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作家と締切 2

 先生達が住んでいるマンションから徒歩5分。

 八八こと日本茶カフェ八十八夜は高校を卒業し新卒で入った会社を10年で辞め退職金と銀行から借金をし出来た店で先月開店10周年を迎えた。

 店長の春子さん、副店長兼看板犬のハチ、調理は春子さんのお母さん。ほとんど2人で切り盛りしている。 

 表の商店街では春子さんのお父さんが昔からお茶屋さんをしていると八八に向かう間、橘さんが話してくれる。その間先生は

「焼肉定食〜♪焼肉定食〜♪」

 と変なリズムで 歌を歌っている。


カフェの日替わりメニューが焼肉定食。違和感があるような?

 お店に着いた時、橘さんが上の看板を見て

「あれ?電気が点いてない」

「早く着いた?開店時間になってる?」

 先生がスマホの時間を確認する。

 時刻は11時30分開店時間ピッタリ。

「とりあえず入ろうか。春ちゃんに教えよう」

 先生を先頭にして八八のドアを右に引き店内に入った。


「ワン!ワン!!」

 副店長ハチが吠える。ぱっと見は柴犬カットの小さなポメラニアンだが種類は雑種らしい。元保護犬なので詳しくは分からないそうだ。これも橘さん情報。


「おはよう〜おはよう。ハチ。今日も可愛いね」

 先生がしゃがみ込んでハチを撫で回す。

 嫌がる事なくハチも先生の周りをグルグル回る、尻尾もブンブン振っている。

 少しくらい触れるだろうと思い手を出そうとすると

「噛まれるから止めた方がいい」

 橘さんから注意された。何故と顔を向けると

「ハチさんは気まぐれで。今、喜んで歓迎しているアオイさんだって数秒後には、牙を剥いて唸り出す時があるんだ」

 なんと恐ろしい看板犬。


「おはよう。いらっしゃい。今日は3人なんだ。奥の囲炉裏を使う?」

 店長の春子さんが席を勧めてくれる。

 店内の雰囲気は家庭のリビングを大きくした感じ。狭いが落ち着く。入って左手にカウンター。右手に4人掛けテーブル、2人掛けテーブルが中央に2つ。

囲炉裏席は店内の奥でコの字型。詰めて座れば大人が7.8人は座れる所で3人だと余裕で座れる。

 

「混んできたら相席お願いします」

 春子さんが案内をしながら伝える

「春子さん。表の看板、電気点いてないよ」

 橘さんが伝えると、慌てて奥のスイッチを確認する。

「ありがとう。今日は早かった。この前は外が暗くなってから点けてないことに気付いたの」

 誰も気づかなかったのかなと水と紙おしぼりを出しながら春子さんが笑う。




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