第五十一話 見ろ!人妻エルフのドブ色魂が浄化されて行く、、、、無理だったわ。
どうも皆さん。何やら、持ち上げれたり落とされたりしている気がするエルフ娘でございます。事は順調、、、とは言い難くとも中々の成果を上げているのですが、なーんか皆がよそよそしいと言いますか、
「まあ、お婆はデーンと構えていて下さい。後は俺たちでやりますから」
と言った感じで、痩せ狼の諸部族を粗方平らげた辺りで私を前線に出さない様に仕向けているような気がするんですよねー。
特に息子。如何にも嫁と共謀して私を自分の目の届く所に置いておきたい様でして、私を本拠地である樹氷の都から出さない様にしております。
は!もしや謀反!朝起きたら本能テンプル!敦盛なんて踊れませんよ私!どうしよ今から練習して間に合うかしら?アレンジ加えようかな?
「エルフ生無限大、下天の内と比べても、ひでぇ現実あるばかり、一たび生を受けてそう簡単に滅してたまる物かいなぁ」
これでは死ねないな。潔さの欠片もねぇ踊りになります。おふざけは置いて置くとして、謀反なんてモノは考えてはいないでしょう。ただ心配なだけですねアレは。
皆様にも謝っておきましょう。私少しナーバスになっておりました。これまでテンションを無理やり上げていたのですが、私の無茶ぶりに付き合ってくれている子たちを見ていると、冷静になろうと言う物です。
普段の私でしたら、死ぬ時は嫌でも死ぬんだから、どの様なピンチでも泥水を啜り序でに男の精気を啜り、生きて行く方にスイッチ入れるのですが、正直、どーにも敵いそうない相手が敵方にいるせいで、支離滅裂な思考に陥っておりました。
そうですね。息子たちが心配する訳ですよ。今までの私は、どーにも死にそうな方、死にそうな方へと自分を追いやっておりました。
でも聞いて下さいよ。私は、こう裏でコソコソして、出来うる限り被害ゼロで事を済ませたいと言うのに、英雄召喚だの試練だの仕舞には息子を奪われるだのと、表の方へ表の方へと追いやられ、可愛い子どもたちを無駄に犠牲にする公算が高いプランが手が届かない所で構築されているんです。
正直面白くない。事が事なのでこの事態も仕方がないと言えばそうなのですが、テメェの間抜けで子供に無駄に被害が出るのは嫌なんです。
アレですよ。確かに決意はしましたよ?ですがねぇ、一連の征服事業で、死人は出ていなくとも、若い子らが重症を負って慣れ親しんだ故郷から、霧の森へ後送されるのを見るのは辛いんですよ実際。
確かに、森の娘たちの手に掛かれば、腹裂かれようと、足とれようと、腕とれようと如何にかなりますよ?なんだったら彼女らは、元の手足と同じように動く義手でも義足でも拵えます。
私もお兄さまに見つからない様にこっそり森に戻りまして、如何にも治りの遅い足の傷を縫い付けて貰いました。あれは痛かった、、、麻酔なんて無しで、永氷製の針と紫絹の糸で縫い付けらましたからね。
ですがねぇ。私の様な特定外来エルフと違いまして、在来エルフがその様な処置を施されるには、長い事森に要る必要があります。
完全に適合するまで十年以上は掛かるのはザラ。エルフは適応障害を起こしやすい種族とは昔、話しましたよね?雪の子供たちには始終温暖な気候に何年もいるのは苦痛なんですよ。
皆さんだって幾ら治るからと言って集中治療室に数か月も監禁されるの嫌でしょう?こっちで治療が出来れば良いんですが、致命傷に近い傷を癒すには生命に溢れた向こうでなくては駄目でして、泣きの涙で若い子供たちはドナドナされて行ってます。
それでも子供たちは私を恨みません。恨まないんです。恨んで欲しいんです。「この婆!淫乱!淫魔!死ね」位は言って欲しい。
普段でしたら、「お婆邪魔!」「ナニしてる時の声がデカい!寝れない!」「教育に悪い!少しは控えろ」等と時に蹴り入れて来るくらい元気で腕白な子孫たちが、「心配するな」とか「平気だ、お婆の気にする事でじゃない。俺が間抜けしただけ」等と言って来るんですよ?
母ちゃん辛いの。これは心に来るのよ。義理の子供だってそうです。こちらは子孫繁栄と戦力補充の積りで回収したオークの娘たちや、雪原で拾った男の子などは「命を救って貰った恩がある」と死地に赴いているのです。
何よそれ。そんなん卑怯じゃん。こっちは暗黒外道鬼畜淫乱エルフ妻ですよ。お前らに共感なんてしませんよーだ!私はこれまでだって人間さんを掌で弄び、戦乱と混乱でかき混ぜて来た悪の大首領ですよ?そんな、、、そんな事言われると、、、ああいけません。魂に残る崩れた神殿からジョニー的な聖霊の攻撃が
ビンビン良心を刺激致します。
可愛いなぁこん畜生。健気とか弱いのよ。アガペー的な事急にしないで欲しいの正直。浄化されちゃうでしょうが。
ここ行くと人間さんが良いですねぇ。私の様な理不尽の塊には敢然と反旗を翻しますよ彼らなら。誰しもが自分大事でイイではないですか?ねぇ?自己犠牲とか止めてよホント。己大事で転げまわるからこちらも嘲笑いながら転がして回す事に呵責を覚えないんですよ。
ここいらがほっておけば、我々エルフにしろオークにしろ、何れは消えて行く存在である証左なのでしょう。純粋と言うか人が良いと言うか、大義の為に自分を犠牲にしがちです。それが間違っているとしても、信じた物の為に死んで行ってしまう等、知的生物ではなくレミングスですよレミングス。
一か八か等で集団でテメェの命を懸け、死ぬのが99パーの大移住とかして良いのは野の獣だけです。知恵と言う厄介な物持ってるのですから、裏をかいて生き残る算段を取って!ねぇお願い?母ちゃんそれ位で恨まないから!
