Secret monster story
「やあ、僕の名は…いや、語る必要もないか…
僕のことは物知りくんとでも呼んでくれたまえ。
ところで、この武具はある僧の使っていた薙刀だ、
そしてコレが一度は聞いたことがあるだろう有名な聖剣エクスカリバーだ…でもある英雄はその有名な武具をこの世に残さず剣となり燃え尽きた…そんな彼の話をしようかな」
彼の名は不明
性別 男
使っていた武具…物知りくん
僕は国の守護神として祀られていた剣だった
それもそのはず、人振りすれば、人が狂い 病が流行り 所持者はその光景に耐えることが出来ず僕を使って自殺…
ひとりだけ、僕を使って英雄になろうとした男がいた
僕を剣としてではなく【人】として見てくれた変人
「コレが厄病神と言われる剣か…ふっははは錆びすぎて剣とはいえないな」
そして…もちろん、彼は狂った…はずだった
「剣が話すのか…まあ、俺と同じ変わり者なら相性は抜群だな…早速戦場に行こうかな」
「そこの君…僕はただの剣じゃない、だから今すぐ台座に刺し直すことをオススメするよ」
「剣は黙ってな、俺は離さないこの剣は俺のものだ
例えこの世界が崩れ去るとしてもな」
コレがあの男との出会いだった
「うわぁぁぁぁぁぁ!逃げろおぉ!ぐっ…」
「いちいち、うるせえな全く…戦場も酷いものだこれじゃこの剣を楽しく試せないじゃないか」
「振り返ってごらん?試すのは十分なほど人も魔獣も殺したじゃないか」
あいつは不敵な笑みを浮かべ僕に話す
「これじゃあ俺は英雄になれないだろうが」なんて僕に言うもんだからついつい笑ったのを覚えている
「笑うんじゃねえ…剣のくせに…ははは
お前ほど楽しい武器はねえな」
正直、褒めているとは思えなかったから腹を鞘で突っいてやったのを覚えている
それから騎士の国の王と戦い…敗れ
挫折し王の騎士達を薙ぎ倒し再戦
くしくも敗北し彼はまた、王の新たな騎士達を全員殺しまた騎士王に挑み続けた
「騎士王…これで何回目がわかるか?俺はな覚えていない…ようやくこの剣のいい相手が見つかったんだそう簡単に死んでもらっては困るぜ騎士王!」
「お前の相手をする私としてはそろそろ諦めてほしいのだがね、さすがの私も君の回復力、剣の技能正直認めざるおえない…だが、貴様ひとりのためにこの国の王である私が敗れる訳には行かないのでな…そろそろ終わりにしよう」
「ねえ…あれ受けたら流石の君でも死ぬと思うんだけど諦めない?」
「剣は黙ってろ!俺は英雄になる為に騎士の王と戦っているんだよ…だからこの道は変えられない」
「だったら死ぬといいさ…」
「哀れなやつだな…遂に武器と話し始めるとは…
終わりにしよう…楽しかったぞ…」
「ああ、楽しかったこの3日間あんたの騎士とあんたと戦えて楽しかったぜ!」
轟音が騎士の国に響きわたった
国民は頭を抱え
王は狂い
彼はその光景を後にした
彼は勝手だった、誰が死のうと誰が狂おうと誰が彼を止めようとしても…全てを彼は否定し続けた
僕はそんな彼の武器になれてよかったと思った
ずっと台座から村や国の人達の楽しそうな会話がうんざりだった…しかし、彼はあの台座から私を厄病神と呼び連れ出した
その結果…彼は狂気に駆られた鬼になり果てた
「なァ…厄病神…俺は…英雄になれたかァ?」
「愚問だね…なれてない、むしろ英雄には決してなれないスタート地点に君はいるよ」
「そうかァ…」
彼は悲しげに彼を殺しに来た英雄達を薙ぎ払いながら僕に話をする
「俺はァただ…英雄になってよォ…有名な人物や偉人として名を残したかっただけかもしれないなァ…」
「ほら、前に集中、矢が飛んできてるよ」
「「お前は楽しかったかァ?」
「そこそこかな…でも君のおかげで退屈しのぎにはなったよ…ああ、もう聞こえないか…」
彼は矢に心臓を射抜かれていた
英雄達は勝利し、鬼になり果てた彼は憧れに殺された
「君は最後まで退屈にしないね…少し僕も暴れるよ」
「なんだあれ??こっち向かって…」
「弓を構えよ!盾を離すな!」
「無駄さ…僕はただの剣じゃない厄病神のとり憑いた この世の最凶の剣だからね」
でも彼と同じようにしても彼は僕に話しかけず…英雄達は僕の動きを見切り始め
僕は人をひとりも殺すことなく鞘に直された…
「まあ、今は亡き英雄は可哀想だね…全く
騎士王と戦うしそのせいで彼は息子に殺されるしね
どっちが厄病神さ…まあ、あれでも僕の使い手は
良い奴だったな…と思う」
「どうだったかな?なかなか面白い話だったでしょ え?薙刀関係なかった?そりゃあそうだよ彼は鬼になって何百年、何千年と彼は生きてたから射抜かれたのもつい最近かな…まあ英雄達はもっと華があるストーリーや外伝的なものもある者が多いからね
まあ、彼は素質と運がなかった…
僕は台座から抜かれたからピンピンしてるけどね
さやに直されても、砕かれても、錆びても僕は台座から抜けた時点で自由なのさだからこうして遠い遠い場所にまで彼の武勇伝《鬼の話》を出来てるんじゃないか…さてとそろそろ次の持ち主を探すよ君は道を間違えちゃダメだよ」