覚書 ポストアポカリプス後のエルフ
白百合の姫君(主人公)
姫君(笑)。エルフ帝国崩壊後の徹底した残党狩から生き延びた片割れ。初代エルフ帝国皇帝直系の血を継ぐ帝国最後の希望の筈だが中身は元全裸中年男性。お気楽に話しているが転生してより16年、アイデンティティの危機に悩みかなり不安定であったが、自分の為に懸命になる義兄(遠縁だが血は繋がっている)の背を見て育ち、女の愛情と元の男の使命感とが良い感じに合体して凶行を起こした結果現在の社会の混乱を起こした悪。
第一子を身籠った時は今からすると考えられない程ナーバスになったが(自分が俺が母になって良いのか?この人を騙してるのでは?単純に怖い等)出産後はオキシトシン爆増してどうでも良くなり、2人、3人と作って行く内に男性部分は女性部分に吸収され私と言う新たな個性の愉快な母ちゃんが生まれた。
彼女とお兄さまの間に量産された子供達が最後の「ハイエルフ」であり、以降他種族との間に生まれた子供は新種である「エルフ」と「ハーフエルフ(ハイヒューマン、ハイオーク、ハイドワーフ)」である。
本人の性格は真っ当とは言い難いが家族は愛している(家族は)。問題なのは元の性格が小心でストレスでやらかし死んだ上、自身の信仰していた神から使命を受け取り、落とされた状況が危機的である事。俄かだが歴史知識がある彼女には少数派に落ちた旧支配者がどの様な目に遭うかは分かり過ぎる程に分かってしまっていた。
その彼女が唯一信頼出来、縋れる物は家族であり血統だった。彼女は使命を意図的に曲解し、駄目だったら塩の柱にされるやろの精神で全世界血族汚染計画と他種族生物学的覆滅を企図した。彼女は愛故に狂っている。
因みに家族の範囲はかなりガバいので自分の子供意外は何代離れていても全部孫だし、その嫁や婿も全部家族判定になる。不老不死的感覚と言う奴である。
エルフ帝国の敗北は真っ当に勝負した事だ!と言う自論の持ち主で、最終決戦の時まで徹底的に決戦を回避するゲリラ戦ドクトリン主義者、数は力やの大量突撃ドクトリンも持っている。またファンタジーに国際法はねぇも自論なので凡ゆる薄汚い手を使って勝利を掴みに来る実質魔王。
最終目標は神代に帰った世界で那由多の果てまで家族と平和に暮らす事。定命には理解出来ない不老不死の存在の思考である。
龍鱗の君(お兄さま)
人類・ドワーフ連合の残党狩から生き延びた最後のハイエルフのもう片割れ。白百合とは遠縁で武官の息子。白百合を除けば最年少のエルフで残党最後の拠点が陥落した際には丁度100歳、本来であれば戦場に立つなど絶対に有り得ない年齢であったが、状況が其れを許さず戦死した両親の後釜として親衛隊の長となり死闘に次ぐ死闘を繰り返していた。
最後の拠点水晶の森が人類帝国軍の物量圧殺に押し切られ、身分に関係なく剣を取って屍山血河を築き、膾、針鼠、松明に変わる中、託された希望の赤子を抱いて脱出した肝の大きい男。
その後は化け物級の猛獣が闊歩する霧の森を踏破し、王族の避難所にたどり着くと言う奇跡を行い、慣れない手付きで赤子を養育する苦労まで抱え込み見事達成するも、その赤子がアレでアレだったので悲劇に見舞われた。彼に必要だったのは肝では無く腎だったのだ。
赤子、詰まり白百合の裏切りからの
「出来ちゃいましたお兄さま!責任とってね!」
を食らった後は只管に父として夫として色々頑張り、ポコジャか増える子供を養っていたのだが、なんだか疲れちゃって本編冒頭に至る。
元はエルフらしく細身の美男子だったが、幼い白百合を、続いて量産される我が子ずを守る為、ハイエルフが忌避して来た肉食をゲロ吐きそうになりながら行って来た結果、これまでの苦労も合わさって岩に刻まれた様な顔と肉体になってしまった。
近頃は肉食にも慣れたし子供も酒飲める歳になったのでよく息子たちと飲んでいる。その背中は見上げる様に大きく時に哀愁に満ちているのであった。父よ貴方は強かった。
2人の子供たち
その数驚異の52人である魔王の子供達。最後のハイエルフ同士の子供にしてエルフ帝国皇帝の血を継ぐ者たちである…筈だが母親の教育方針により野生化した。
見た目、男は半裸、女は貫頭衣で基本刺青バリバリのマッチョ&セクシーバーバリアンズ。その見た目に反して父親から帝国式教育は半強制で受けているので学はある(途中で逃げた者もいる)
片言だったのはハイエルフ語の語彙が少なかったから。単純に親父とお袋の話すネイティブハイエルフ語は装飾と形容が多過ぎると本人達は思っている。狩猟採集民に必要なのは短く簡潔な言葉なのだ。人類との積極的交流後生まれたピジンエルフ語は流暢に話せる。
男は父より強さと責任感を受け継ぐ苦労性であり、エキセントリックな母親を止める際は言葉を、女は母からいい性格と押しの強さを受け継いでいるので容赦なく拳か蹴りを入れて止める。大変似たもの親子。
主人公こと白百合の本来の使命である「減り過ぎたエルフを増やす」で産まれた第一世代であり、神の祝福と先祖返りにより奇跡(白百合曰く神通力)を自然に振え、以降の世代は力の差はアレど呼吸する事と同じに奇跡を振える。
それ故に彼ら彼女らは神と繋がりが白百合に次いで深く、余計な魂が入っていない純国産エルフなので、種族の未来に責任感を感じているし、殉ずる覚悟は出来ている。
表に出せばアレで小心な母は絶対に取り乱すか、自分の考えで子供の運命を弄ぶ事に躊躇するだろうから言わないだけである。それはそれとして母が父に負担をかけ過ぎたり甘えまくって働かなくなる様なら容赦なくツッコミは入れる。
そんな常識的な彼ら彼女らであるが人類に対しての認識はエルフ帝国の、いや、異質なる異世界の元全裸中年男性の血を継ぐ者たちであるから帝国を超えておかしい。
彼ら彼女らは「異常人間愛性癖者!」なのだ。で無ければ人間を襲い、人間と交わり、子供まで作っちゃっう訳はない。エルフ帝国は人類を愛玩動物と見た。しかし、その末裔は人類を生殖可能な対象として見ている!変態!変態!変態!コレが野生化したエルフの正体か!
使命など大嘘よ!コイツら人間さんを襲う機会を待ってたの!逃げて!逃げて人類!
真面目な話、白百合をこの世界に呼んだ神はこうなる事は当然知っていた。こうする為に元全裸中年男性の魂をこのまま行けば悲劇の運命しか待っていない麗しきハイエルフの姫君として転生させたのだ。種族丸々異常性癖に染まればそれは一般性癖なのだ。
子供たちは全て人類を伴侶として選んだ。支配し支配され遂には殺し合ってしまった2つの種族は小さくあれど手を取り合う(過程には目を瞑るとして)事が出来たのである。




