13:しゃべれない、動けない。
ちょっと怖いかな…。
読んでくれてアリ(´・ω・)(´_ _)ガト♪
『シノ、シノ、聞こえてる…いや、伝えてるって言うべきか…』
「?」
シノの頭の中に何か響いてきます。
『あぁ、俺だよ、ファズだ!』
どうやらファズらしいです。よくわからないので、とりあえず質問をしてみました。
「どうしたの?」
「な、何がですか?何かおかしいところありますか?」
クーシェにはファズの心の声が聞こえてないので、話のつじつまが合わずに困惑しています。
『声に出して言うなよ…。心の中で言えば伝わるから』
「おーけー!わかったよ!」
「何がですか!?」
シノにはまだ難しかったようです。
『学習してない…。えっと、シノ、もうしゃべるなよ?』
シノは首を縦にぶんぶん振りました。
「どうしたんですか!?」
『…。俺が何でこんな風にしゃべっているかと言うとな、なんかしゃべれないんだよ。おかしいんだ。体が動かない。これは嫌な予想だけど……もしかしたら、この女かなりレベルが高い。気をつけ…』
『なぜ、レベルが高いってわかるのかしら?ハムスターさん?』
『!?』
いつの間にかクーシェは立っていて、先ほどのあたふた顔から一転、別人のように冷静な顔になっていました。
『シノ、気を付けろ!』
「わかった!」
「ターゲット 117。お前を捕獲します」
機械のような冷徹な声で、嗤いながらシノに言い放ちます。
「おとなしくしていなさいね?…チェーン・タイイットアップ!」
『シノ、跳べ!』
その瞬間、足元から鎖が数本勢いよく飛び出てきて、跳ぼうとしたシノの足を掴みました。
「ふぁず!言うのが遅い!」
鎖は蛇のように倒れたシノの体を這いずりながら絡まっていきます。
「ほどけろ!ほどけろ!鎖よ!ほどけろ!」
シノは必至に叫びますが、勢いは変わりません。
『シノ!』
ファズも心の中で叫びますが、動くことはおろか、身じろぎすらできません。
これが魔法のせいだったらいいのにと、恐怖によってではなければいいのにと、ファズの頭を埋め尽くしていきます。
――あぁ、まただ。俺は、いつになっても無力のままなのか?
「ふぁず!ふぁず!助けて!」
――誰かが倒れるのをぼーっと見ていることしかできないのか?
「うるさいわね…!」
ファズの目が小刻みに震えています。
――嫌だ。どうにかして、シノを、シノを……!
その時、ドーンという音と共に扉が粉砕されて、アリシアが突っ込んできました。
「大丈夫か!?大丈夫じゃないな!」
自分で言って、自分で訂正したアリシアだったのでした。
「今助ける!スプラッシュガン!」
高速で杖を取り出し、高速で水の弾丸を鎖の向けて五、六発ほど発射しました。
弾は全て鎖の根元に当たり、鎖は砕け散りました。
「お前!どうして!」
「それはこっちのセリフだよ、クーシェイル・リジター」
「何故本名を!」
「君の事調べたんだよ。そしたら君、魔女じゃないか。魔女は魔女らしく森に帰るんだなっと」
千切れた鎖が一本飛んできて、それをアリシアは杖で払いました。
「チッ…。また今度、だ。待ってるんだな、シノちゃん」
クーシェイルはそう言うと、そこらへんに置いてあった箒を手に取って、窓を割って飛んでいきました。
「……今、鎖をほどくから待ってて」
そう言い、アリシアはスルスルと鎖をほどいていきます。
ファズは黙ったまま、割れた窓をじっと見つめているのでした。
さよならクーシェ。また逢う日まで。
ファズの複雑な気持ちは今後の物語のどう影響していくのだろうか…!
戦闘シーン頑張ったぜv( ̄Д ̄)v イエイ
これは、残酷表現アリにした方がいいのかな…?
まだセーフ?どうしよう…。殴ってないから、まだいいよね?でも、この調子だと今後使いそうだなあ…。




