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「エリザベス、大丈夫かい!?」
「エリー、大丈夫ですの!?」
「あらルイス、キャセイ。先週ぶりですね。そういえば、本日は学園をお休みでしたね。私ですか?見ての通りぴんぴんしております」
クレイス閣下が私の笑みにたじろいでいた空気を壊すかのように2人の人間が部屋に殴り込んできました。彼らは私の幼馴染の、キャミリア侯爵令息ルイスと、パシフィー子爵令嬢キャセイ。2人とも思慮深く芯のある、よく出来た方です。
「でもエリー、あなた学園を早退したって」
「影に報告させるための演技ですよ。こうすればきっと、影はお父様方にありのままを報告するだろうから」
「へ?・・・・・・あははっ、エリザベス、君も意地悪だねぇ。アホとはいえあの公爵令息が可哀想になるよ」
「あと婚約破棄されましたけれど」
「「・・・・・・・・・はい?」」
「聞こえませんでした?婚約破棄ですわ」
「いや、聞こえたけどさ!は?君の婚約者と言えば、アルフレッドだろう?まさかあのバカ、アホの言うことを真に受けたのか!?」
「確かに、あのおばかさんは人の言うことを聞かない癖がありますけど、まさかそんな大馬鹿をやらかすなんて・・・エリーの正体を知らないのかしらね」
「仕方ないわ。何せお父様が『侯爵家に居候するのだから、どこの馬の骨とも分からぬ男が声をかけてくるやもしれぬ。それだけは避けねば。よってエリザベス、君にはお飾りの婚約を命ずる。相手はワンド家アルフレッド令息。あまりいい噂は聞かぬが、あそこしか引き受けてくれなんだ。許しておくれ』なんて言うから、断る訳にはいかなかったんです。それに、普段はその鳴りを潜めていたそうですから」
「マジか・・・、なんか僕とキャセイが付き合ってるのが当てつけにならないかな?大丈夫?」
「何を言ってるんです!2人より見てて尊いカップルなんて国中を探しても見つからないですよ!」
「ふぇ、そ、そう・・・かな?」
「そうです!だから2人とも、早く結婚しやがれ下さい」
「お、おう・・・。そ、そうだエリザベス。僕達に出来ることがあったらいつでも言ってよ。いつでも力になれるようにするからさ!それこそ君が本来の身分に戻って何か問題が起きた時にでもいいしね」
「そうよ。私達に気を遣ったなんて後から知ったら、それこそ怒るからね?」
「ふふ、分かりました。それとキャセイ、喋り方」
「へっ?・・・はっ、あらやだ、失礼しました」
「いいのですわよ、いつものでも」
キャセイは私達が3人の時はよくこうして貴族の喋り方をやめる時があります。まあ私は普段から貴族言葉を使いますから?キャセイのような喋り方、したことは無いのですけれど。お母様もそうでしたしね。