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0023 ウルトラストライク

「ウルトラ・ストライク」は、レジェンド・ストライクの中でも最も人気が高く、規模の大きいイベントである。

このイベントには、1000人のプレイヤーが参加し、熾烈な戦いが繰り広げられる。

参加条件は中級クラス以上となっており、フェニックス・ブラッドもついにこのイベントへの挑戦権を手に入れた。


ウルトラ・ストライクの最大の特徴は、チームの構成人数に制限がないことである。そのため、少人数の精鋭チームから大人数の大規模チームまで、多様な編成のチームが参加することができる。これは、戦術と連携の幅を広げ、戦闘のダイナミクスに大きな影響を与える要素となっている。


ルールにも通常とは大幅に違う所がある。各チームの人員ひとりひとりが1000クレジットを持つことになっている。チームのひとりがやられると、1000クレジット全部が奪われ、チーム全体がやられた場合は、そのチームの全クレジットを奪い取ることになる。さらに、そのクレジットは累積され、そのチームを別のチームが殲滅した場合、そのチームの累積分も奪える事になるのだ。だから、多人数のチームほど、狙われやすくなるのも事実なのだ。


さらに優勝チームには追加で1000万クレジットという莫大な賞金が授与される。このため、多くのプレイヤーが名誉と富を求めて参加し、競争は非常に激しい。ウルトラ・ストライクは、その名の通り、参加者たちにとって究極の戦いの場であり、最高の栄光を手に入れるための舞台である。


さらに、ウルトラ・ストライクは賭けの対象ともなっており、大勢のギャラリーがモニターを通じて観戦している。ギャラリーの注目を集める中で、選ばれた優勝候補チームは以下の5組である。


● ドラゴン・フレア

ドラゴン・フレアは、これまでに数々の大会で優勝を飾ってきた最強チームだ。彼らの圧倒的な火力と高度な連携は、他のチームを寄せ付けない。


●2. シャドウ・レイヴン

シャドウ・レイヴンは、ステルス戦術とスナイパーの腕前で知られるチーム。彼らの隠密行動と精密射撃は、一瞬で敵を壊滅させる力を持つ。


●3. タイタン・フォース

タイタン・フォースは、大規模なチーム編成を誇り、物量で押し切る戦術を得意とする。彼らの圧倒的な人数と綿密な戦術は、他のチームに大きなプレッシャーを与える。


●4. ファントム・ブレイド

ファントム・ブレイドは、近接戦闘のスペシャリスト集団。彼らの俊敏な動きと高い技術は、接近戦で無敵の強さを発揮する。


●5. スティール・ヴァンガード

スティール・ヴァンガードは、防御力に特化したチームであり、鉄壁の守りと持久戦に強い。彼らはじっくりと敵を追い詰め、確実に勝利を手にするスタイルを貫く。


これらの強豪チームが注目される中、フェニックス・ブラッドは4名の弱小チームとして、ほとんど誰も賭けの対象とは見ていなかった。だが、彼らのことを知る者たちには違った見方があった。特に金田悟は、フェニックス・ブラッドの可能性に大きな期待を寄せていた。


「翔太、アリサ、アキラ、ユイ、自分を信じて戦ってくれ。」金田が励ますように言った。



金田とフェニックス・ブラッドの4名は、誰もが予想しない展開を信じ、自分たちにベットした。彼らの目には確固たる自信と決意が宿っていた。金田の期待も背負い、彼らはウルトラ・ストライクの戦場へと歩みを進めた。



***



ウルトラ・ストライクの前日、フェニックス・ブラッドのメンバーは秘密基地とも言える小さな部屋に集まっていた。翔太、アリサ、アキラ、ユイの4人は、テーブルに広げられた地図とメモを見つめながら、真剣な表情で作戦会議を行っていた。


「今回は規模が大きいし、強敵ばかりだ。普通に戦っても勝ち目は薄い。だからこそ、綿密かつ大胆な戦術が必要だ。」翔太が切り出した。


「まず、私たちの強みを生かす必要がある。アリサの狙撃、ユイのトラップ、アキラのサポート、そして翔太のリーダーシップを最大限に活用しよう。」アキラが続けた。


「そうね。私たちの役割を明確にして、それぞれが得意なことに集中することが大事だわ。」アリサが頷いた。


「じゃあ、まずは敵の動きを見極めるために、ユイが偵察を担当する。その情報を基に、アリサが高台から狙撃を行い、敵の重要ターゲットを排除する。そして、翔太とアキラが前線で戦いながら、敵を引きつける。これでどう?」ユイが提案した。


