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三人目の魔法少女。③




 ――エルル視点。




 ひっさびさに魔法少女として出動させられたと思ったら、親馬鹿チート陽キャ(管理者)からいきなり依頼が来た。

 しかも知らない男の人に頼んで。

 ……せるちゃんが通したのだから、悪い人ではないんだろうけど。


「むぅぅぅぅぅ……」


 毒にも薬にもならない人、という印象だった。とはいえルナちゃんが隣にいるのだから、それなりに善い人ではあるんだろうけど。

 それでもボクには鬼門すぎる。そもそも初対面の人と会話しろだなんて無理ゲーすぎる。


「エルル様、そう唸らないでください」

「だってぇ……」


 そもそも人が来ていることすら知らずに降りてきたボクも悪いけど、し、下着まで見られた……それだけじゃ飽き足らず、お尻まで揉まれてしまった。


 せ、せるちゃんにも揉まれたことないのに!


「むー……。むー……」

「唸っても何も解決しませんよ。元々倒れたのはエルル様ですし」

「……そうだよね。悪いのはボクだよね」

「ええ。エルル様を助けてくれたのですから、私としては感謝しているほどです」


 やっぱり、謝った方がいいよね……。ううん、でもでも……。


「知らない人と話すのやだぁ……」

「そのコミュ障を直すためにも謝罪の場を用意した方がよろしいですね」

「ハムちゃんが辛辣だよぅ!」

「私は元々エルル様にはもっと交流して貰いたい考えですしね」

「うぅー……」


 ハムちゃんのいじわる!


 でもそんなハムちゃんは今ペンちゃん(70センチくらいの大きなぬいぐるみ)のヒレを直してくれている。だからあんまし強く言えない。


 はぁ。それにしても《管理者》からの依頼かぁ。


「おや、依頼を受けるのですか?」

「内容を見るだけだよ。どうせ断るけど、見ないで断ったら断ったでなんか気まずい」

「そういうところは気が効くのですね。コミュ障のくせに」

「ひどくない???」

「明日のおやつはドーナツにしましょうか」

「わーいドーナツぅー!」


 ……ッハ!? ちょろくないよ!?


「こほん。手紙手紙っと」


 届けられた封筒は特殊な封印がされていて、ボクが魔力を込めないと開けることが出来ないようになっている。

 軽く魔力を流して、封を開ける。中には依頼書と思われる紙が一枚だけ。


「えっと……!?」


 依頼書に書かれていた内容は、ボクにとっては予想の範疇ではあった。


 内容はもちろん出動要請。出動する頻度を上げてくれって依頼だ。

 これは断る。だってボクは好き好んで魔法少女をやっているわけじゃないし、コズミック・ルナちゃんとミラクル・コスモスちゃんがいればこの島の平和は守られる。


 それにこの島の平和を守るヒーローは何も魔法少女だけじゃない。


 仮面の戦士、マクスドライダー"ヤイバ"

 フルプレートアーマー、『天鎧のクオン』


 ……正直、この二人がちゃんと戦えば魔法少女も要らないくらいだと思うんだけどなぁ。


 それに、ボクが知る限り他にもヒーローがいる。みんながみんな《来訪者》かどうかはわからないけど、『この島を守る』意志は共通している。

 だから、ボクが無理して出なくても大丈夫ってことだ。

 ……まあ、今回はルナちゃんが緊急事態だったらしいけど……。


「エルル様?」

「あ、うん」

「依頼内容は出動回数を増やせ、とかですか?」

「うん。……でも、気になるのがもう一つ」


 何の意味があるんだろう。ボクは依頼書をハムちゃんに手渡す。

 そこにはボクにとっては予想外のことが書かれている。ハムちゃんにとっても予想外のようで、珍しく驚いた表情をしている。


「『魔法少女共同戦線』……ですか」

「うん。ボクとルナちゃん、コスモスちゃんによる同時作戦……らしいけど」


 なんか嫌な予感がするんだよなー。

 こういう時の嫌な予感って当たるもんなんだけど、それでも――《管理者》が依頼として持ちかけてくるほどだから、よっぽどのことが起こるのかもしれない。


「……ねえハムちゃん」

「私はエルル様の意志を尊重しますよ」

「うぅ~ん。甘やかしてくれない」

「ええ。私はエルル様にはもっと自立してもらいたいので」


 ニコっと笑うハムちゃんは優しくしてくれない。

 でもまあ、確かにボクがハムちゃんとせるちゃんの契約者(マスター)なんだから、ボクがきちんと方針を決めないといけないよね。


 ……なら。


「気分は乗らないけど、……まあ、管理者がこんな手紙寄越すのも珍しいし、手伝った方がいいよね」

「ではその旨を連絡しておきます」

「お願い。じゃあボクはもうちょっと上でゴロゴロして――」

「それでは魔法少女同士の交流も兼ねて久々に登校もしてもらいましょう」

「うぇっ!?」

「交流し意志を確認したほうが戦う時も合わせやすいですしね」

「そ、そうだけど……」

「大丈夫です無理でしたら早退も構いません。でも任せてくださいきっちり美味しいお弁当を用意しておきます」

「ぴ、ぴゃぁ………………」


 ハムちゃんがここぞとばかりに笑顔だよぅ……。学校なんて知らない人ばかりで怖いのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。


「まあエルル様は学年が違うので星崎様も四ノ月様も別クラスですけどね」

「やだぁぁぁぁぁぁぁぁいぎだくないぃぃぃぃぃぃぃ」


 あーでもこれ逃げられない奴だよねハムちゃんの笑顔的に。

 うぅ、今からもう胃が痛い……!

読了ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 一人ずつヒロイン(?)が順番に活躍していくので、名前とキャラクターが覚えやすくていいですね!
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