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産むし 増えるし 地に満ちる 私がママになるんだよ!!  作者: ボンジャー


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第十八話 月は出ているか? 野生に帰れ人間さん

 この所、帝都の治安回復という、羊皮紙の上だけの数字だけ見て、治安維持予算削減を叫ぶお馬鹿さの存在を婿殿から聞いております。見た目は回復してますよ、見た目は、単にアステカリアリティショックなだけかもしれませんが。


 治安回復は本当なんです。殺人、強盗、誘拐の重い物から、スリ、置き引き、かっぱらい等の軽犯罪まで帝都の犯罪は、新エルフ教の信者増大に伴い、目に見えて減ってきています。代わりに、邪教の乱痴気騒ぎが貴族層にも浸透しつつ在りますが。


 コラテラルです!これは必要な犠牲なのです!毎夜毎夜、エルフ血酒をがぶ飲みして、トリップする集団も次の日には何喰わない顔で仕事してます。神との交信は悪い事ではないのですよ。多分、、、


 良いじゃないですか、自分をジャガーだと思い込んだ連中が、町中を激走するくらい。そう、彼らは大いなる方の愛に触れたのです!アステカフィルターを通して、ですが。


 いけませんねぇ。私、余りのエキセントリックなイベントに、治安の悪化を気にする、一般人の気持ちになっていた様です。何をしに来たか、つい忘れそうになってしまいました。


 私は、人間さん世界に混乱と破壊をもたらし、何れは崩壊させんとする、悪のエルフ妻なのです。忘れてしまってはいけない。


 人間さんが、己が魂の矮小さ故に、SAN値減少するならそれで結構。ガブガブ飲んで、大いに「長!長!長!」と叫んで貰いましょう。増大するカルト教団の対応に追われて疲弊するのです、衛兵隊の皆さん。


 

 そうとなると、何故故か、カルト撲滅総責任者に任じられてしまった婿殿が心配ですね。如何しましょうか?衛兵隊の失敗は婿殿の責任になってしまいますし、、、、、。


 そうです。いっそ多数派になれば良いんです!やるなら思い切りやりましょう。帝国でも一番腐っている貴族派の皆さんを新エルフ教アステカ派で染めてしまいましょう。となれば用意ですね。


 


 



 「イエェーイ!皆乗ってるかーい!」


 「「「ウェーイ」」」


 どうもどうもDJエルフです。ダブルフルートとデスホイッスル鳴り響くフェスにようこそ!私はこれまで帝都で培った人脈と悪事で貯め込んだ金をフルに使い一大イベントを行っております。


 場所ですか?宮殿には、未だ人間さんの発見できていない地区が有るのは、お話してましたよね?ここは宮殿玉座の間から地下へ、樹齢十年たった世界樹の供十本分程地下へ進んだ、大空間、嘗ては、エルフ帝国皇帝の、私的な美術館が有った場所です。(エルフは世界樹が長さの単位なんですが、これ今回限りにしましょうか?矢張り、メートル法が良いですよね。)


 髭達磨たちは、此処の存在を人間さんには、最後まで教えずに、この地を去りました。大方、美術品を独り占めしようと言う魂胆だったのでしょう。私がここを発見した時には、偉大なるエルフ帝国の至宝たちは、綺麗サッパリと持って行かれたあとでした。


 此処は本来であれば、皇帝の私室からしか入れないのですが、髭達磨は、地下から略奪に乗り込んで来たようです。先日、私が見つけた髭の白骨死体が有ったでしょう?


 あの骨があった坑道、瓦礫で封鎖されていた部分が、此処への道と繋がっていました。あの骨は、此処を探していた部隊の兵士だったのでしょう。宝物に目が無い髭の事です、取り分を巡って争いでも起こしたのでしょう。あの骨はその同士討ちの犠牲者と言うわけです。


 あの後、再度、霧の森の記録にあった美術館を捜索していた私は、この何もない空間を発見したのです。宮殿内での根城にするつもりで掃除をしていたのですが、貴族の皆さんを招待するなら、こんなにうってつけの場所は無いでしょう。

 

 近頃、売り出し中の婿殿こと、第三皇子派から、この秘密クラブにご招待された皆さんは、喜んで参加して頂いております。出なきゃ、お前の後ろ暗い過去を穿るぞと言われただけですが。


 でも、心配ご無用!一度ここに足を踏み入れれば、其処は別世界!子供たちが嫌がるので、私が貧血気味になりながら、血で育てた特別性の月光草が醸し出す、夜とジャングルの世界です。


 吸い込みなさい!飲みなさい!歌いなさい!踊りなさい!夜明けが来るまで、此処はアステカの神々と、エルフが作り出す夢と狂気の空間!さあ皆でパライソさ行くだ!


