12:悪夢
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読んでくれて(人''▽`)ありがとう☆
シノはボーっと窓の外を見ていました。
「透明…」
窓にそっと触れ、つぶやきました。ガラスは冷たくて、とてもさみしそうでした。
窓の外で、太陽がオレンジ色になっていました。朝焼けでした。
シノはなぜか ベットの上に居ました。自分で作りだした草の上じゃありません。少し悲しくなりました。
「草はどこ行った…?」
「そこ重要かよ…」
どこからか声がしました。シノは振り向きますが、誰もいません。
「違うよ、こっちだよ……なんか、初めて出会った時みたいだなぁ、シノ」
「ふぁず…?どこにいるの?」
確かにファズの声でした。
でも、姿が見えません。
「ああ、そうかシノには見えないのか」
「なにが?ふぁず、どこにいるの?」
「…さあ、どこだろうね?」
風がシノの髪を激しく揺らしました。いつの間にか、窓が開いていました。
「ねぇ!ふぁず!どこ!?」
「シノにはもう見えないんだ」
シノはいつの間にか真っ黒な空間に立っていて、まわりの物は全て消えていました。
「ふぁず!私を一人にしないで!待って!」
「俺にももう、見えないんだ」
強風が体をあおります。シノは今にも倒れてしまいそうです。
「なにが!何が見えないの!?」
「じゃあね――」
「ふぁず!ファズ―――!!」
シノの絶叫は、闇の中に吸い込まれていきました。
―――ノ……シノ……シノ!シノ!大丈夫か!
ファズが心配そうな顔で覗き込んでいました。
「――ッは!」
シノは思い切り体を起こしました。体が少し痛みます。
「…?何で、私泣いてるの…?」
頬を滑る涙を、シノはこすりました。
その後、ファズの顔を見て、ものすごく安心しました。でも、何故安心するのかわかりません。
「シノ、どんな夢見てたんだ?ものすごく苦しそうだったよ?」
「…。なにか、ものすごく怖いもの。はっきり思い出せない。なんでだろ…」
ぼんやりと、なにか怖い出来事があったのは覚えているのですが、それ以外何も思い出せないのです。
「大丈夫。俺がいるから」
ファズの言葉がものすごくたくましく聞こえました。
そのとき、コンコン、と扉がノックされました。
「お、おはようございます。お部屋に、は、入らせていただいてよろしい…でしょうか?」
ひどく緊張した声が扉の向こうから聞こえた。
「…?誰?」
「わ、私、今日からあなた様のお世話の担当になりました、クーシェと申します!」
(はて、クーシェとは誰ぞや?聞いたことないなあ…。新しいお菓子かな?ありそう!)
クーシェをお菓子だと思い込んでしまったまだ目の赤いシノは、
「食べたい!」
「な、何がですか!?」
と、叫んでしまいました。確かに美味しそうな名前ではありますが…。
「なあ、シノ。ずっと扉の向こうでしゃべらせてるのもあれだから、中に入れてあげたら?」
「わかった!」
「わかったってどんな食べ物ですか!?」
パニックでちょっとおかしくなっているらしいクーシェをシノは中に入れてあげました。
「ア、アリシア様からの命で、あなた様のお世話をさせていただきます!」
お世話ってなんぞや?私そんなお菓子もらえるのかな?食べられるかな?と思ったシノだったのでした。
クーシェお菓子ありそう。
シノちゃんはいったいどんな夢を見たのやら?




