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第八話 追放刑、追放刑、エルフ式

 ぷはー、運動の後の一服はまた格別ですねぇ。どうも皆さま、可愛いエルフ娘とお兄様の愛の巣より、お送り致しております。いやぁ、お兄様を寝所に連行してから、どれ位時間が経ちましたかねぇ?

 

 月が五回登った辺りまでは覚えているんですが?食事も此処に運んで貰ってますし、この所、気絶する様に寝てるんで、なーんか時間の感覚が曖昧なんですよねぇ。トイレは如何してる?エルフはウンコしない!本当ですよ、しようと思わなければ、取り入れた食事を完全消費可能なのです。エルフは、未来の世界の猫型ロボットの親類です。


所で、どうですか、お兄様?そろそろ降参しました?私は、とても子供達には見せられない、あられもない姿で息を荒げる愛しいお人に声を掛けました。お兄様は本当に頑固者で困ります。私、寝所を共に致してより、お兄様には、私が見て来た神様のビジョンを、追体験しながらプレイを楽しんで頂きましたが、それでもお兄様はエルフと人が交わる事に賛同して頂いておりません。おや?お兄様が何か言いたそうです。長いお耳を近づけて見ましょう。


 「か、、、神よ、、、何故、、お見捨てに、、、助け、、、」


 良ーし、遂に神様に助けを求めましたね!後一息ですねこれは、さーて、運動再開!いただきまーす!


 「「いい加減にしろ御婆!」」


 ドンドンドカドカ寝所の扉を叩く音、誰ですか!ここは大人のスペースですよ!誰も入るなと言ったでしょう!


 「何週間、経ったと思ってるんだ!三週間だぞ!五月蠅い!安眠妨害!御婆、御じじ、殺す気か!」


 遂には扉を打ち破り、慮外ものが寝所に乱入!何ですか、御婆、御婆と、確かに私には孫が四百人以上おりますが、まだピチピチの百六十七歳です!ありゃ、孫たちでは有りませんか。婆ちゃんと爺ちゃんは愛の営み中ですよ!いや~ん馬鹿!


 「「気持ち悪い!御婆外出ろ!御じじ!生きてるか!死ぬな!」


 大事なお兄様を殺す訳ないでしょ!食事だって、ちゃんと口移しで食べさせてます!エルフは頑丈なんです。三週間ぐらいなんですか!私は怒ってるんですよ、私は良いとして、娘に剣を向けたんですから、お仕置きは当然です!出てけ馬鹿孫!


 「「黙れ淫魔御婆!皆、御婆引きずり出せ!」」


 あーれー、何する気、私に嫌らしい事する気なのですね!エロ漫画見たいに!いやぁ!エルフの出てくる三流エロ漫画なんて今時流行りませんよ!


 「「良いから、殴れこの御婆!」」


 ポカッボカッ私は死んだ!意識が遠くなっていきます。容赦ないな孫たち、子供たちを見て育った影響でしょうか?婆ちゃんは悲しい、、、でも孫は可愛い、、、がくっ。


 何やらお馬鹿!と神様に蹴りだされた様な気がしました?気づけば私は、館前の広場、現在はトーテムポール立ち並ぶ集会場に変わっていますが の真ん中に転がされていました。周りには子供と孫たちが集まり、お兄様は若草の芽たちウィッチドクターズにより介抱されています、何んですかこの雰囲気。只ならぬ気配を感じます。


 「起きたか母よ、まったく、孫の教育に悪い、幾らお怒りでも加減してくれ」


 呆れた声を出したのは、この集まりの中心、六男の熱き鉄でした。長男、長女始め、男女共に五男から五女まで旅立った今、霧の森の纏め役をしているのは、この六男と、彼の隣で同じく、呆れた顔をしている六女の竜の舌です。


 如何したんですか子供達&孫ズ?私の奇行は今に始まった事では有りません。それに今回は、貴方たちの父に対する制裁の意味もあるのですよ。態々集まらなくても、もう一月ほどたてば何時ものお兄様に戻れられます。


 「その事だ母よ、貴方はその、、、何時もの奴で誤魔化すつもりでしょうが、此処にいる皆、父が、我らエルフの同胞を同族と認めない、まして人間との間の子、汚れた血とまで言うのを聞いた。森の長として、このままにはして置けない。許してくれ」


 あっ、バレてましたか、駄目?貴方たちの父ですよその方。お兄様はお疲れだっただけです。少しお休みに成れば。


 「母、それ駄目、母言った、種族繁栄、神の意志、父、悲しいが駄目、兄弟たち怒ってる」


 竜の舌まで、そう言いますか、あの子お父さん子だったんですが、森の副長で有る以上、私情は挟まないと言う事ですか、、、、


 霧の森も人数が増えた事で治安の維持の為、掟的な決まりが出来て来ています。何時までも無政府状態、肩パッド軍団では、いけませんからね。蛮族は蛮族なりに集団を維持するルールが有ります。何時までも母が全てを決める独裁体制では、不満も溜まるでしょう。我がエルフ軍団は部族合議制を取る事にしました。丁度、文字も有りますので成文法で掟を制定しています。


 掟は簡単、(同族から)盗むな、(同族から)奪うな、(同族を)殺すな、(同族は)犯すな(自由恋愛、夜這いはOK)それに細々として補足が付きます。エルフは同族もしくは仲間と認めた相手なら、温厚ですからこんな所で良いのです。ですが、同族、それも実の娘と妻に剣を向けた異常、、、、


 「父には罰が必要、皆同じ気持ち、母よ堪えてくれ、父を傷付ける事はしない、父には、、、」


 待ちなさい!貴方たちは何を言ってるんですか!お兄さまですよ!お兄様が居なければ貴方たちも存在しないのです。それを、それを、、、、


 「落ち着け!だから傷つけはしないと、、、」


 女にして孕ませるなんて!そんな、そんなインモラル、、、最高!その時は、是非、私を男に変えて下さい!一番槍は貰った!渡しませんよお兄さまの貞操!それは私の物です!