「いい案だ。これで行こう。ただし、状況に応じて柔軟に対応できるようにしておく必要がある。」翔太が賛同した。


「じゃあ、具体的な動きを確認しよう。」アキラが言いながら、地図の上に手を伸ばした。


「最初に、ユイが先行して偵察を行う。敵の位置や動きを把握するために、できるだけ広範囲を素早く調べてくれ。」翔太が指示を出す。


「了解。偵察は任せて。」ユイが自信を持って答える。


「ユイが得た情報を基に、アリサが狙撃ポイントを確保する。高台や視界の良い場所を選んで、敵の重要ターゲットを狙撃してくれ。」翔太が続ける。


「わかったわ。敵のリーダーや狙撃手を優先的に排除するわ。」アリサが頷いた。




「俺とアキラは前線で敵を引きつける役割だ。アキラは俺をサポートしながら、回復と補給を担当してくれ。」翔太が指示を出す。


「任せてくれ、翔太。君が前線で戦えるように全力でサポートする。」アキラが力強く答える。


「そして、ユイが適切な場所にトラップを設置して、敵の進行を遅らせる。敵がトラップに引っかかったら、アリサが狙撃し、俺たちが前線で対処する。」翔太が続けた。


「トラップの設置は私に任せて。敵の動きを予測して、効果的な場所に仕掛けるわ。」ユイが自信を持って答えた。




「戦闘が進む中で、敵の戦術や動きが変わることもある。その場合は、状況に応じて柔軟に対応しよう。全員がコミュニケーションを取りながら、戦況に合わせて動くんだ。」翔太が強調した。


「その通りね。私たちの強みは連携だから、常に情報を共有し合いましょう。」アリサが賛同した。


「よし、これで作戦は決まったな。みんな、明日は全力で戦おう。」翔太がチーム全員を見渡して言った。


「うん、私たちならできる!」ユイが元気よく答える。


「この作戦で、必ず勝利を手に入れよう。」アキラが決意を込めて言った。


「そうだ。フェニックス・ブラッドの力を見せつけてやる。」アリサが力強く言った。




***




翌日、フェニックス・ブラッドは万全の準備を整え、ウルトラ・ストライクの戦場へと向かった。彼らの心には金田の期待と、自分たちへの自信が満ち溢れていた。

フェニックス・ブラッドの4人が戦場に立つ準備を整えている頃、外ではギャラリーたちの興奮が最高潮に達していた。

モニターには参加チームの紹介が映し出され、次々と名前が読み上げられる。特に注目されるのは優勝候補チームであり、観客たちは声援を送ったり、賭け金を増やしたりしていた。


「次に紹介するのは、今年のウルトラ・ストライクの優勝候補、ドラゴン・フレアだ!」アナウンサーが高らかに宣言すると、観客席は大歓声に包まれた。


「ドラゴン・フレアに賭けるんだ!彼らなら間違いない!」観客の一人が叫んだ。


他の優勝候補チームも次々と紹介され、シャドウ・レイヴン、タイタン・フォース、ファントム・ブレイド、スティール・ヴァンガードの名が呼ばれるたびに、ギャラリーたちの声援と興奮がさらに高まった。


一方、フェニックス・ブラッドの4人は静かに自分たちの準備を進めていた。彼らは誰からも注目されず、賭けの対象にもならなかった。しかし、そんな中でも、彼ら自身と金田だけは自分たちの勝利を信じていた。


「よし、みんな準備はいいか?」翔太がチーム全員に確認した。


「もちろん。行けるわ。」アリサがスナイパーライフルを構えながら答えた。


「準備万端だ。」アキラがメディックキットを確認しながら返事をする。


「偵察とトラップ設置も完璧にこなすわ。」ユイが決意を込めて言った。


金田は観客席で彼らの姿を見つめながら、小さく頷いた。「フェニックス・ブラッドはやれる。彼らには潜在能力があるんだ。」


サイレンが鳴り響き、ウルトラ・ストライクがついに始まった。1000人のプレイヤーが一斉に動き出し、戦場は瞬く間に混沌と化した。ギャラリーたちはモニターに釘付けになり、各チームの動向を見守った。


「見て、フェニックス・ブラッドが動き出した!」一人の観客が驚いたように叫んだ。


「彼らがどう戦うのか、注目だな。」別の観客が興味深そうにモニターを見つめた。


フェニックス・ブラッドはまずユイが偵察を行い、敵の位置を確認する。アリサが高台から狙撃ポイントを確保し、翔太とアキラが前線で敵を引きつける準備を整えた。


「敵の動きが見えたわ。こちらに向かってきている。」ユイが報告する。


「了解。アリサ、狙撃を開始してくれ。」翔太が指示を出す。


アリサが狙いを定め、正確に敵のリーダーを撃ち抜いた。ギャラリーたちはその精密さに驚きの声を上げた。


「ナイスショット、アリサ!」翔太が声をかける。


「ありがとう、翔太。次のターゲットを狙うわ。」アリサが冷静に答える。


一方、アキラは翔太のサポートをしながら、前線での戦闘を続けていた。ユイのトラップが効果的に敵の進行を遅らせ、彼らの連携は見事に機能していた。


「トラップが効いた!今だ、攻撃を仕掛ける!」翔太が叫ぶと、アキラが前進し、敵を制圧する。


ギャラリーたちはフェニックス・ブラッドの戦術と連携に驚き、次第に彼らに対する評価を見直し始めた。


「彼ら、思っていたよりも強いな。」観客の一人が呟く。


「フェニックス・ブラッドに賭けて正解だったかもな。」別の観客が笑いながら答える。


フェニックス・ブラッドの挑戦は始まったばかりだが、彼らは着実に勝利へと歩みを進めていた。金田の期待と自信を背負い、彼らはウルトラ・ストライクの戦場で輝きを放ち始めた。


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