ていうか一緒に食べよ!」


「断る。私には“距離感”ってものがあるのよ」


「ひよりちゃん、どうしてそんなに嫌われてるの……?」


「私が聞きたいよ……!」


そんなやりとりのあと、残りの転校生ふたり――


「うわー!みんな仲良しっぽくて楽しそー!わたしも混ざるーっ!」


ドタドタと駆けてくる、ショートカットで元気印の黒川いおん。


そして、その後ろから控えめに歩いてきたのが――


「……あの、もしよかったら……わたしも、ご一緒しても……」


メガネをクイッと押し上げてきた、御園まどか。


かくして、私たち+転校生3人という7人組での昼休みが幕を開けた――のだが。


「……で、なんでそんなことになってんのよ」


しおんがポツリとつぶやく。

その視線の先には――


唐揚げ早食い対決中の、ひより vs いおん。


「うおおおお、ぜったい負けないーッ!」


「くっ……高校最初の戦いがこんなバカ勝負になるとは……!」


「違う意味で記憶に残るわね……」


となりでは、まどかがオロオロ。


「そ、そんなに食べて大丈夫なんですか……?あ、あの……のど詰まらせたら……」


「たぶんもう手遅れよ」


一方、こよみは――


「……全員まとめて保健室送りになればいいのに」


と、冷めた目でスープをすすっていた。


……と、その時だった。


「うおっ、こっち向いてクシャミ出そう……っくしゅん!」


「……あっ」


いおんのくしゃみに合わせて、白ごはんが宙を舞った。


それが――

真っ白な制服を着たしおんのスカートに、しっかり着地。


「…………白飯が、白地に……」


「逆に同化して目立たないね!」


「そういう問題じゃないっ!!」


しおんが立ち上がった瞬間、教室中に響く声。


「だ、誰か! ティッシュをー!!」


「くしゃみでご飯が飛ぶとか、マンガでもそうそう無いから!!」


「はっはっはー、ごはんは投げて食べる時代だーっ!」


「弁当バトルロワイヤルじゃないんだから!!」


転校生と過ごす初めての昼休みは――


やっぱり、平和で、騒がしくて、

そして、バカだった。

転校生たち、なじむの早すぎませんか?(笑)


今回の騒動は、あくまで序の口。

この7人で、これから何が起きるのやら……。


次回、第3話は「帰り道、謎の追跡者(?)登場!」

まさかの学園ミステリー風味かもしれない!? お楽しみに!

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