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第5話 先生の秘密

「ねえ、佐倉くん。あの先生、なんか怪しくない?」


橘ひかりの言葉に、俺は内心「またかよ」とため息をついた。


「何が?」と適当に流すと、ひかりは腕を組んで真剣な顔をする。


「だって、最近転任してきたばっかりなのに、すごく情報通じゃない? それに、目が合ったときの視線が妙に鋭いっていうか……なんか、見透かされてる感じがするの」


「……」


俺は心の中で「それ俺のセリフだろ」とツッコミつつも、ひかりの言葉に少し引っかかった。

俺たちの担任になった白崎しらさき先生。確かに優秀そうな先生だが、どこかミステリアスな雰囲気がある。


「じゃあ、試してみるか」


「試すって?」


「目を合わせて、心を読んでみる」


俺の能力は"チョイ"能力だ。超能力者の中でも微妙な部類に入るが、白崎先生の心を読めれば、何かしらの手がかりが得られるかもしれない。



「先生、すみません。今週の小テストの範囲を確認したいんですけど……」


放課後、俺は職員室に向かい、適当な質問を口実に白崎先生と話すことにした。


「ああ、いいぞ」


白崎先生は手元の資料を見ながら俺の方を見上げ――


「……やはり、こいつか。能力は低いが、危険因子になる可能性があるな」


――!?


俺は思わず目を逸らした。


(今、何か……ヤバいことを聞いた気がする!?)


「佐倉、どうした?」


「い、いや、なんでもないです!」


俺は適当に誤魔化し、その場を立ち去った。心臓がバクバクする。


("危険因子"って……どういう意味だ!?)



「で、どうだった?」


職員室の前で待っていたひかりが、興奮気味に尋ねる。


「……マジで怪しい」


「やっぱり!?」


俺は先生の心の声を聞いたことを説明した。


「でもさ、佐倉くん……"能力は低いが"ってどういうこと?」


「……それが分からない」


俺はチョイ能力者だ。確かに大した力じゃない。だけど、それが"危険因子"ってどういう意味なのか?


もしかして――

俺の能力には、まだ"何か隠された力"があるんじゃないか?



その日の帰り道。


「ねえ、佐倉くん!」


「ん?」


ひかりがスマホを見せながら、ニヤリと笑った。


「この前言ってたアクション映画、今週末公開だって! 一緒に観に行こうよ!」


「は? なんで俺が?」


「だって、佐倉くんも気になってたでしょ? それに……」


ひかりは悪戯っぽく目を細める。


「映画館ってさ、暗くて人が多いでしょ? つまり、いろんな心の声が聞こえてくるわけじゃん?」


「……」


「もしかしたら、先生のこととか、能力のこととか、何かヒントが見つかるかもよ?」


俺はしばらく考えた後、ため息をついた。


「……まあ、別に暇だしな」


「やった!」


ひかりは嬉しそうに笑う。


こうして、俺たちの"映画デート(?)"が決まったのだった。

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