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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

140字小説SSまとめ

作者: こはな

※Twitterにあげた本文を再掲(一部加筆有り)

※一部残虐表現がありますが、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。




【今更の感謝】

 僕はあれこれ言う親が苦手だ。

僕の気持ちなんかこれっぽっちも知ってくれない。

知らず知らずのうちに心に鍵をかけてた。

遠回りの連続だったけど、

それでも一日一日を感謝しながら

今日も僕は両親が写る写真の前で手を合わせ、仕事へ出掛ける。




【文学少女的真似事】

 雨の日の読書は好きだ。

いつものカフェでお決まりの場所に座り窓を眺める。

ざあざあと地面と窓を叩く雨音はさながららオーケストラの様に何重にも鳴り響く。

ふと自分を試したくなる時が急に出てくる。今日の珈琲はどんな景色だろう…。

珈琲が運ばれる迄の間、私は続きの1頁を読み進めた。




【可能性潰し】

 祖父の遺品を整理していたら地図が出てきた。

家の裏山の山頂付近に×印が付けられており、興味本位で地図の場所に向かった。

古びた炭鉱の入口の様なトンネルへ進み、その奥で見つかったのは額に穴が空いた白骨死体だった。

家に戻った僕は何故か白骨死体の傍にあった写真を握りしめていた。




【賢者の石】

 昨日夢を見た。白髪のおじいさんから赤い石を貰った。

「どれか一つだけお前さんの好きな物を擬人化出来る石を授けよう。くれぐれも慎重にな。」

と言い残し私は目が覚めた。手には石が握られていた。

早速私は買ったばかりのベッドにその石を使ってみた。


出てきたのは0歳児の赤ん坊でした。




【人見知り】

 バス待ちをしてると年配の女性に話しかけられた。

話を聞くと「バスを1本逃しちゃったみたいでタクシー呼ぼうかと思ったんだけど、

遅れてるの分からなかったからやっぱり若い方は頼りになるわぁ」

と言われた。こんな時喜んで良いのか分からなかったけど順番を先に譲り、私はバスに乗り込んだ。




【鬼ごっこ】

 今朝怖い夢を見た。

舞台は廃屋の木造校舎。

中には2mのゴツイ鬼が居て徘徊してる人を見つけては捕まえて何処かへ連れ去ってしまう。

奥に進むと何故か校舎に不釣合いな軍事施設に入った。

すると鬼が目の前に現れた。

目覚しの音が鳴り目が覚める直前鬼は言った。


「命拾いしたな。小僧」




【ヘーホンホヘホハイ】

 久し振りにファストフード店に寄った。

あのパイが新しくなったと聞いて楽しみにしていたのだ。

即決で注文し席に着くと熱々のまま口へと運ぶ。

香ばしくスモーキーベーコンの香りが鼻から胃の中まで充満する。

中はトロトロで白濁のソースが口に絡みつく。

胃袋を幸福で満たした私は次の仕事の準備を進めた。




【シーグラス】

 晴天、とは言え4月の風が冷たい空の下、僕達は海へ来た。

大小様々な波が防波堤に打ち付けられ、荒々しい余韻を残す。

彼女は海の宝石を見つけたいと言った。波打ち際すれすれを歩きながらそれを探す。

ところで、僕の目には宝石は目の前にあるのに、彼女にはその宝石は見えているのだろうか。




【禍】

 この世には民衆を不安で煽り冷静さを失わせる人ならざる者がいる。

その者は人から人へ寄生し、増殖させながら浮遊している。

「熱き血潮の身焦がしその時、用心せよ」

貴方がその身に降りかかる出来事は明日かもしれない。

ククッ…どうぞ、御注意を。

Twitter:@kohana_creation

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