殉教は駄目!殉死ももっと駄目!そんな事してたから帝国は滅びたのです!雌伏して捲土重来がこれからのエルフの生き方なのです!
失礼。愚痴が過ぎました。子供たちは私に引きずられている中、自分に出来る事を精一杯こなしているだけですよね。引きずっている本人が、その努力にケチを付けるのは失礼極まりない事です。
私も出来る事をしましょう。息子たちは私を死にたがりとか思っている様なので、一人でホイホイ前線に出る事は出来ませんが、周りを親衛隊で固める事を条件に侵略の先兵として動く事を了承させました。
年甲斐もなく泣いたり喚いたりした甲斐があったと言う物です。生きるの方に舵を切った私は恥とか無いので、それ位なんでもありません。
ブスゾネス軍団誕生には斯様な秘話があった次第です。私が赴く場所には鍛え上げられ、永氷を縫い付けた狼の皮を被る(オーク基準で)ブスたちがそろっているのです。
実の所、男衆からの参戦者の方が多数派ですが、顔を隠す様に毛皮を目深に被って貰ってますので、顔を晒して行動する女が主体の様に思われている次第であります。
当初の予定の「痩せ狼」動員計画はどうしたか?あれはねぇ、、、無理でした。蛮族度を見誤っていた次第でして、言う事なんざ聞かなかったんです。
蛮族、蛮族とは思っていましたが、キャンと言わせて躾たつもりでも、腹が満ちれば女襲おうとしやがりましたよあいつ等。長年染みついた伝統と言うのはそう簡単には抜けないものです。
ですのでお望み通り、女に不自由しない場所に送って差し上げました。勿論霧の森の事です。あそこには男に飢える喪女がそれは一杯いますから、、、、
家の嫁である乙女ちゃんから魔女、魔女と呼ばれるウィッチドクターズは日照ってるんです。日夜呪術の探求を続ける娘たちは、自分達を実験台に平然とトンデモねー量の薬使いますから、巻き込まれる夫はたまった物ではありません。覗くと引き釣り込まれそうなのでこの目で見てはいませんが、夜の方は過酷にして苛烈と泣いて逃げて来た人間さんから聞いて居ります。
皆さまも、エロエロお姉さんとの爛れた日々を夢想して飛び込んだが最後即枯れる事でしょう。基本的に一夫一婦することが好きな森の子供ですが、あの子らは例外、私の血がひじょーに濃い子たちです。
一応人間さん相手には手加減はしている様ですが、それでも三日で男に逃げられる喪女多数の有様。彼女らに取りまして、女と見れば襲い掛かる腰振り狼の皆さまには最適な相手と言う訳です。
「何しても良いのよ!えぐいプレイ歓迎!死なない程度に干物にして差し上げなさい!」
そう、捕虜を受け取りに来た娘に言った時の、嬉しそうな顔は肝の据わった男子でも裸足で逃げる事でしょう。聞けば、連行された蛮族どもは一日中トローンとした顔で過ごしているそうですので、それはそれは「幸せ」に過ごしているのでしょう。ざまぁ。
彼女らは何も自分達だけで蛮族を独り占めにはしていません。何しろ数が数ですので、特に狂暴で言う事を聞かない奴らは無事TSして貰い、「女の幸せ」も手に入れて貰っております。突っ込む側から突っ込まれる側に変わり蛮族も自分たちがどの様な事してきたか深ーく反省しているのではないでしょうか?知らんけど。
そう言う訳で、今の北の地には「痩せ狼」は存在しません。ですが狼は死して毛皮を残しました。前にも言った通り、彼らに反旗を翻した女族長が彼らの後釜に座ったと言う態で、違和感なく周辺部族に攻撃を掛ける事が出来る様になったのです。
さて、ここいらで状況を整理しましょう。我らの目標は第一に浚われた我が子の奪還(安心してください。もう相打ちなんて考えませんよ)第二にロキの思惑をぶち壊す事です。
そうですよ。英雄なんて要らないんです。今まで他人ごとでしたから、自分達作り出そうとか考えて居ましたが、我が子がそんな役を押し付けられるなら話は別です。
それを食い止めるための犠牲だっていりません。ロキは種族の存亡をかけた一大決戦をやらせたいのでしょうが思惑に乗ってやるものですか!
ん?ではなぜ軍を起こしたか?いえそれはその場の勢いというか、反省してます。そうですよ私が悪いの!反省しているって言ってるでしょ!過去に捕らわれない!モテませんよそんな事では!
それにね、悪い手でもないんですよコレ。我々が大きく動けばロキも此方が覚悟を決めたと思うでしょう。彼には精々来る英雄の晴れ舞台を夢想しても貰います。
矢張り、私の本質は小細工にあります。小物の私には子供たち程の懸命さとかないんですよ、如何に楽できるか考えてばかりのエルフ生な物でして。
どんな悪だくみを考えているのかですか?此処に一つの書簡があります。樹氷の都で反省している際に書いた物です。宛先は聖都とだけ言っておきましょう。
先ほど、殉教も殉死も駄目と言いましよね。少し訂正をさせて下さい。私は身内の献身が嫌なだけです。自分の血を引く者、自分を頼る者、自分を信じる者が不必要に傷つくのが嫌なのです。
ですので、愛する隣人以外の方に献身して頂きます。いるでしょう?作りましたよね?献身と殉教が大好きな組織と宗教。
悪辣ですか?ええそうです。私決して天国に入れる人種ではない者でして。




