カミングアウト
突然、与一が悠に話したことは、義経自身にとっては重要なことなのかもしれない。
でも、はなされた方の悠+神様にとっては至極どーでもいいことだった。
「私は、那須与一ではない。彼のあるじであった、源 義経だ。それゆえに、あなた方には迷惑を掛けることもあるとおもう。
兄のせいで、この様なことになっている。
お二人を巻き込もうと思ったわけでは、、、、」
◇ ◆ ◇
俺は、あまりにも不憫な与一、もとい義経の話を遮った。
「あのぉ、実はもっと有名人だったってことは分かったんだけど、ここにはほぼ間違いなく追っ手はこないよ。
ていうか、天皇なんてこの世界にはいないよ。」
義経の顔が驚愕に染まる。
「それは、、やはりここは天国でありましたか?
そこにいらっしゃる方は、神様であなたはその従者ということなのですか?」
「んー半分正解で、半分違ってるのかな?。確かにここにいるのは神様だよ?でも俺はこいつの従者じゃないし、そもそもここは天国ではない。
どちらかと言えば、コイツが俺の従者だしな?
ていうか、ここ御代の国であり、日本だよ。」
「ここが日本だとおっしゃるのですか?では、時代が違っているのか、私が知らない土地なのか、のどちらかなのでしょうか?」
「おぉ!正解!ここは1190年前の日本だよ。」
(たしか、義経が討たれた年がこの辺りだったよな、、、)
「 そうでありましたか、夢ならば覚めて欲しいものですが、私は何をすればよろしいのでしょう?
村を広げていくお手伝いがしたいですし、あなたは私と同じ、他の時代から飛んでこられた方なのですよね?
ぜひ、お話をお聞かせ下さい。」
日本史の中でも、かなり有名で、人気のある人が、目の前にいる。
その時点で俺の脳は、オーバーヒートしていたのだった。