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第2話 凸凹コンビの初仕事 


俺は一体何をしているのだろうか…。


普通の人ならば、夢の高校生活が始まり、期待に胸を踊らせているところだろう。

だが俺は女性恐怖症とゆう自身の中に存在する最強最悪の敵によって、地獄の幕開けとなってしまった。


そして今現在死神見習いが俺の身体に取り憑いた霊魂とコンタクトをとっている。

意味が分かるだろうか?いや、分からないだろう。俺も分からない。いや分かりたくない。


「んーだいたいおっけぃかな…」


何がおっけぃなのだろうか…。

色々とアウトではないだろうか…。

ちなみに言っておくがここは俺の部屋だ。

高校入学を期に独り暮らしを経験してみろ、と祖父がわざわざ部屋を借りてくれたのだ。


「冥君に憑いてる霊魂はね、どうやら最期に楽しい学園生活ってやつを送ってみたいらしいよっ!」


残念だったがそれは無理だ。


「だろうね!冥君は高校生活初日から、クラスメイトに嫌われる偉業を成し遂げたばっかりだもんね!」


…否定はしない。


「まぁその辺は大丈夫っぽいよ!この霊魂はね、あなたと同じ年齢で亡くなって高校入学前夜事故で亡くなっちゃった女の子の霊魂なの!高校生活をある程度満喫させてくれれば、冥君の地獄のような状況を絶対変えてくれるって言ってるよ!」


どうゆうことだ?


「この霊魂が高校生活を満喫するには冥君の身体が必要でしょ?冥君の身体で高校生活を満喫するかわりに、今の誤解をといて、友達をいっーぱい作ってくれるってさ!」


何だか悲しくなってきた…。

まぁ確かにWINWINな条件ではあるな。


「うんうん!それじゃ明日から早速やっちゃおうか!」


まぁそうだな。

で、身体を貸すってのはどうすればいい?

俺は何もしなくて良いのか?


ここで暫しの静寂が訪れた。

ふとグリコの方に目をやると、何やら気難しそうに下を向いている。

どうやら身体を貸すとゆうことは、かなり大変なことらしい。

だが、静寂は突然破られた。


「…………………このボケナスがぁぁ!!」


一瞬の出来事であった。

グリコからの怒声と右ストレートが俺の頬に直撃する…。

……そうか…これが霊魂に身体を貸し与える条件なのか…。


薄れ行く意識の中、俺はグリコがボソッと呟いた声を聞き逃さなかった。


「…まぁホントはこんなことしなくても良かったんだけど、どうしても一度やってみたかったんだよね!」


……誰かこいつを蹴り飛ばしてくれ…

ローキックで良いから…頼むから………。


ここで俺は意識を失った。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


俺が目覚めたのは次の日の朝であった。

正確には俺じゃない俺。


「んーあ。久々の生きてる身体だぜぃ!」


どうやら身体の操作権は霊魂にあるのだが、俺自身の意識もちゃんとあるらしい。


「おはよう冥君!うまくいったみたいだねぇ~。」


何がうまくいっただ。

無駄に頬を殴られたんだぞ。


「まぁ良いじゃないの!そんなことより学校始まっちゃうから!行った行った!私はここで待ってるから!寄り道せずに帰ってくるんだよぉ!」


お母さんか!

てゆうかここは俺の部屋だ!


「おう!そんじゃ行ってくんぜぃ!」


そんなことは気にせず俺の身体に憑いた霊魂は足早に学校へ駆けていく。

なるほど、母親の見送りを演じることで、より学校生活を再現した、とゆうところか…。


「くぅー学校学校ルンルンルン♪」


何キャラなんだ一体…

まぁ夢の高校生活が始まる前に死んでしまったんだ。

なのにこうやってチャンスが巡ってきた。

嬉しくないわけがないか。


「やぁ諸君!ごきげんよう!今日も清々しい朝だぜぃ!」


通りすがる学生一人一人に律儀に挨拶をして回る。

俺のキャラが完全崩壊するんだが…。

いや、女性恐怖症キャラなんて崩壊してくれて良いのだが…。


「くかぁー!太陽の光が俺を照らすぅ!生きているって素晴らしいぃー!」


本当に生前は女性だったのだろうか…。

いや生前女性だったのに、男の俺に取り憑いてしまったから無駄に演技をしてくれているのだろうか…。

…どっちにしてもすげぇ不安になってきた…



-凸凹コンビの初仕事、一体どんな結末を迎えるのか…!?-

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