第四話 今夜は、ぱーてぃーないつ!れっつ一夜の過ち!
ドンドコドコドコ!エーホッホヤーホッホ!どうも皆さま!只今、狩りの成功を祝い、楽しいお祭りが、開催されております場所より、皆様にお送りしております、エルフ娘でございます。
赤々と燃えるキャンプファイヤーを囲み、大牙猪の丸焼きに、黄金鳥の香草詰め、私自ら、琥珀蜜蜂の蜜より作りましたミードが振舞われ、祭りは大盛り上がりです。
主賓は勿論、隅の方で震えてる人間さん達!どうしたんですか?ソンナニ怯えて。取って食いはしませんよ!さあどうぞ遠慮なさらずに、霧の森特産のご馳走をお食べ下さい。たーっぷり精を付けて下さいね。特にそこの御ぼっちやん!ほーらお姉さんたちは怖くなーい!
宴もたけなわですので、これまでの経緯をお話致しましょう。お嫁さん、お婿さん強制募集計画はまず、霧の森外縁にほど近い開拓村を狙って行われました。我が家の長男「大鷹の瞳」事、鷹ちゃんによりますと、私が嘆きに暮れて、森を彷徨っている最中に、発見した人間さんたち、はこの村の方々だそうです。
襲撃計画の為、一年程かけてじっくりと観察したところ、彼らはミョーに貧乏臭いんですよね。鉄製農具は数える程、家畜はニワトリと、移住して来た時に連れてきた馬車馬四頭のみ。村こそ空堀で囲んではいますが、逆茂木が有るだけ土塀すら無し、霧の森の生き物はかなり狂暴なんですが、これまで良く生き残って来れましたね。
防御施設はガタガタの見張り台が一つ、住居と言えば竪穴式に毛が生えた程度、あれは地べたに藁を引いて寝てますね。耕作作物は麦と、、、、稗かなあれ、辛うじて生きていけてるかんじですかねぇ。おかしいですね?帝国を滅ぼした連中は、お兄様情報では、もっとこう欧州古代末期的な感じだった筈なんですが?
焼き入れされた鉄の剣に長槍、投げ槍ないし投げ矢、規格化された青銅の薄片鎧、大盾のシールドウォール。其の後ろににはバリスタと投石機、そしてお揃いの革鎧を付けた弓兵たち。一騎当千の相手には数を!な感じで平押しするのが彼らの常とう手段で有ったそうですが。
それだけの軍隊を揃えるにはそれ相応な文明が必要です。でもですね、村人連中はみすぼらしい服装で、奴隷らしき人間は一人もおらず、足を引きずる指導者らしき男も、装飾品の一つも付けておりません。あの男、元兵士ですね。顔の傷にあの動き、退役兵でしょうか?
見ればチラホラ元兵士らしい男たちの姿も有ります、村人の総数は一、二、三、、、七十人と言ったところでしょう。子供も何人かおります、、、ジュルリ。
女が少ないですね。皆それなりに若いですが二十人程、退役兵と元酒保娼婦の組み合わせ、と言ったところでしょう。しかし、退役兵の開拓事業で有れば、年金を使って、もっと良い道具を揃える筈なんですが?気になりますねぇ。まあいいや。訳は後で彼らに聞きましょう。
相手が退役兵なら思わぬ抵抗を受けるかもしれません。初めての遠足ですので、引率の先生たる私も、張り切りましょう。鷹ちゃん、監視ご苦労でした。戻っていいですよ。
「母よ、いい加減、その鷹ちゃんと言うのを止めてもらえませんか?私には、大鷹の瞳と、言う父から貰った名前があるのです、それに本当に人間を嫁に迎える積りなのですか?良いではないですか、父が帰るのを待っていても、我らは不死、百年や二百年待っても、どうと言う事はないのです」
まーた、そう言う事を言う。家の長男は。中途半端にお兄様の、正しいエルフ教育を受けたせいか、なーんともお堅い所が有るんですよね。そこがカワイイんですが、この場合はお堅くなくていいのです。種族には新しい血が必要なの!
