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傍観者・前

 ただ、あの人だけを見ていた。

 誰も目を向けない、私だけが気付いた美しさ。私だけの憧れの人。

 好きだから、声をかけたい。近づきたい。話すだけでも、私を見てくれるだけでもいい。

 そう願うけど、できない。あなたは決して私のことに気付かないけど。私はずっと見てるだけだけど。

 だってこうして見てるだけで幸せだから。同じクラスでいられるだけで嬉しいから。

 だから、やめろ。誰だお前は。近づくな。彼女に近づくな! 何も言うな!



「ねえ、ちょっとお化粧してみてもいいかしら?」



 ――彼女は瞬く間に耳目を集め、声を浴びて、どこか恐れた表情は笑顔を増やしていく。

 ああ、美しいよ。彼女はいつも美しかったのだから、きっとこんな風に人気になるってわかってた。私は傍観者だったから。

 私だけの彼女だったのに。私だけが好きだったはずなのに、今は私が一番遠くにいる。

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