 ああ、婿度はあっち行ってなさい。馬鹿になりますよ此処に居たら。子供達と孫の為にもお父さんには、真面でいて欲しいですからね。





 第三皇子閥、あの盆暗皇子が作りだした、第二皇子を抜き、いまや、正当な皇位継承者たる第一皇子と、肩を並べるまでになった派閥だ。


 派閥の構成員は様々、法務貴族、大商人、宮廷道化に宰相までいる。その権力の源は今もって明らかではない。つい数年前に、暗殺されかけ、行方が分からなくなってから、宰相の手で宮殿に帰還した彼は、見違える程、権力欲旺盛な人物になっていた。


 行動は今までと対して変わりは無い用に思える。むしろ奇行が増えたと言う話だ。公然と市内に出ていく、怪しげな連中を宮殿内に出入りさせる、御父上の皇帝陛下も眉を顰める程だ。


 それでいて、今まで、蛇蝎の如く、彼を嫌っていた人物まで、彼の派閥に入っている。其の上、猖獗を極めていた帝都の治安の向上には成果を出し続けているのだ。


 坊主連中との付き合いも増えている。坊主だぞ。未だにエルフが作った宗教を後生大事に守り続ける、石頭どもだ。エルフを滅ぼしたと言うのに、その教えを守るとは大馬鹿者としか言いようがない。


 坊主共は、エルフの物は全て人間から奪われた物で、その教えも本来は、神より人間に授けられた物だと言い張って入るが、そんなもの神ならぬ人間に分かるはずも無いではないか。


 そもそも、神なぞ本当に存在するのか?存在するならなぜ、人間が奴隷にされるのを黙って見ていたのだ。大内乱を止めな無かったのは?長髭が勝手に、人間世界から去ったのに、天罰の一つも与えない神に祈る必要が何処に有る?

 

 この帝国は。私達、高貴な血を引くものが、導いて行かねばならないのだ。明日の食事を、戦乱に脅かされない世界を作るのは、神ではない私達だ。その為にには金がいる。少しくらい余禄を貰うのは当然の報酬と言う物だ。


 私の枕元に、短剣で止められた招待状が届いたのは、少し前の事だ。差し出し人は誰あろう、件の第三皇子。其の時、分かったよ。彼がどうやって今の権力を手に入れたか。


 ご丁寧に、私と海賊との繋がりを示す、証拠が添えられていたのだ。何故、事が露見したのだ?海軍提督である私が、腸海の遥か沖合で取引したのだぞ?部下共の誰かが秘密を洩らしたのか?


 そんな馬鹿な。あいつ等は私が居なければ生きて等行けない。私に逆らえば、角鯨の餌に成るのは分かっている筈だ。

 

 秘密クラブへのお誘いだと?おふざけも度が過ぎてる。場所は、南風の庭園?寒風吹きすさぶ場所で、何をするというのだ?


 だが、行かねばならないだろう。私の所業が知れれば、皇帝陛下や第一皇子は、私の所領を喜んで取り上げるはずだ。今の帝国の財布は、あの庭園の如く、寒風が吹いている。


 

 その月の新月の晩、私は約束の通り南風の庭園を訪れた、供の者はごく少数、この帝国で辛うじて維持している、艦隊から選んだ最精鋭の兵たちだ。あわよくばその場で始末を付けてやろう、そう考えてすらいた。


 先導する兵の持つ、微かな明かりを頼りに、指定の場所に訪れた私を出迎えたのは、第三皇子その人だった。脇に控えるのは襤褸を身に纏い、顔も分からぬ小男が二人、いや、あの動き女か?


 「いやぁ。ようこそ提督殿。パーティー会場は此処だよ」


 「約束の通り、参りました。饗宴ですか?この場所で?殿下はちとご酒をお召しになられ過ぎでは」


 何時も通りの何も考えてはいない顔だ。韜晦してやがる、あんな真似ができる癖に馬鹿のふりもいい加減にしろ。これでは皮肉も出る。


 「そう怒るな。これからいい場所に案内するよ。頼むよ可愛い子」


 そう、皇子が言うと、襤褸の二人は、何事か唱え始める。ここでインチキ魔法使いの真似か?エルフが死んだ今、魔法を使える者などいるものか。


 


