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16:大切にしたいもの

滅茶苦茶遅くなった………!!!!ごめんなさいいい!

読んでくれてありがと!

トントン、ジュー。

はむっ…ムシャムシャ。

コトッ…カチャン。

カツッ、コツッ。

ムシャムシャ…ごっくん。


「…おいしそう!!俺も食べたい!!」


ファズは我慢できなくなりました。そして、食事にがっついていきます。

こうして、アリシアの冷蔵庫の食材が尽きるまで食べ続けたのでした。


――三十分後――


「もう…食べられない…」


「…そもそも、もう食材無いからね?」


シノのうめき声を聞いて、ファズが答えました。


「ふぁずは…苦しくないの…?」


「え、うん。まぁ、3000年くらい?食べてなかったし?」


「ブラックホール…ふぁずもなんか、怖くなってきた…」


「ええ…」


――さらに三十分後――


「よし!復活!」


シノが復活しました!


「シノが復活したことだし、この後、シノの服買いに行きたいと思っているんだけど」


お茶をちょびっと飲みながらファズが言いました。


「わあ!新しい服!」


「それなら、商店街の方にいい服屋さんがあった気がするよ」


同じく、お茶をちょびっと飲みながらアリシアが言いました。


「でも、お金ないんだよな…」


「僕がだそうか?」


「え…いいのか?」


「うん、いいよ。…彼女が綺麗になってくれるために僕はお金を出す…から、決して無駄遣いではないっ…!(ブツブツ)」


アリシアはシノをどう思っているのでしょうか?

研究対象として見ているのか、はたまた保護対象として見ているのか…あれ、なんか似てる…。

そして、ファズはお金出してくれるのか、やったな!と思っていたのでした。


「この服、唯一のプレゼント…。大切…」


シノが服を見ながら、ポツリとつぶやきました。

そう、この服は遠い昔(と言っても四歳のころ)、三つ上の友達から唯一貰ったものです。

その子は付与魔法が得意でいろんな物にいろいろな効果をつけていました。


――この服はね、シノの事、守っててくれるから!


シノの記憶に黒髪の少女が映ります。少女は笑っていました。


――だから、大切にしてね…!約束、約束だよ!


そう言って、シノの手を取ります。彼女の手は暖かくて、なんだか安心しました。


「――ねえ、ふぁず。この服は大切だから、大切にしたい!」


「え…?…あっ」


その瞬間、ファズの脳内にシノの服のステータスが一気に表示されました。


(なんだ、これ。服のステータス?シノのか?なんで、こんなにいっぱい付与魔法付いてるんだ?)


防御力強化や体力強化などの一般的なのはもちろん、空腹軽減や水分補給、体温調整などの見たことのない付与まで大量に施されていました。しかも、全てがかなり強力なのです。

一般的な付与術師じゃ到底たどり着けない領域でした。


「シノ、この服はどこで手に入れた?」


「友達からもらった」


「友達って誰だ?」


ファズが必死になっているのには理由がありました。

一つ目は、その服は国宝級、もしくはそれ以上の価値になるから。

二つ目は、もし、この付与術師が生きていれば、シノと知り合いだという可能性があり(覚えているかどうかは別として)、新しい服に付与してもらえる可能性が高まるから。

ということなので、ファズは必死になっているのです。


「えっと、名前…。あ、ラント…だった気がする」


(ラント…聞いたことあるな、誰だ…?)


ファズは記憶の引き出しを片っ端から開けていきます。


「どうしたの、ふぁず?なんか、怖いよ…?」


「…そうか!思い出したぞ!ラント・リールルだ!あの世界的に有名な付与術師!」


ファズは思い出しました。

ラント・リールル。様々な物に様々な付与ができる付与術師です。奇想天外な発想で、誰も試したことのない付与をし、自らを実験体とすることで有名です。


「ええ!?そんな人がシノの友達にいたのかい?」


「…ねぇ、二人ともどうしたの?」


アリシアもちょっと興奮気味です。目の前のシノのことは気にしていなく、どんどん話が進んでいきます。


「シノの友達がどうしたの?悪い事でもしたの?」


そんな二人に、シノはとても不安を感じていました。


――大切にしてね!


記憶の中のラントの言葉がこだまします。ラントのどこをどんな風に見ても悪い感じなんて一切しませんでした。

あの時、ラントは何を大切にしてねと言ったのでしょうか。

悪い子と友達だからファズは怒っているように見えるのでしょうか…?

そう思うと、なぜか視界がぼやけていきます。


「シノの、シノの友達が、悪い、事したから、ふぁず、怖いの?」


「えっ…」


「だって、ふぁず、怒ってる。いつも、怒らない、のに」


シノはボロボロと――泣いていました。


「ラントね、この服、私にくれたの。ラントが遠くへ、行くときに、くれたの」


涙はとても綺麗で、宝石のようでした。


「ラントも、泣いていたの。私に、服を渡したとき。ラント、『これはサイコウケッサクだよ!』って言ってた…」


人を想う涙は、時に結晶となり――。


「きっとこの服は、ラントの想い、そのもの」


――その結晶は世界を、一瞬で、青く染め上げる。


シノの涙が、地面に落ちる瞬間。



世界が、凍った。



「………え?」


青いもやがうごめく、世界の氷の中で、シノだけが動いた。

とりあえず乱入者クーシェとのちょっとした戦闘が終わっているので、次の話に入っていこうと思います!

今回はそれに突入するための話です!


遅れて、すみませんした…。

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[良い点] うわうわうわうわうわーすごく好き!好きです! [気になる点] ないよ~です! [一言] すごい!すごいです!すごすぎて言葉がすごいしたか出てきません!あーぁーわーぁー次もみにいきます!
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