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クレヨンという名の猫 その後  作者: 青ちゃん
3/3

その7〜その9

         その7


 その青年は 私を抱っこしたあとに

その少女こと [赤間まや] に

こう言ったのでした。


「ありがとう この猫を可愛がるんだよ」


と そう段ボール箱に戻された 私の

頭をなでながら そう言ってくれました。


 そして とても悲しそうな

薄いブラウンの瞳で 見つめられたのでした。


 私は その目で見られたとき

もう会えないだと 子猫ごころに思い

とても悲しくて


「ニャー」


と 鳴いて 別れたくない気持ちを

伝えました。


 しかしながら それも その青年の顔を

あらためて見つめたら もう無理なんだと

悟ってしまいました。


 それから [赤間まや] に 段ボール箱ごと

持ち上げられてから その青年が

もう一度 [赤間まや] に 声をかけたのでした。


         その8


 その青年が なぜ [赤間まや] を

呼び止めたかというと 私の名前を

「クレヨン」

という名前にして欲しいと [赤間まや] に

お願いをするためでした。


 その話し合いが終わって 私は晴れて

[赤間まや] にも

「クレヨン」

と 呼ばれることになりました。


 そして [赤間まや] が


「良かった。 この子猫を大切に

 思ってくれる人に 拾ってもらって。

 わたし感動しちゃった。 ありがとう。

 これから この子猫を クレヨン

 という名前にするね。

 良い名前だねありがとう。

 それじゃ わたし このクレヨンを

 家に連れて帰るね。

 それじゃあ ありがとうございました。

 サヨナラ〜」


 そう [赤間まや] が言って 私を

さっそうと 彼女の家まで連れて

帰られることに なりました。


 その帰り道 その青年の 今にも泣きそうな

悲しみに満ちた顔を 今でも

こうして夢に見るのでした。


          その9


 そのたびに 私はとても切なく

悲しい思いが 戻って来るのでした。


 そして夢から覚めるたびに

[赤間まや] が


「クレヨン クレヨン」


と 言い寄って 抱きついて


「ギュッ」 


と 抱っこして かわいがってくれるのでした。


 私はそれで いやされて また

彼女の胸の中で 安心して 眠るのでした。


             おしまい



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