第11話『開店!呪詛メイドカフェへようこそ♡』
文化祭当日、ついに始まる「メイドカフェ(呪)」。
不安だらけの初日、
果たしてお客さんは来てくれるのか!?
そして――料理と接客、どっちも不安しかない!
「いらっしゃいませ、ご主人さま……♡」
まひるの声が若干震えていた。
文化祭、開幕――
クラスの企画『†メイドカフェ†〜我らが呪詛にておもてなし〜』が始まった。
「どうして“†”とか“呪詛”とか入れたんだろうね?」
「それは……語感が良かったからだよ……」
こよみが遠い目をしながら答える。
「お客さん、入ってくるかな……」
ひよりが不安げに言ったそのとき――
「うぉおおお!?ここだここだ!“呪詛メイド”って書いてあったやつ!」
「地雷感やばいって思ったけど逆に気になる!」
なぜかオタク系男子たちが集結。
「よし来た!いらっしゃいませ!呪われに来ましたかー!?♡」
ひよりの接客がぶっ飛んでいた。
「おい、ひより、それ呪われに来た人に言うセリフじゃないから!」
「ご注文はお決まりでしょうか?」
あおいの落ち着いた声が、唯一の清涼剤。
「こちら、黒呪パフェになります」
出されたのは――
チョコとブルーベリーの漆黒コラボパフェ。
「お、おお……見た目、ほんとに呪われてるな……」
「だが、うまい!!なんだこれ、普通にカフェで売れる!」
「まさか“†”って書いてあるだけで本格派とは……」
「そろそろステージの時間です!」
ステージ? 何それ?
「まひるとこよみのメイドトークショー♡だよ!」
「なんでわたし聞いてないの!?!?!?」
――数分後。
「はぁい♡ ご主人さまたち〜、今日も元気に呪詛ってますか〜?♡」
「いや誰!?キャラどこいった!?」
「まひる……無理してない!?いや、むしろ開き直ってる!?」
ステージ上で豹変したまひるが
圧倒的アイドルムーブを見せていた。
「てかさ、これ成功じゃない?」
客も笑ってる。行列もできてる。
クラスメイトも動きがよくなってる。
「最初は“呪詛”ってなんだよって感じだったけど、
今やもう、ブランドっぽく見えてきたよね……?」
「“呪詛”がこんなにも愛される日が来るなんて……!」
「でも来年もこれやろうってなったらどうする?」
「逃げる。」
「即答だね。」
波乱万丈だったメイドカフェ(呪)、まさかの大成功!
手作り衣装、奇抜なコンセプト、全力のバカ。
全部が揃ってたからこそ――
“平和なバカ騒ぎ”は完成するのです。
次回は文化祭の後日談!
「撤収!友情とボンドとガムテープ!」
お楽しみに!




