表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
産むし 増えるし 地に満ちる 私がママになるんだよ!!  作者: ボンジャー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/77

第五十九話 精神攻撃は基本

 はて?私は何をしていたんでしょうか?頭に靄が掛かっている様に朦朧としております。


 どうやら私はベットに横になっているようで、何やら下半身にイヤーな不快感と悪臭を感じ、オマケに喉はカラカラで口の中はベットベトの最悪なコンディション。


 兎も角も水!私は水を求めて起き上がろうとしましたが、腕にも腰にも力が入らずとてもの事に起き上がる事が出来そうもありません。


 一体これはどうした事か?私は何か重症でも負って、体が動かない程の長い年月を寝ていたのでしょうか?そう思う他はありません、何せ今掛かっている掛け布団すら重くて引き剝がせないのです。


 ベットの周りは暗く、、、これ私の目が駄目なんですね。ほんの一メートル先もぼやけて良く見えません。


 「誰か、、、誰か、、いませ、、、ごほっ」


 助けを求めて声を出そうにも衰え切った声帯はか細い声しか出せません。体中が痛みを訴えております。あっ出る!


 じょばーっとした感覚。情けないかな漏らしました。下腹部の不快感と部屋、恐らく個室の中に充満する悪臭はマシていきます。


 悪臭の元は、私が駄々漏らししている糞尿と、少なくとも二日は換えていない下着に染みついた汗と垢から発しています。


 「誰か、、誰か、、居ないのぉー」


 情けなくて泣きそうで、私は必死に暗い部屋に声をだします。


 「どうしました?〇〇さん?あっ排尿あったんですね、いまオムツ換えますからねぇ」


 私がか細い声で喚いていると、暗い部屋に一筋の光が差しました。どうやら巡回中の介護職員が気づいたようです。


 「あら排便もされてますね。お尻ふきますから。ちょっと用意させてくださいねぇ」


 職員さんが布団をめくり私の悪臭放つオムツを見てテキパキと動きだしました。そんな職員の声を聴いていると、私が何者で何故ここにいるのか漸く思い出してきました。


 私はヨボヨボ老婆でその上ボケておりますから、如何にも世話の出来なくなった子供たちからこの施設に放り込まれたのでした。

 

 嫌ですねぇ、歳をとるのは。体は動かず記憶は穴だらけ、こうして下の世話まで人様にして貰わねばなりません。


 「はあー体位をかえますよー私の方を向いて下さいー」


 こんな婆を仕事とは言え世話をせねばならないのは大変ですねぇ。オムツを変えるため痩せ切った私の体を右に左に転がす職員さんに思わず同情しちゃいます。


 「もう少しで終わりますからねぇ、今度は壁の方を向いてくださいねぇ」


 はいはい分かりましたよ。私も及ばずながらご協力しましよう、、、ところで何時までこんな茶番するんですか?


 「あれ?もう正気にもどったのか?まだお前のひり出したのは始末してないからもう少しまったらどうだ?神に下の世話させた奴はそうはいないぞ?」


 「それは光栄な事ではございます。が、ご遠慮いたします。私長い事生きておりますがそこまで衰えた覚えはございません」


 言ってやりますと、優しい介護職員改め糞&糞の詐欺神も笑って心にもない事を言いやがります。途端に私を包んでいた世界は鴉の群れとなって飛んでいき、私は老婆ではなく、うつくし~エルフ娘として暖かな暖炉の火が照らす一室で椅子に揺り椅子に腰掛けていました。


 「いつ気づいた?後な娘はない。美しいを認めるのは良いがお前は娘ではない」


 「うるへぇ!良いんですよ不老なんだから!何時までも私は少女!ゴホン、、あのねぇ、私が何人の子供を育てて来たと思ってるんですか?百人超えているんですよ?常識的に考えて唯の人間にそんな思いである訳ないでしょ!私の人間だった頃の記憶から嫌なシチュを探して来たんでしょうが設定が甘い!」


 べぇ~だ!お前の脚本最悪!大体何度目だ!そうなんですよ!聞いて下さい皆さま!こいつったら近ごろ手を変え品を変え精神攻撃してくるんですよ!


 それも夢落ち、妄想ENDばかり!いい加減慣れたんですよ!


