19:さあ、時間が狂い始めるよ……!
想像する物語の未来が楽しすぎてやばい
読んでくれて(*ゝω・)ノ アリガ㌧♪
あの人は、だれ?
なぜあんなにも、絶望と憎しみの感情で溢れているの?
真っ黒なもやが、たくさんたくさん渦巻いて。
いったいだれが、あの人を苦しめているの――?
***
世界に生気が戻りました。
街に活気が戻りました。
ちなみにそう感じているのは、世界中を探し回ってもファズだけです。シノは考えてもいません。窓から身を乗り出して、何かを見ています。
つい先ほど、時が動き始めたのですが、外を眺めても誰も不審がっていません。まるで止めてあった録画を再生し始めたかのよう。
街の様子も何も変わってないようです。
「シノはなにしてるんだ?」
ファズは何かをじっと見つめているシノを見て言いました。
けれど、返事が返ってきません。なんでだろう?とシノを見ていると、
いったいだれが、あの人を苦しめているの――?
と、頭に響きました。
これはシノの心の声。ファズは軽く目に魔力を込めると――本の主人限定ですが――心の声を聴くことが出来ます。気づいたら出来るようになってました。
「シノ、何見てるんだ?」
シノはハッと我に返ったようにこちらを振り向きます。
「なに、ふぁず?」
急いで返事をしたシノは、顔が陰っていました。誰が見てもわかるくらいに動揺していました。
「何を、見たんだ」
「―――やばいの、見た」
シノはゆっくりと言いました。。
その顔を見たファズの隣にいるアリシアもシノの違和感に気づきます。
なにかがおかしい、と。
「シノ、どんな」
「すごい、ぐるぐるって黒いのがたくさんあった!やばい!あの人の周りに…」
シノはファズにかぶせ気味に早口でしゃべり、急いで窓の外を見ます。
「あそこに…」
「どこだ、シノ!?」
そして、目の前にある広場の中央を指さすのです。
けれど、もう、そこにさっきの人はいなくなっていました。
「……いない」
「え?」
「消えた…!」
***
「はぁ…」
薄暗い裏路地に一人。
ヒヤッとする壁にもたれかかると、ため息が漏れた。
「見られたなあ」
見られた。そう、見られたのだ。しかもガン見。こりゃあ笑える。
きっと、時の氷を溶かしたのもあいつだろう。
不意にあの魔法を行使したときの事を思い出した。
杖が光った瞬間、手がキッと引きつった感じがした。
いつもはそんなことなかったのに。
ついでに、何故魔法が成功したのか少し考えを巡らせてみることにする。
そういえば、あの本にはなんて書いてあったっけ。
私があの魔法を見つけた古そうな魔導書。
たしか――。
『人を想う涙は、時に結晶となり、其の結晶は世界を一瞬で、青く染め上げる。
この魔法を使い×くば、固きなる決意と結晶×必要である。
その二つがあるならば、唱えよ。
――ワールド・エンド・フリーズ――と。
さ×れば、其の思いは、氷となり、時となり、世界となり――世界を青く、蒼く染×上げて、何もかもを閉じ込める×ろう。
×が――す×ては×がっ××ると、結びついて×るとして、其の魔××××全であ×と心××こ×。も×××が他の者××持であっ××合、×の者×魔法がか×ら××と×得る×と。
細心×××を払い、使××る××。
其×掟を守×ねば、×××××××××××』
こんなんだったかな。
所々読めなくなってるけど大体わかる。
要は結晶と決意が必要で、掟を守らないと何かなるんだろう。
でも、掟が何か書いてなかったし、掟を破った後どうなるのかもわからない。肝心なとこが書いてない。
「わからない事だらけだなぁ…」
空を見上げるともうすっかり太陽は真上だった。
光は私には似合わない。裏で操る方が私は得意だ。
さてと。
「まずはあいつを探して――どうにかするかな!」
あぁ、口元がにやけている。魔法のコツは掴んだ。あとは、あいつを消すだけだ。
――思い通りになるって、滅茶苦茶うれしいなぁ!
ズンズンと裏路地の奥へ入っていく。足が軽い。素晴らしい未来しか見えない。
「さあ、時間が狂い始めるよ……!!」
さて、テストが終わりました!やったー!
次で20話ですね!いやー、4か月で二万字をやっと超えましたね…(;'∀')
一般的文庫本は一冊13~15万字くらいなんですよね。全然足りねぇ。
次のテストは2月ぐらいなんで、次の話からペースアップですよ!
たまに二日くらい開けることあっても、お気になさらず!
2週間くらい開けたら心配してください!
ではまた!