 「誰か、殴れ」


 ぐええ。小粋なジョークじゃないですか。ですがこの罰、本当に存在します。極刑ではありますが。エルフに死刑は存在しません、第一殺したら数が減るじゃないですか。ですので殺エルフ罪もしくは重度の傷害を犯した男は拘禁上、種族繁栄にご協力して貰います、女?そのまま協力です。誰が決めた?私です!エヘン!


 これまでそんな目に会うお馬鹿な子は存在しませんでしたが、傷害未遂に器物損壊、名誉棄損とトリプル役満を決めたお兄さまは、平和なエルフ村では重大犯罪者なのです。変身妊娠刑と同等に重い刑と言いますと。


 「追放刑ですか?熱き鉄、私の子よ。本気で父を追放するつもりなのですか?仮にもその方はエルフの始祖、拘禁が妥当と母は考えます。この場に居る皆も聞きなさい。神は罪を許せと言われました。貴方たちはエルフ、神の第一の羊です、それが一時の怒りに囚われどうするのです。」


 こうなれば仕方ありません。演技はしたくありませんが、エルフ王族の高貴な力と神様の巫女としての威厳で押し切ります。通れ!通ってください!


 「もう良い、白百合の花よ」


 お兄様、気づかれましたか。随分煤けてますね。絞りすぎたかな。私の隣に立ったお兄さまは、語り始めました。


 「子供たちよ、話は聞いた。白百合より神のご意思も、遺憾ながら聞かされた。私は父として間違ったのだろう。謝罪する。孫たちもだ。お前たちはエルフ、例え人の血を引き定命の定めに有ったとしても、同胞には変わりがない、神がそうお決めになるのであれば、それが真実なのだろう、お前たちにも謝罪しよう。これからも種族の繁栄に力を貸して欲しい」


 あらっ、あっさり謝罪されましたね。もう一年ぐらいは、寝所での説得が必要だと思ったのですが。わーい、素直なお兄さま大好き!抱き付こうとしましたら、お兄さまは手で優しく遮りました。あれ?どうしたの?


 「だがな、俺は、エルフで有る前に帝国貴族なのだ。それはどの様にしても曲げられん。お前たちには、分からないであろうが、それが俺の唯一の誇りなのだ。確かに帝国は滅びた、その記憶を持っている者は、俺だけだ。だからこそ、それを忘れる訳にはいかない。許してくれ」

 

 悲しくも、一途で決意に満ちたお兄さまの言葉に一同静かになりました。私も反省しています、私、男の矜持を踏みつけていたのですね。元男とは言え、余りに長く、女で有り続けた私は、男には譲れない一分が有る事を忘れていました。お兄さまは、久しく見ていなかっ、た優しい表情を巌の如く引き締まった顔に浮かべ、私を見ました。


 「白百合の花よ、お前にも謝罪しよう。俺が居ない間、良くぞ此処まで子供達を導き、繁栄させた。その手法には、言いたいこともあるが、それも神のご意思なのだろう。良くやってくれてた妻よ」


「嬉しく思います。お兄さま、いえ、龍鱗の君、わたくしも妻として、貴方に守られた白百合の姫として、そのお言葉嬉しく思います。私からも謝罪を、私は余りに貴方様の誇りを蔑ろにしておりました。お許しください」


 「良いのだ、白百合の姫君」


 ああ顔が熱い、思わず真面目になってしまいました。お兄さまがカッコいいのが悪いのです。そこの孫たち!なに御婆がお姫様みたいだ!正真正銘のお姫様なの私は!


 子供達もなに口を開けて見てるんですか!解散!解散しなさい!見世物じゃないんですよ!


 「まて母。話、終わってない!父の処遇!罪は罪!皆やる気なくした!母決めろ!」


 この宝塚空間でも怯まないか、竜の舌よ、さすが我が娘、一人で蜥蜴竜を狩るだけは有りますね、対した胆力です。


 「良い、俺がこの森を出て行こう。ここは新しいエルフの住む場所、古い者の居場所ではない」


 ほら、有耶無耶にしようとしたのに、お兄さまが思い出したではありませんか!どうすんのよこれ!よーし。竜の舌、我が娘よ母が決めろと言いましたね。熱き鉄よ、お前もそれでいいですか?


 「まあ、皆が良いなら、俺も食傷、母の女の顔、もう見たくない、うぇ」


 良い度胸ですね我が子よ、貴方が寝小便をして泣きついて来た事、昨日の様に思い出します。嵐の晩、怖くて泣きながら母に抱き付いて寝た事もです。


 「今更、思い出すな!俺の子、聞いてる」


 へーんだ、知りませんよ。子供は百年たとうと子供なんです。思い知ったか母の怖さ!


 「では、こうしましょう。追放は致します。ですが追放されるのは、お兄さまでは有りません!この私です!そもお兄さまの出奔は私の責任。母が全ての責任と取り出ていきます!異論はないですね!」


 「「「えー!」」」


 

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