外伝 狙われた漂流学校
「確かにアレはスッゲェわ、制限なしチート能力…世界観崩壊させに来てる」
えー、現在私は包囲&森の仲間たち嗾け部隊と合流し「オババあれ無理」と孫ズが泣き言言うのでどんなもんじゃろとチーター君たちの戦いっぷりを木々に隠れて観察しております。そんでですね、思わず出た感想が上記のセリフ。
さてあの後、緊張の糸が切れた人間さんは脆い物でして、ファーストコンタクトから直ぐ泣き崩れていた少年たちは、食事・休養・手の早いお姉さん方に熱烈なスキンシップ(結婚前提交渉とも言う)を受けて彼等が立て籠っていた学校の内情を余す事なくゲロゲ〜ロしてくれました。
総数は47名で内訳は男30女17。あの位の歳で尚且つ女抱えた状態でもありがちなアレやこれやを起こして居ない倫理観有りまくりの集団です。
全員がチート持ちの戦闘要員と言うアドバンテージはある物の、アレだけ襲撃を受けて軽傷者しか出して無いとは出来ておる喃。
けれどそれが不幸な事に助かる道を閉ざしているのが皮肉と言えば皮肉。学校が現れたのは訳1月前、直後に森を巡回している我々の戦群れの一つが場所を捕捉しましたがとても近寄れない状況だったと報告を受けています。
まあ悪いのは何時もの人間さん狩りの積もりで学校に乗り込んで「バァ!獣人だぞ!怖いぞ!大人しくしろ!」した第一発見群れです。言葉も通じないのにですよ?
皆さんが当事者だったらどうします?頭に猛獣の毛皮やら頭骨で作った被り物した刺青だらけの筋肉モリモリマッチョメン&腹筋バッキバキウーメンが武器突き付けて来て謎言語で何か怒鳴って来たら。
喰われと思うよね。(性的に)喰う積もりなんだ!俺は行くぞ!する奴はエロ本の読み過ぎで訓練され過ぎ駄目人間です。貴方は名誉エルフ飼育下民なので霧の森か聖都下水路にお越し下さい回収員を送ります。
で、ばあちゃんとしては、先走るな!偵察に止めよ!と伝えたのですが、早い者勝ちじゃい!したのが、そう言う事するから80年代アニメみたいな嫌〜!から覚醒されてボーン!食らったそうです。
双方に死人が出なかったのは奇跡ですね。お仕置きとして抜け駆けしたのは攻略部隊から外しております。ズタボロにされたので暫くは動けないでしょうが。
いや…あの子らは根性でまた来るかな?強い魂大好きだし…あのですぬぇ、転生者って肉も霊も滅茶苦茶強いんよ。大体0.6から0.7エルフ位の強さ。地球世界を例にすると獅子を一人で絞め殺せる感じ。
そして産まれる子はもっと強い間違いなく1.5エルフはある。また地球を例にすると灰色熊を無傷で殴り殺せる位。あっ!誤解しないで欲しいのですがコレ、エルフとの間に子供が出来る場合ね!
人間さん同士の子?そんな者は駄女神が許しても、この世界唯一の神が許されない。転生者は全てエルフの物と言う事になっている。巫女にして預言者の私が言うのだからそれが真実や。
現状のエルフで同じ事出来るのははマイラバーお兄さまか私とお兄さまの間の100%上古のエルフの血を継ぐ者だけで孫世代は武器使わないと無傷は無理ね。因みに私もか弱い乙女なんでナイフ位無いと辛いかな〜って。おい、何で引く!
