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言葉を重ねるしかないんだ(一日一詩(あくまで目標)

フィーリング・フィールドリング

作者: ふにゃこ(水上える)

ヒステリックな人が今日も叫んでいて

昨日も叫んでいたしたぶん明日も叫んでる

人それぞれ違うことを認めましょうねって

そういう素敵な提言さえも

「それを認めない者は殴ってよい!」という

暴力として顕現するのです

なんていう地獄、来るぞ多様性戦争だ


勝っても負けても多様性の失われる

「多様性を守るため」の大いなる戦いに

喜んで身を投じる聖戦士たちが

どこを目指しているのかは誰も知らない

いいや、誰もが知っている

どこにもたどり着かないのだと

まるで彷徨い続ける亡者の足取り

本人たちだけが道を切り開く果敢な勇者の面差しで


そっと線を引く

ゾンビに噛まれないように


ああ、今日もいい日ね

大丈夫


愉快な歌を歌いましょうね

今日は誰かのお誕生日

そして誰かが死んだ日

大切なものが増えれば増えるほど

嬉しい日も悲しい日も増えてゆく

そんな日々の中で愉快な歌を


波のように出来事が点々とあって

上がったり下がったりのグラフにしてみるけれど

ほんの少しの出来事だけ捉えていれば

急転直下でメンヘラみたいな気象になるでしょう

それでもたくさんの出来事を俯瞰して遠目で見ると

同じ重大事が起きていても細かなさざ波のようになる

きっと成長とはそういうことなのね


ひとつひとつに心動かされながら

常にひとつひとつに囚われている場合ではなくて

一度生まれ出てしまったからには

もう安寧な不動の揺りかごには二度と戻れなくて

だから細かく揺れるこの波の上で

自分が消滅するまでは生き続けるしかなくて


自分の大切なことしか見えていないからそれを守る人たちと

様々なものを視界に入れた上でそれでも大切なものを守る人たちは

もはや有り様が根本的に違っているのだけれど

上滑りする「覚悟」という言葉で

同じように括られてしまう、括りたがる人がいる


この世界にはいま天国の住人と地獄の住人が同居している

見分け方は果たして、他人に強制するかしないかかしら、と

そう提言したならきっと

「他人に強制するおまえは悪だ!」と亡者たちが騒ぎ出す


ああ、そうかと心の中でただそっと線を引く

今日もいい日ね


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