第15話『修学旅行前夜!誰がいびきでバトルロイヤル!?』
修学旅行の前夜――
普通の女子高生なら、ワクワクして寝られない。
でもこの子たちの場合、寝ようとしてもいろんな意味で寝かせてもらえない!?
深夜テンション+雑魚寝=大混乱スタート!
「というわけで、部屋割りはこんな感じでーす!」
担任が手渡した紙には、しっかり**"B組女子の雑魚寝部屋(体育館より広い)"**と書かれていた。
「雑魚寝って……どれくらい雑魚寝なの……」
「ふふっ、修学旅行の醍醐味だよ、くるみちゃん」
「それ、雑に寝るのが醍醐味って意味……?」
というわけで、布団がズラッと並べられた部屋。完全に合宿所のノリ。
夜はふけて、時刻は午前1時――
「さて、寝ようか……」
「待って。あれは――」
ドゴォォォ――ン!!!
「……今、雷鳴のような音が聞こえたよね?」
「いや、あれ……いびきだよね」
音の発生源は、なんとこよみ。
「Zzz……う……ん……ムニャ……」
「静かそうな顔して、爆音系……!」
「ある意味ギャップ萌え!」
しかも、うるさいだけじゃない。周期がある。
「……ドン、ドン、ズーン……」
「これ太鼓じゃん!寝ながら和太鼓叩いてるじゃん!!」
「いびき被害者その1:まひる」
「うるさくて眠れないってレベルじゃない……こよみ、地鳴り発生装置なの……?」
「これもう防災訓練の域だよ……」
「いびき被害者その2:ひより」
「よし、録音完了っと☆」
「してたの!?」
「もちろん☆朝になったら全校放送用の編集しよっと〜“謎の生物出現”ってタイトルで♪」
「ひより、やめて。命の危険があるからやめて」
「いびき被害者その3:くるみ」
「え……なんで……おばけ……?」
「くるみ、起きて!おばけじゃない!こよみのいびきだよ!」
「えっ……?いびきって、地獄からの呼び声みたいなの……?」
「そう聞こえるけど違うよ!!」
そんなこんなで――午前2時。
ひよりが立ち上がった。
「これは……対策が必要だよ。いびきシールド作戦を発動する!」
「なにそれ!」
「みんなの布団を、こよみを中心に放射状に配置するの!」
「中心核こよみ!」
「でもそれじゃあ音の中心に近くなるだけでは……?」
「それがいいのよ!逆にね!耳がバグって寝られるから!」
「理屈がめちゃくちゃだよ!?」
結局、誰も熟睡できず、朝――
「おっはよー☆よく寝たー!」
と元気に起きるこよみ。
「えっ……あなた寝てただけで人を何人も眠れなくしたの……?」
「ん?何かあった?」
「ないよ。むしろ全部あったよ」
「ていうかこよみ、寝言で“カステラ食べたい……”って言ってたよ」
「……そんな寝言を……?」
「しかも“文明開化の味……”って」
「私、何時代で寝てるの!?」
そして、いびき録音は――
その後、ひよりによって「謎の怪音現る!B組ナイトメア」として文化祭で公開され、
なぜか来場者人気投票1位を獲得したとかしないとか。
いびきって、ほんとに音の暴力。
ただし、友情でカバーすればネタになる。
ネタにすれば勝ち。たぶん。
次回は、いよいよ修学旅行当日編突入!
**第16話『バスの中でもバカは止まらない!車内クイズ地獄編!』**を予定!




