プロローグ
「……あれ?…これはちょっとヤバイんじゃないかなぁ…」
黒のローブを身に纏い左手に鎌を持った"何か"の声が風に乗って消えていく。
その"何か"の眺める先には青白い炎の様なものが大量に宙を舞っていた。
「…うーん…これだけの霊魂を逃がしたのがバレちゃったら……うぅ…考えるだけで恐ろしい……」
青白い炎は下界に向けて泳ぐように降りていく。
「!!私も急いで下界へ向かわないと!!」
そう言った"何か"は手に持った鎌を一振りし黒のローブをなびかせて闇夜に消えて行った…。
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「…はぁ…」
朝っぱらから大きなため息を吐いている俺の名前は送川冥
記念すべき高校生活の初日だとゆうのになぜこんなにも足取りが重いのか。
それは俺が患っている病気が原因である。
"女性恐怖症"
女性を目の前にすると何を話せば良いか分からない。
要はコミュニケーションが取れないのだ。
これは歴とした病気である。
何が原因でこうなったのかは分からない。
女性との間に問題があったわけでもない。
強いて言うのであれば、家族が居ないことか…。
俺が産まれてすぐの頃に、両親は事故で亡くなっている。
その後は父方の祖父に引き取られのんびりと暮らしてきた。
家には祖父と俺だけしかいないため女性と話すとゆうことが、普通の人と比べて極端に少なかった。
まぁ所詮言い訳に過ぎないのだが…。
そんなことを考えている内に俺がこれから通うことになる学校が見えてくる。
「…よし…行くか…」
俺はこれから3年間の高校生活、何事もなく無事に過ごせますようにと神様に祈りを捧げながら校門をくぐった。
…まさか"死神見習いのパートナーになるなんて"思いもせずに…