 驚いた!本当に皇子は魔法使いを抱えているのだ。二人組がの囁く声に合わせて、地下道と思しき道への、入口が表れたのだ。この宮殿には、エルフの残した秘密の道が残っているとは聞いたが、まさかまさかだ。


 「さあ、どうぞ提督」


 此処に来て俄然興味が湧いて来た。どうせ脅されている身だ、盆暗と思っていた皇子の秘密が分かるなら、その秘密を見てやろうではないか。

 

 エルフ帝国時代から、人の手がほとんど入っていないであろう、進むうちに通路は回廊と言っていい程の広さになって行く。回廊の壁には、エルフ帝国時代の壁画が、点々と設けられた照明に照らされて怪しく揺らめいている。


 地の底へ降りていくのかと思った時、私の耳に聞きなれない音色が聞こえて来た。遠く近く、人の叫びにも、獣の唸り声にも聞こえる音。回れ右をして逃げるべきだ!頭ではそう思うが、足は勝手に前に出ていく。


 私はどうなってしまったのだ?必死に後ろを振り返ると供の、兵士も私と同じように、頭と体が別になった様な事態に困惑と恐怖の表情をしていた。


 「如何されました提督?ご気分でも悪いので?」


 「殿下これは一体!」


 「ご安心なさい。ほら直ぐそこですよ」


 気づけば、私たちの行く手を遮る様に大きな扉がそこには立っていた。外から打ち壊されたのであろう、大きな穴が開いていた、瑠璃檀製と思しき扉、不可思議な音はその穴から漏れ出ていた。


 「着きましたよ提督、僕はご遠慮しますが、楽しんできてください」


 皇子の声に合わせる様に、扉が開いていく、皇子のお付きの襤褸の二人組が次々と私達を中へ押し込む。助けてくれ!此処に居てはいけない!此処は人の居ていい処ではない!


 扉の先、其処は、其処は、、、、、、




  此処は何処だ?供の者は?甘い様な、雨に濡れた腐葉土と緑の匂い。顔を上げれば。そこには深紅の月が輝いて!如何した事だ!私の体を毛皮が覆い、視線は地面擦れ擦れにまで低いではないか!


 嗚呼!呼んでいる!私を呼んでいる!あの黄金に輝く三角錐の建造物から!行かなければ!行くのだ!声だ!声が聞こえる!


 「「「ウォー!!!!!!!」


 我知らず声が、雄叫びが、吠え声が上がる!私だけではない!幾つも!幾つも!。そうだ!そうなのだ!私は密林の獣!この森の王だ!


 三角錐の頂上、獣の目を通しそこに見えるのは、、、赤銅の肌に長い黄金の髪を振り乱し踊る、この世の物ではない女が、あの長い耳!エルフだ!エルフがそこに!


 彼女の瞳が私を射貫く!心の底を覗き込む様な、あの黄金の瞳!そして、そして、全てを覆う月が!嗚呼、神よ!其処にいらしたのですね!


 


 

 「イエーイ!乗ってるかーい!人間さん達ぃ!」


 「「ウゴォォー」」


 獣の叫びですね完全に。皆さまお目目グルグル、口からは涎を垂らして吠えております。こうなると、人間さんと獣の境などあって無い様な物。皆さま良い感じに、魂のアステカ面に入って居られるご様子。


 私には分かります、彼らの魂は、此処にはありません。遠く神々が作り出す、摩訶不思議デンジャラスワールドに飛んでいるのです。アステカの神々の作り出すフィルターを通して見る、大いなる方の御姿は、一体どんな形をしているんですかね?戻って来れない可能性も少ーし有りますので、私はご遠慮しますが見て見たい気もします。


 「宴はまだまだ続きますよ!吠えろ!叫べ!人間さん達!己の野生を解放し、行くところまで逝っちゃいなさい!」


 



 気づけば私は、その場に倒れ伏していた。あれが、あの世界が皇子の秘密だというのか?第三皇子派閥が彼に逆らえるはずも無い、あれを知って、あの神の御前に見える栄誉の前に、人が逆らえる訳は無いではないか。


 後日、私の元を訪れた皇子に、私は永遠の忠誠を捧げた。そうさ!なんでもする!もう一度、あそこに行けるので有れば、私は自分の親だって売れる自信がある!



 

私事なんですが、転職しました。投稿スピードが落ちますので、お許し下さい。

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― 新着の感想 ―
[一言] これ信仰心何割か(大部分)アステカ方面にかっぱらわれてるんじゃ…… レベル20まで行ったんですね。賢者モード頑張ってください
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