 あるは時は、あの懐かしき全裸中年パレードで気絶しただけで実は留置所にぶち込まれただけの夢堕ちEND。またある時は汚いおっさんが精神障碍者施設で白い壁にブツブツ。


 「言わせて頂きますと、貴方様の精神への攻撃は人間さん様に偏り過ぎです。エルフ経験二百年を超えた私に効く訳がないのです」


 「その割におっさんに戻ったと泣き喚ていたが?」


 「一時の事です!それが証拠に子供たちとの思いで以外にも、お兄さまとの燃える様な愛の記憶が私をす~ぐ~に正気にもどしてくれました!愛は妄想などではない!」


 「ああそうかい。あれはな、脂ぎった中年親父が男との逢瀬を滔々と語るから気持ち悪くて取りやめただけだぞ」


 「聞こえませ~ん!あれは愛の勝利で~す!」


 そう愛は勝つのです!初めての妊娠、ひでぇマタニティブルー、覚悟していたとはいえドッキドキだった出産、初産に亭主まごつく何とやらで普段の謹厳さを投げ捨てて慌てふためくお兄さま。


 生まれた我が子を初めて抱いた時、私は前世である全裸中年とは縁が切れているのです。時に懐かしく(特に自堕落な生活)思う事はあってもアレは過ぎ去り帰る事はありません。


 「私はエルフで人ではありません。白百合の姫君と言う名前があります。面と向かって言われるといまでも少し恥ずかしくはありますが、、、兎も角、貴方が何度私の生前を掘り起こそうと無駄です。疾くお立ち去りなさい」


 第一なんですか!私の子供を浚ったのでしょ!それならお世話しなさい!子供を放ったらかしにするな!貴方がやる事は育児!私がその手から子供を取り返すまで、貴方様には扶養義務があるの!英雄にするなら英才教育も付けてね!


 「それな、終わったぞ」


 ひょ?あれから五年と少しですよ?幾らエルフだからと言って五年やそこらでオークひしめく大地に覇業を成せる英雄になれる訳がな、、、・


 「いやぁ、久しぶりに女に化けて俺が直々に乳を与えてたんだがな、考えて見れば俺が育てた子供と言えば馬に蛇に巨人だろ?だから加減を間違えてなぁ、この世界にもドボォルグがいるから近縁種であるお前らエルフも同じもんだろと思ったんだよ!ごめん~ね」


 「てめぇ!、、、失礼、、それで貴方様はどのような子育てをなさったのですか?私、冷静さを欠きそうなんですが?」


 前世と決別したと言いながらこの体たらくですみません。ですが聞き捨ててきない言葉だったものでして。ごめんなんて言ってますが絶対に悪いなんて思っていない態度なんですもの。


 「ふむ、前回と同じく飛び掛かって来るかと思ったが成長したな。口の利き方もマシにはなったようで感心感心。なに安心しろ直ぐに分かる期待して待っていろ。では目覚めて良いぞ」


 「なんですかその思わせ振りな言い方?何したの私の子に?乳を与えた?神が?私の子を何だと思っておられるのですか?」


 「英雄だよ。但し神代のな。お前はあれだけ悪巧みができる癖に案外想像力が貧困だな、神が直々に育てる英雄が人の時代の英雄だと思ったのか?現代人の悪癖だぞそれは、科学と理性に汚染されすぎている。お前は自分で言う程エルフには成りきれていないな白百合」


 キィー!人が反省していると言うのに追い打ちですか!ヒドィ!優しさとかない!ある訳ないか、、この方悪神ですからね。


 悪神ロキのチクチク言葉が終ったと思えば部屋が世界が鴉の群れに分解し私は虚空に放りだされました。どうやら夢の時間は終わりのようです。


 何時も寝ている時に仕掛けてくるから慣れた物。遠くで私を呼ぶ声が聞こえ私は浮き上がっていく感覚に身を任せ目を閉じました。


 


 「義母ちゃん!おい義母ちゃん!しっかりろ!テメェら!なに突っ立ってる!担ぐ物を持って来い!」


 潮の匂いと私を心配する声それどデカい罵声がきこえます。思い出しました。私は船を奪還する為に決死の覚悟で突貫してきたオークとやり合っていたのです。


 私は後方で督戦してましたが、どうやら流れ矢を頭に受けたみたいです。被っていて良かった狼兜、皆さまもヘルメットには純正品を使いましょう。安いのは死にますよマジで。


 それは兎も角、、、


 「大丈夫ですよ、、これ位で死にませ、、ぐぇぇ~!」


 目を開ければ心配そうに私に呼びかける乙女ちゃんがいます。声を掛けた所直ぐに抱きつかれて窒息寸前。


 余程心配だったのでしょう。普段はそっけないのに可愛い子です。これが古の言語で言うツンデレですね。でもね、、、


 「くるし、、死っしむぅーー」


 お義母さんその腕で抱きしめられると、、あっ、、、意識が、、、


 


 


 


 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