「鷹ちゃん、我儘を言わないでください。言ったでしょう、あなた達が兄妹で子供を作るのを嫌がった以上、私達には新しい血が必要なのです。これは神託でもあるのですよ!貴方だって見たでしょう。母が神様にファッキンと言った瞬間、天罰が落ちたのを。神は何時でも見て居られます。そのご意思を曲げる事は、被造物である我らには出来ません。分かりましたか」
「あれは母が、妹たちが作った神像に、躓いたのが悪いのでは?蹴り飛ばしたでしょう、その後」
「細かい事は良いの!神像の件は、一週間連続ランダム雷の刑で贖罪済み。今は一人でも多くの同胞を誕生させるのが急務なのです!分かったら戻るハリー!」
子供も六十になりますと言いたいことをいいますねぇ。成長した証でしょう。少し寂しい気もしますが、、、、ですので私には新しい赤ちやんが必要!さあ行きますよ!待っててね赤ちゃん!直ぐにパパを連れてきますから!
ある日の夜、あいつ等は急に現れた。影から染み出す様に、森の向こうから現れると、空堀を飛び越え次々に村に入って来た、見張り台の人間は叫ぶ暇も無かった。寝静まる家々に、音もなく入り込み、次々とぐったりした村人を運び出していく。小便に起きた俺は、納屋の影で震えながらそれを見ていた。大きな影に抱えられた人間が暴れながら運ばれていく。
月明りに照らされた、奴らの姿を見た瞬間、俺は急いで我が家に駆け出した。金の髪に赤銅色の肌、裸同然の姿に腰布だけ、体中に訳の分からない文様が書いてある。エルフだ!御伽噺の中に出てくる化け物。俺たちを攫って食べる食人鬼、間違いない!
逃げる俺の背中に雄叫びと叫び声が聞こえた、あれは村長と女将さんの声だ。怖い怖い、なんだ、何なんだ!エルフは皆退治されたはずだろ!
家に飛び込んだ俺は、姉ちゃんに叫んだ。
「エルフだ!エルフが森から襲ってきた!早く逃げなきゃ皆食われる!」
寝ぼけ眼だった姉ちゃんも、外から聞こえだした叫び声に直ぐ飛び起きた。姉ちゃんはずっと剣を握って俺を養ってくれた強い人だ。今回の追放同然の開拓にも愚痴の一つも言わずに俺を連れて来た。都も軍も内乱で疲れ果てている。とても傭兵なんぞ養ってはいけない。そう言って雀の涙の退役年金で追い出された同じ部隊の兵士に紛れて此処までやってきた。
「落ち着いて!何が有ったの!」
飛び起きた姉ちゃんは俺に話しかけた。震える俺が訳を話すと、愛用の黒鉄の剣を握り扉の前に立ち外を伺う。外の叫び声は段々と小さくなっていく。皆やられたんだ。今度は俺たちが化け物に食われるんだ!
「姉ちゃん!早く逃げよう!」
俺がそう叫ぶと、外を伺っていた姉ちゃんは俺に振り返り、優しい声で俺に隠れる様に言った。
「良い。何が有っても声を出さないでいなさい。大丈夫、姉ちゃんが強いのはしってるでしょ!」
土間の一部を掘って作った保管庫に筵を掛けて、俺を隠すと姉ちゃんは扉の前に剣を掲げて立ちはだかった。なんでだ?なんでこんな事になる?俺たちは何にも悪い事はしてない!
筵の隙間から俺は見た、中で姉ちゃんが待ち受けてる事に気づいたのか、あいつ等は、扉を蹴り破り入ってきた。油の薄い明かりに照らされて、姉ちゃんは金髪のエルフに切りかかる。でも駄目だ。エルフはすっと横に避けただけ、躱された姉ちゃんが再度切りかかろうとした時、エルフは姉ちゃんの肩に、そっと触れる。其れだけで姉ちゃんは動かなくなった、、、、、
俺は何もできずにそれを見ていた。見ていただけ。姉ちゃんが連れて行かれるのを見ていた。どれ位時間がたったのだろう?外は静かだ。皆連れて行かれたのか?
「クンクン、なーんか人間の匂いがしますねぇ」
?何時の間にか家の中にエルフが入ってきている。女だ女のエルフ!
「ここかなー?それともここかなー?」
来るなお願いだ気づかないでくれ!
