ダンジョンを作ってみた
「まさか本当だったとは・・・・・」
そう行って笑う。
俺は草原に水晶のような球を持って立っていた。
「まずはこの体からだな」
体は人間にしか見えない。
ただし、頭にツノが一本生えている。
「鬼の力がどの程度なのか。一応やってみるか」
足に力を溜め、空に飛び上がる。
結構とぶ・・・・・かと思ったが、まぁまぁだ。1メートルくらい。
そのあとも体の力など色々試したがどれも人間に毛が生えた程度だ。
「えー。チートを想像してたんだけど・・・」
『そこまではできんよ。これでもだいぶ贔屓だからな』
急に光りだした水晶から声が響く。
『今だけ、まだ干渉できる。急いで説明するぞ』
「神様ですか?わかりました。」
『この水晶はダンジョンコアというものだ。これが壊されたらお前は死ぬ。その代わり無限の可能性を秘めている』
「どういうことですか?」
『それでダンジョンを改造できるのはもちろん、お前を強化することもできる。スキルとか・・・進化という形でな』
「すごいっすね」
『もちろん動かすにはエネルギーが必要だ。お前自身の魔力はまだ大したことはない。しかし、モンスターは作れるからな。増えれば増えるほど魔力は増えていくから、いつかダンジョンコアに膨大な魔力が集まるようになるぞ』
「そうなんですか。わかりました。なんとかしてみます」
『それと、一応これにダンジョンポイントを2000入れておいた。これで最大の干渉だ』
「ありがとうございます」
『改めてすまなかったな。あまり気にはしてないようではあるが・・・・。この生を楽しんでくれ』
「はい。神様もお達者で」
『ああ』
ダンジョンコアから光が消える。
「さてと・・・」
ダンジョンコアに手を当てる。
『あなたをマスターとして認識いたしました。お名前は?』
「名前・・・・。前の名はすてたから・・・。鬼の童子・・・鬼童丸とかでいいか?」
『登録いたしました。』
「じゃあ、早速やれることを教えてくれ」
『ダンジョンコアはダンジョンの作成、モンスターの作成・進化、スキルの作成・付与が行えます』
なるほど。スキルも付与できるのか。なら最強モンスターとか作れるな。
最初はとりあえずダンジョンの作成だな。
「地下に作れるか?」
『可能です。しかし、ダンジョンの作成は一箇所に限られ、一度製作してしまうとコアを動かすことはできなくなります。」
「それなら・・・・人里に極端に近くないほうがいいな。近くに国はあるか?」
『南にエルフたちや強力なモンスターたちの住まう大森林があり、さらに南に人間の国イースがあります。草原はこの大陸の最北部に存在しています。』
「他に国は?」
『海の向こうに人間の国ワコク、ザイス、ウンディーネの国フック、ドワーフの国サイリメル、サラマンダーの国ヴィリオンがあります。」
「ここにダンジョンを作ったら人間にバレるか?」
『すぐに発見される可能性があります。しかし、この大陸ではここが一番発見時期が遅れるでしょう。』
「じゃあ、ここに作ろう。そのくらいのポイントで作れるんだ?」
『階を下げるごとに100ポイントずつ必要ポイントが増えて行きます』
「地上を含めることはできるのか?」
『可能です』
「地上を0階として3階まで作ってくれ。」
突如地面に大きな穴と階段が現れる。
『完成いたしました。イメージを読み取り、最大限近いものを製作いたしました』
降りていくとゴツゴツした岩肌の壁や入りくねった道など、イメージ通りの迷宮があった。
「最下層まで歩くの疲れるな。いいスキルない?」
『ダンジョン内転移:200ポイントです」
「そうなんだ。それちょうだい」
『作成いたしました。作成した能力はお使いいただけます』
「じゃあ、ダンジョン内転移」
一瞬のうち最下層の一部屋に到着していた。
「いいね。これ」
『ここをダンジョン最下層として登録。以後、ダンジョンコアはここに固定されます』
「うん。よろしく」
『はい。よろしくおねがいいたします」
そろそろ魔物も作っておくか。いや、先に自分の強化だな。
「鑑定スキルを作成してくれ」
『鑑定スキル:300ポイントです』
「頼む」
『作成いたしました』
「攻撃系統も頼む。できればポイント200くらいで」
『戦鬼:200ポイントです」
「どういうスキルだ?」
『素手、剣、弓、斧、槍での戦い方が本能的に理解できる様になり、戦闘経験を積めば積むほど、様々な戦闘における集中力、判断力、推測力などが向上し、一度見た動きをコピーできます』
「じゃ、それも」
『作成いたしました』
「50で作れるモンスターは?」
『ゴブリン、コボルト、スケルトンです』
「じゃあ、コボルトを6体。」
グググとエネルギーが固まる感じがあり、犬の顔をした人型の魔物が生まれた。
『作成いたしました』
「こいつらって飯食う?」
『可能ですが、ダンジョンの魔物はダンジョンにいる限り食事を必要としません』
「そうか。いうことはきくのか?」
『はい』
コボルトに向き直る。
「魔力を半分くらいダンジョンコアにためて三体は上に行って見張りだ。三体は限界近くまでやって休憩。その後、半分まで溜まったら上に行け。上のやつは交代したら、限界までコアにためろ。ローテーションで繰り返せ」
こくんと頷くとコボルトたちはそれぞれの作業を始める。
「こいつらに睡眠はいるのか?」
『いりません」
「俺の魔力を最大近く入れたらどのくらいまでポイントが入る?」
『マスターはレベル1ですが鬼という特殊な種族で魔力を大量に持っており、常に全身を強化し、身体能力を向上しています。これらも含めれば50ポイントは溜まります」
「コボルトは?」
『5ポイントです」
結構低いな。こいつらレベル上げるのもありか。
「レベルはどうやったら上がる?」
『戦闘により、殺害した時のみ、上がります。」
「そうか。大森林の魔物は俺で倒せるか?」
『はい。しかし、今マスターが離れるのは非常に危険です』
「なら、仕方ない。」
どうにかしてダンジョンを強化して、俺の安全を確保したい。
「偵察に適したモンスターは?」
『ダガーウルフ:300です』
「ならたまるまで待とう」
とりあえず俺の全魔力をためておいた。
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ステータス(鑑定により把握)
名前:鬼童丸
レベル;1
種族:鬼
スキル:ユニークスキル《鑑定》種族固有スキル《戦鬼》
耐性:なし
名前:なし
レベル;1
種族;コボルト
スキル;なし
耐性:なし