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8:雨が降る。草を出す。

シノが魔法を…!

読んでくれてアリ(´・ω・)(´_ _)ガト♪

生ぬるい風が吹きました。あたりが曇ってきています。


「雨降る…」


木がざわざわと音を立て、まるでここにいるのは危険だと言っているようでした。


「そろそろ移動するか…」


「キャンディ…」


「それは移動してから考えよう」


「むぅ…」


「近くに確か街があったはずだから、そこへ行こう」


そう言い、ファズは北の方角を向きました。


「ふぁず…雨降る…」


「ほら、行くぞ!」


ファズはシノの手を持ち、少し早めのスピードで飛んでいきます。

シノは引っ張られるように小走りで進んでいきました。

町が見えてきたころ、ポツリと雨粒がシノの頬に落ちました。


「あ、雨降った」


こうなってしまってはもう、誰も止められません。

ポツリ、ポツリと雨粒が増えていきます。


「濡れるの嫌なんだが…!」


ファズはさらにスピードを上げました。シノはもう完全に走っています。

雨粒がさらに落ちてきます。ざぁざぁと音が鳴っています。

雨とかいうレベルじゃなくて大雨です。

ファズはもっとスピードを上げました。シノは…


「飛んでるー!ふぁずー!私、飛んでるー!」


ファズが早すぎて、体が宙に浮いていました。


「我慢してくれ!」


そして、猛スピードで街の中に転がり込みました。

しかし、ファズがいくらブレーキをかけてもスピードが落ちません。


「ふぁずー!止まってー!ぶつかるー!」


「ああああああ!!スピード出し過ぎたぁぁぁ!」


このままでは、家の壁にぶつかってしまいます。


(なにか、痛さを和らげるものは…!そうだ!)


「草ー!出ろー!」


シノは杖を思い切り振りました。それに応えるように杖が光ります。

杖の先から大量の牧草が噴き出して、巨大な草の山が出来上がりました。


「「うわああああぁぁ!!」」


一人と一匹の悲鳴が町中に響き渡り、少し大きめな振動と共に収まりました。

草の山の中に上手く着地することが出来たようでした。


「ふぁず~助かった?」


シノが下の方を見ると、目を回して気絶しているファズが見えました。


(…かわいい)


        *       *       *


ザ―――。


「雨が強くなって、どんどん暗くなっていく…」


シノは、簡易的な草の屋根の隙間を通り抜けてポタンと落ちてくる水滴を眺めていました。


「ふぁず~寒いよ~。起きて~」


ゆさゆさとファズの体を揺さぶります。体も暖かく、息もしているので死んでいるということはないのですが、なかなか起きないのです。


「どうやったら起きるかな…。耳でも引っ張ろうかな…」


そう言い、耳をつかんで上にくいっと持ち上げました。

すると…


「いったああああ!!」


ファズは飛び起きました。真夜中の町に絶叫が響き渡りました。まあ、雨の音ですぐかき消されてしまいましたが。


「ふぁず、起きるの遅い。日が暮れた。寒い。暗い」


「え、もうこんな時間に…。それに雨めっちゃ降ってる…」


ファズは雨を睨みました。ものすごく嫌そうでした。


「俺、雨嫌いなんだよ」


「へー、そーなんだー(棒)」


「……宿行くか」


宿行くか、とは言ったものの、こんな真っ暗闇で小さな子どもが宿入れてくれなんて言ったら多分入れてもらえないだろうな…と、ファズは思いました。


「でも、多分入れてもらえないけどな」


「どうするの?」


「ここでねr…」


「寒い」


「まだ寝るって言ってないのに…」


「寒い」


「…うーん、ここで火の魔法使うとこの草燃えるしな…」


ちなみに、ファズは、妖精のケモノの類で属性がないので、第四魔法〈火、水、風、土〉を低レベルですが使うことが出来ます。鍛えればもっと高いレベルも使えます。ファズはめんどくさいとかなんとか言って、鍛えていません。


「暖かい光、ほしい」


「光…そうか!」


光でひらめきました。頭の中で電球が光りました。


「どうしたの?」


「実はな、ごにょごにょ…」


シノ(実際にごにょごにょいう人初めて見た)


「ほう?」


「じゃあ、やるぞ」


ファズは残り少ない魔力の中、モフモフの手を光らせ始めました。

そして、そのモフモフ手をシノにくっつけます。

その手はやはり、非常にモフモフしていました。

雨ざあざあですね…。

次回はちょっとびっくりなことが起きますよ!

それにしても、草…。しかも牧草…。なぜこの考えが浮かんだのかいまだにわからず…。

いいね、★★★★★、待ってまーす(^▽^)/

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