コレ考えると駄女神がナニ考えてたか分かるってもんです。彼奴めは人間さんに勇者的サムシングする血統を作りたかったんでしょう。我が主が転生者の落ちてくる場所を我々の手が届く所に限定してくれて居なければマジ危なかったわ。
でナニが言いたいかと言うと、転生者ですらエルフのお胸がキュンキュンする存在ですから、マジチートを振るう転移者は垂涎の的な訳なのよ。
だから無傷で確保(最悪、達磨さんでも良い。命の軽いこの世界なんで、色々あって森に捨てられた人間さんを寿命が来るまでお世話するのは慣れてるし、ある程度は治せますから)したい。
「でもね〜、あれ無理ですよね無傷は。生かして捕えるの出来ます?」
「オババの言う通り難しい。殺すのは出来る。捕まえるのは…少なくとも手足を潰さないと駄目だ。でもそれをすると死ぬと思うぞ。手加減して良い相手じゃないからこちらも本気でやるからな。それに捕える積りならこちらも向こうの三倍はやられる覚悟が必要」
「ですよね〜」
スゲェんよ彼ら。この一月で戦うのに慣れて来てる様で、とても平和な世界から来た人間さんとは思えない動きしてます。飲み水に事欠いてあれ?ちょっとチート過ぎない?…だからチートか…。
籠絡した少年たちが言うに、彼らは47人…水を探しに出たのが5人なんで今は42人を3班編成し、戦闘、警戒、休養と生産で回しているそうなんですが、戦闘に当たるたった14人で群がる森の仲間たちを蹴散らしてます。
戦い方も実に無駄がない。10人の壁役で受け止めて、敵の動きが止まったら左右から挟撃して半方位、そのまま壁が前進して殲滅とシンプルな金床とハンマー戦法してます。
いや常人じゃ無理よ?薄っすい壁で崩れず、左右2人ずつしか居ないハンマーで包囲とか何がどうしようと無理。この世界の人間さんでしたら騎兵含め完全武装が500と支援火力として弓持ちが150で出来るか出来ないかってとこでしょう。
それでも食も休養も満足に出来なければ2・3回当たれば崩壊して、後は落武者狩りからのエルフの村送りになる筈がチーター君ちゃんは意気軒昂!
それを可能とするのが彼らの振るうチート能力!壁役は接敵前に鉄バットから衝撃波とが出すし、接敵すれば何か凄い斬撃でズンバラリ。ハンマー役の4人は振り回して良い物ではないデカさの物を振り回して車並みのスピードでチャージをかける。いやあのねコンダラ―は伝説の武器じゃないのよ?なんで壊れないの?ああ…バフ的な何かがあるのね…光ってるし…
何だそのビカビカスラッシュは!謎エフェクトを止めろ!お相手の多頭蛇君たちが可哀想じゃあないか!慈悲は無いんですか!この森の住人はねぇ!神代と幻想の世界から来た存在なのよ!?昨今の流行りには対応してないの!
戦うなら知恵と勇気と少しの奇跡で戦いなさいよ!ビーム禁止!鉄バットは斬鉄剣じゃない!ああ溶けていく溶けていく…風呂上りに食べようと出して忘れていたアイスの様に…お味方全滅にごいますぅ…もう放って置いて乾き死にするの待とうかしらん?
「駄目だ。あいつ等の強さはもう噂になってる。オババが手を引いたら、集まって来た戦群れがわれ先に突撃して死人の山になる。そうなる前に何時もの悪知恵で如何にかしてくれ」
「婆ちゃんの知恵袋を悪知恵扱いしない。せめて知某と言いなさい知某と…」
「同じだ。で?何かいい手はあるのか?もう思いついているんだろ?」
「…まあね。貴方は確か我が子である10女の子孫でしたね?でしたら珍しく刺青を嫌う家系な筈(あの子痛いの嫌いですからね)墨を入れてない子を…出来るだけ見た目が幼い子ですよ?…10ばかり集めて来てください。それと館の衣装庫から人数分の衣装と装身具を持って来てね?私のも頼みますよ。それとくれぐれも乱暴に扱わないようにね!何枚遊びで破られて雑巾にした事か…あれはね人間さんの所に持って行けば一枚で家が建つんですよ」
「オババが偶に着るあのヒラヒラとジャラジャラか?分かった」
ヒラヒラとジャラジャラって…王家の至宝なんですけどねアレ…でも今のエルフには必要ないからそんなもんかな?しか~し!地球世界の価値観を持つ人間さんなら別よ?突如放り込まれたファンタジー世界に与えられた謎パワー、襲い来る危機また危機、決死の思いで探索に出た仲間たちが出会った美しきエルフたち、彼女たちは異界から現れた勇者を労うべく使者を使わし…そんなシナリオでそうでしょうかね皆様?
