俺の彼女で魔法少女な後輩が……!?③
久々の投稿です。お待たせしました。
部屋に戻るなり、瑠那が鍵を閉めた。
いや二人で帰ってきたんだし鍵を閉めるのは当然なんだけど、なんというか、その……。
「ふふ。これでたっぷりご主人様にごほーしできます……」
怖いんだが?
あのー瑠那さん、手をわきわきされるのは……見た目的にもやばいのですが……!
「さぁご主人様、まずはお着替えしましょうね!」
「だ、大丈夫だって一人で着替えられ――」
いつも通り魔法で身体の動きを止められた。っく、わかっているのに逃げられない……!
真正面から瑠那に見上げられる形でワイシャツのボタンを外されていく。え、なにこれそういうお店ですかちょっと待って俺はまだ未成年ですーーーーーーーーーーーーーーー!?!?!??!
「瑠那、た、タイムタイム!」
「え、もう終わりましたけど?」
「はっっっっや!?」
気付けばワイシャツを脱がされていた。俺の上半身は素肌を晒していて、瑠那はにこにことワイシャツを抱きしめている。
「さ、お風呂ももう沸いてますので、入ってきてください。洗濯が終わり次第背中を流しにいくので、それまで待っててくださいね」
「え」
「あ、それともズボンも脱がしたほうがよろしかったですか?」
「じ、自分で出来ますーーーーーーー!」
「あは……。ご主人様、かわいーですね」
うぅ。ここんとこ顕著だったけど、瑠那がすごい大胆になってきている。
それだけ俺との距離が近くなっている証拠だし、彼氏としてはとてもとても嬉しい。
でもさすがに恥ずかしいものは恥ずかしい!
……あーでも、俺が瑠那を脱がせる時に瑠那もすごく恥ずかしがるし、そういうものなのか……?
「って、いつの間に風呂を用意したんだ? まだ帰ってきたばかりだし」
「帰ってくる前に自動でお風呂のスイッチを押す魔法を仕掛けておきました」
「oh……魔法って便利なんだな」
「ご主人様のお世話をするためなら何も惜しみませんっ」
「瑠那、なんかキャラ違くない?」
闇堕ちしてた時より積極的になってる気がするんだが。
俺が指摘すると、瑠那はワイシャツで口元を隠しながら恥ずかしそうにしている。
おいおい俺の彼女可愛すぎない?????????
「だって、今ならご主人様にごほーしできるじゃないですか。メイドですし」
「いや、それはあくまで衣装なだけで」
「ご主人様はメイドを甘く見てます!」
「そ、そうなのか……?」
「はい! 一度メイド服に袖を通した以上、ご主人様に尽くすのは当然なんです! 衣食住すべてをきっちり管理し、ご主人様が健康に過ごせるように配慮する。それがメイドの在り方なんです!」
「いや、瑠那はメイドじゃなくて彼女なんだが……」
「だってだって、ずっとご主人様のお世話したかったんだもんっ」
「そこで駄々をこねるのはずるくないか可愛いんだよ!!!!!??!?!」
もうやだ俺の彼女可愛すぎる(大事なことなので二回言いました)
普段落ち着いてる瑠那が駄々っ子になるなんてギャップ萌え推進委員会(瑠那限定)会員として見過ごせるわけないだろう……!
とりあえずあれです。もう我慢出来ません。
「瑠那。るーな」
「はい、なんでしょうかご主人様!」
「抱きしめて良い?」
「どうぞ!」
瑠那も瑠那ノリがいい。俺の問いかけにぐいっと両手を広げて待ち構えてくれる。
許可が下りたので瑠那を抱きしめる。小さな瑠那は俺の腕の中にすっぽりと収まる。
これ以上近づけないくらいに密着する。瑠那との距離がゼロになって――――って、ちょっとストップ!
「瑠那、ちょっとタンマ! そういえば俺上半身脱いでるじゃないか!」
「え、私は構いませんよ?」
「俺が構うんだー!」
だってこれじゃなんか風呂に入るとかそういうんじゃなくて、その……ね? ノクタっちゃうから。
「ご主人様~」
「ああ! すりすりしないで! 俺の理性が!」
「二人きりなのに我慢する必要なんてあるんですか?」
「節度! 節度!」
ここ最近の瑠那はいつも以上に積極的すぎる!
可愛いし大歓迎だけど!
「ふ、風呂入ってくる!」
「あっ……。むー……」
残念そうな声が聞こえてきたけど、鋼の理性で食いしばる。
ほ、ほら。瑠那を可愛がるのはもっと夜遅くになってからな!?
+
「……おかしい。何かがあったに違いない」
結局俺は瑠那が来るまで待つことにしていた。
でも十分どころか二十分経っても瑠那が来ない。
いつもだったら飛んでくる勢いのはずなのに、どうしてか今日は静かに風呂に浸かれている。
……ふぅ。やっぱり湯船に身体を沈めるのは最高だ。一日の疲れが取れていく。
いつもはいつもで瑠那と入るのもいいんだが、たまには一人で入るのも乙なもんだ。
寂しくなんかないからな!?
それに今の瑠那は闇堕ちしてた時ほどではないが、状態異常なんだ。そうなっている以上、俺が気に掛けて支えないと。
瑠那の彼氏であり、コズミック・ルナのファンとして。
「……とりあえず、出るか」
浴室の外に人の気配がないことを確認して、上がる。バスタオルを取って身体を拭き、用意しておいた着替えに袖を通す。
……静かだ。浴室から出る音を聞きつけて瑠那が飛び込んでくる可能性もあったんだけど、妙に静かだ。
もしかして、瑠那の身に何かが!?
「瑠那!?」
慌てて部屋に戻ると、そこに瑠那はいた。先ほどと同じくメイド服のまま、床に倒れて――!?
「瑠那、おい、どうしたんだ!?」
「……ん、むにゃ。すぅすぅ……」
「ね、寝てる……?」
瑠那は寝息を立てていた。すやすやと安心しきった顔で眠る姿は非常に愛らしい。
俺のワイシャツを抱きしめて、一向に離そうとしない。幸せそうな寝顔だ。
「疲れてたのかな。……そうだよな。いきなり呪いを掛けられたんだもんな」
魔法少女として活動すること自体が、普通じゃないんだ。疲れてるはずなのに、俺のためにいろいろしようとしてくれる。
俺はついそんな瑠那に甘えてしまっていた。本当なら、疲れてる瑠那を労るのが俺の役目なのに。
「よし、っと」
布団を敷いて、そこに瑠那を寝かせる。ワイシャツは離してくれそうにないし、幸せそうだしそのままにしておいてあげよう。
……俺なんかのワイシャツに癒やし効果があるとは思えないけど。
「ゆっくり休んでてくれ。今日は俺が全部やっておくから」
これからはもっと瑠那の手伝いをしよう。とはいえ、俺が手伝おうとすると瑠那が泣きそうになって「私はもういらないんですか!?」ってなっちゃうから、二人で妥協点を探さないとな。
……とりあえず、腹が減ったな。そういえば何も食べてなかった。
でも今更何かを作るには疲れたし、だからといって寝るには早いし。
「コンビニにでも行くか」
ひとまず腹が膨れればそれでいい。早い内に瑠那が目を覚ましたら、その時は俺が何かを作ろう。自分の分を作るのは面倒だけど、瑠那のためなら手間を惜しむつもりはない。
はぁ。俺って瑠那にゾッコンだなぁ。自覚してるけど。
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