「どこに居るんですかー?人間さーん?ご馳走がありますよー。おかしいですね?居ないのかな?」
来るな来るな!俺は口を塞いで耐えた。嫌だ!姉ちゃん救ってくれた命を無駄にはしたくない!少したって気配が消えた。良かった、、、、助かっ、、、、、、
「はい、ゲームオーバー!楽しかったですか?かくれんぼ。いやぁ、私も子供たちが、小さい時は、良くやりました。近頃は一番下の子でも、付き合ってくれませんからねぇ。つい遊んで、、、、あれ?気絶してますねこの子、悪い事したかな?」
あの子には悪い事をしましたが、村人は全員ゲットしました。イェーイ大漁!そうそう、気絶していた子のお姉さん。何とオークだったんですよ!実物を見たのは初めてですが、あれですね、緑の肌と言っても、意外と色素が薄い、良ーく見て緑と分かる位です。後で聞きましたら、肌の色が緑なほど美人だそうで彼女、故郷で醜女扱いだったそうです。私には、ワイルド系お姉さんで、可愛く見えますが、美の基準も色々ですねぇ。
そんな訳で開拓村御一行様はエルフの森にご招待致しました。暴れても無駄ですよ皆さん、此処はこわーい霧の森の中心。下手に逃げると森の仲間たちの胃袋に収まる危険がございます。嫌でしょ餌になるの?
では皆さん口をお開けください。開けないのでしたら無理矢理あけーる!子供たちGO!
「済まない。母怖い 悪く思うな」
「諦めろ、諦めれば楽になる。私もそう」
「可哀そうだが、神託には逆らえない。御免ね」
何ですか子供たち!まるで人を悪人みたいに!悪人ですね、、、確かに悪人です。これから手籠めにする訳ですから、、、、気にしない!これは「大いなる方」のご意思!さあ次、ウィッチドクターたちやってしまいなさい。
「さあ、飲め、これ特性の薬、若さの泉の水にアカガネ熊の肝を煎じた、若さと元気でる」
「男はこっちも飲め、瑠璃トカゲの心臓、岩山椒魚の汁が入ってる、これでお前も第二の性へ見事転換、兄者たち喜ぶ、私達、母の邪心から助かる。お互いハッピー」
おおビクンビクンしてる!悶えてる悶えてる!大丈夫?死なないこれ?ねえ、若ちゃん?ウィッチドクター筆頭、十一女の若草の芽に聞きます。如何なの?
「若ちゃん言うな。大丈夫、死なない、、、多分、、、、兄達で試した時は大丈夫だった」
ああ、だから妙に子供たちに女が増えてたんですね、私、一時は遂に認知症にでもなったかとおもいました。なにせ七十七歳なもので。
兎も角!これでお嫁さんにお婿さんは用意出来ました。今日は目出度い日です。宴じゃ宴!子供たちよ、集まれ!人間さん達をお連れしなさい。
そして今に至ります。さあ宴はクライマックス!例の物を火に投げ込みなさい!
例の物、お兄さまをエルぴょいした時に使いました催眠剤。アレに娘たちがラりって、、、大自然と一体になっている時に使うハッパを混ぜた特性のお薬。さあトリップしようぜ!こうでもしないと君達、一夜の過ちなんてしないでしょう!現代エルフは多婚制をとります!誰がママでもパパでも構いません!皆私の子だ!
俺は、俺は、俺は一体どうなっちまったんだ!苦労に苦労を重ね、森から出てくる化け物の襲撃に怯え、やっと村の運営が、軌道に乗り始めたばかりなのに。あの夜、森から現れた御伽噺の化け物たちは、俺たちを攫った。エルフだ?エルフだと!本当にいるなんて聞いてない!
第一御伽噺と違う!エルフは細身とは思えない力で百人の兵士を切り伏せる、白金の鎧の戦士とか!今の俺たちがとてもじゃないが作れない都市で、贅沢三昧の上、遂には人間を食べる様になった化け物だろ!何だこいつ等!男は人間の三倍はある筋肉で腰布一枚に入れ墨だらけ、女もそうだ目のやり場に困る!胸も胸も、、、、あんな布切れで隠せてない、スゲーホントに胸って揺れるんだ、、、違う!
俺たちを嫁にする婿にする!何だホントに御伽噺の世界に来たのか?ああマルクス、、、ずっと俺に付いて来てくれた戦友が女に、、女に成っちまった!助けて!助けてくれ神様!
「だーめ、神様は助けてくれません。無駄な抵抗はしなーい。快楽に身を委ねて下さい。これは神のごいーし!オラ!パパに成れ!」
赤銅の肢体が俺の上で踊る、頭がボーっとして考えが浮かばない。ああ良い女だ、、、もう良いや何でも。はいパパになります。