「田中ぁ!裏切ったな!田中!」
「ごめんな生徒会長。俺…俺…俺を好きだって言ってくれる女の子が好きなんだ。しかもロリ」
「三好さん…なんで…」
「貴方には分からないのよ園子ちゃん!お金持ちで特待生!何時も男子にチヤホヤされる貴方には!使命が何よ!お風呂、美味しい食事、美ショタハーレム!それが手に入るなら私は全てを捨てるわ!ボッサボサの頭と脂塗れはもう嫌なのよ!」
「家に家に帰るんじゃなかったの…日本が恋しくないの?ここには何も無いよオタクくん?」
「オタクに優しいエルフは居るでござるよ福部殿…。拙者、祖国で一生を陰キャ、チー牛呼ばわりで生きるくらいならば修羅になるでござる」
「どう見ても輩よそいつ等…刺青褐色腹筋バキバキ長い乳は属性盛りすぎ…吸われるよオタクくん…吸い殺されるわ…」
「それも本望」
「ケ…ケダモノ…」
お~ほっほっほ!恐ろしいのぉ!乳に狂ったオタクの心変わりとは!お主の失敗は先に気持ちを伝えなかった事よ!さて、説明せずともお分かりになるでしょうが、ナニが発生したかご説明しましょう。
只今、エルフのウィッチドクターズが作りました特性のお薬がた~ぷり入った爽やかな飲み物(微アルコール)そしてお野菜と果物中心の素敵なお食事(勿論薬入り、真面な料理できるの私だけなんで苦労しましたよ。まさか着飾ったエルフが火牛の丸焼き出す訳にもいかないからね)をお腹に収めました少年少女が悶えながら恨み事を吐いております。
それを冷たく見下ろす裏切りボーイズ&ガールズと私達。既に周囲を囲んでいた者には突入を指示しましたのでチーターズは制圧されております。弱いのぉ!追い詰められた人間さんとは格も愚かよ!
「異界の勇者の皆さま、お話は御仲間より聞いております。我らの奉ずる女神のお力によりこの地に来られた事感謝に堪えません。そして謝罪を…女神に仇なす魔王の力により貴方方をお探しする事が叶わなかったのです」
とか何とか言いましたらコロッと騙されてくれやがんの!それしても、我々の演技が上手かったのもあるんでしょうが、簡単に引っ掛かったのは限界だったんでしょうね。私たちが彼らが立て籠もる学校を訪れた時泣いてたもん皆。よく頑張りました…やったん我々ですけど…其処ん所は駄女神を恨んでね。
まあそんな訳で限界ギリギリの精神状態であった彼らは、麗しきコスプレ集団(まじでコスプレなのよ私以外着なれてなかったから。鬱陶しいからって何度も頭冠とか外そうとするから困った。投げ捨てるなよそれは、多分それを手に入れる為にこの世界の人間さん達は殺し合いだってするぞ)の差し出す物に食い付いて悶えておるのです。
少年少女たちよよく覚えておきなさい。ここはテンプレ系転移世界などではなく飢えたるエルフ跋扈するだ~くふぁんたじ~なのだと。もう遅いですがね。
では孫達よ!このチーターたちはくれてやるから好きにしろ!私は話の分かる婆ちゃんなんです!それと適当に金物奪ったらここは燃やしてしまいなさい。この世界に物質文明など不要なのですから。




