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高校生時代の私たち

朝、目を覚ますといつも彼が隣にいる。

すやすやと気持ち良さそうにしていて、可愛い寝顔だといつも思う。

でも、そんなこと言ったら起こられちゃうから言わないけどね。

腕枕をしてくれている彼を起こさないように、そっとベットから出る。

用意していた服にさっさと着替えて、リビングに顔を出すと

「おはよう」

といつもの声を聞いて、私の朝は始まるんだ。


--------------------------


今から、五年前。

私が高校生に成り立ての頃、彼に出会った。

その出会いも単純。ただ、席が隣になっただけだ。

私が席に着くなり、

「あっ、お隣さん?俺の名前は、(いずみ) 桐矢(きりや)。よろしくな」

って笑顔で言ってくれた。

緊張してたから、すっごく嬉しかったんだよな。


桐矢はクラスの中心の人だった。それも、世に言うイケメン。

女子からも男子からも人気。先生も彼を気に入っているようだった。

私は、そんな彼に憧れを抱くようになった。

____隣の席。

いつも囲まれている桐矢と話すことはあまりできなかったけど、彼の横顔を見れる、この場所は私だけの特権だった。


ただ、見ているだけでいい____そう思っていた。


だから、桐矢に告白された時はびっくりした。


「俺…お前のことが好きだ。」


ある日、二人だけの教室の中で彼の声だけが響いた。

すごくすごく嬉しくて、ドキドキして。

もちろん返事はOKした。断ることなんて考えられなかった。




____高校生の私たち。すごく甘酸っぱい思い出。

あの頃の私は、ずっと桐矢と一緒にいるんだって思ってたんだ。




-------------------------


今、隣にいるのは桐矢じゃない。

桐矢は、いつも私に「おはよう」と笑ってくれることしかできないないし、私もそれに応えて「おはよう」と笑うことしかできないんだ。
















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