第13話『始動!リレーと策略とピンクのうさ耳!』
文化祭が終わっても、バカたちは止まらない!
今度は体育祭!
運動?勝負?いや、仮装だよね?仮装。
最速の“うさ耳”は誰だ――!?
「……で、なぜ私はピンクのうさ耳を着けているのだろうか」
こよみは遠い目で、空を見上げていた。
今日から体育祭準備。グラウンドには各クラスがにわかに集まり、練習モードに突入していた。
「かわいいから。あと、うちのクラスだけ“仮装リレー”になったから」
ひよりが、ノリノリで全身ラメ入りウサギスーツを着ている。ピンク。
「仮装リレーってそんな競技、ないでしょ普通」
「作った。というか、生徒会に“新競技案”として出したら、まさかの即採用」
「なんで……」
「というわけで、第一走者はまひる!」
「はいっ! 私、“聖なる焼きそばパン戦士”として出走します!」
「なんか前と衣装変わってなくない!?」
「うん。文化祭の時のやつ再利用した!エコ!」
「“戦士”って名乗ってる時点で走る姿想像できないんだけど!」
「そして第二走者は私、ひより、ピンクうさぎ!」
「うさぎはジャンプ力に長けてるから、リレー向きなのだ!」
「お前のうさ耳、無駄に光ってるぞ!?何が入ってんの?」
「電池!ELワイヤーで光るの!夜でも安心!」
「夜には走らないけどな!?」
「三走はこよみで、黒うさぎ!」
「……なぜ私が、仮装で全力疾走を強いられるのか」
「先生に“こよみさんのツンデレうさ耳、見たい”って言われてたよ!」
「誰だそんなことをぉぉおお!!」
「アンカーは、くるみ!」
「え!?私、運動できないよ!?去年、縄跳びの試技で足つってたよ!?」
「仮装が“病弱なフランス人形”って設定だから大丈夫!雰囲気で逃げ切って!」
「そんなアバウトな戦術、聞いたことない!」
「……で、最終的に勝てそうなの?」
「うん、仮装ポイント込みで審査するからワンチャンある」
「つまり、見た目でゴリ押す気だな……」
「そのために、うさ耳も強化版にしたし!」
「“強化版”ってなんだよ!?ガンダムか!?」
仮装リレー、それは青春のすべてを背負った戦い(かもしれない)。
本気と書いて“ガチ”で走るバカたちの運命は――
ピンクのうさ耳と共に、風になる!
次回、第14話はついにリレー本番!
『走れ!ツンデレうさ耳と焼きそばパン戦士!』
バカの疾走感、どうぞご期待ください!




