神様は腰が痛い
続き書きたい
ーわしは神様じゃ
なんか真っ白な空間に呼ばれたと思ったら
目の前に髭面の爺さんがいた。
ああこれは、あれか異世界転移とか、そういう系の類か、
ーいや違うぞ?お主にはやってもらいたいことがあって呼んだだけじゃ
なんだ違うのか、俺はもう40後半だが、そういうものは結構好きなので少し残念だ。
で、何の用事ですか?
ーそれにしても少しも同様がみれんの、まあいいわ、お主に仕事を頼みたい
仕事?俺にできることですか?
ー当たり前じゃだからお主を呼んだんじゃ。実はのう…
はい
ーお主にマッサージを頼みたい
はい?
ーいや、最近別の世界の神様がお前んところに転生者送れだの、
仕事手伝えだのうるさくての、少しばかり体を酷使しすぎたようで腰が痛いんじゃ。
だからの?お主にマッサージを頼みたい。
はあ。まあ構いませんが、どうやってマッサージするんです?
俺の体ここにないみたいですけど。
ーほれ、お主の体じゃ。といっってもこの場所用の義体のようなもんじゃが。
あ、これならできますね。
そもそも神様って腰痛なるんですね。
自分で治せないんですか?
ーわしも長いこと神様やってきたがこんなことは初めてじゃ。
腰痛…結構痛い。
それと自分の力で自分に干渉することはできなくもないが、
自分で自分を治すのに力を使うのじゃ。やりたくない。
じゃからわしの管理する世界の中で一番のマッサージ師のお前さんに来てもらったのじゃ。
…まあいいですけど…じゃあそこに横になってください。
指さすと空間からベッドが出てきた。
うちの店に欲しいな…
ーお〜気持ちいい〜極楽、極楽、まあわしの管轄じゃないがな。極楽は!ハッハッハッハハ!
面白いのか?
この爺さん本当に神様か?
まあいいや、続けよう。
ーそういえば愚痴を聞くのもマッサージの仕事に入るのかのう
聞いて欲しそうにチラチラこっち見ないでほしい
聞きますよ。聞けばいいんでしょ。
ーお前さんもよく知っとるじゃろ?異世界転生とかの話
ええ、まあ
ーあれ実際起こっとるんじゃよ。
しかも結構な割合で、で、じゃな。
別に起こすのは構わないんじゃがな?
あなたのことを転生させてあげます。
とかいうやつおるじゃん?彼奴らなわしに仕事押し付けやがるんじゃよ。
めんどくさいとか言って異世界を魂が行き来するのって向こうの神様とこっちの神様と色々と話とか手続きとかしないといけないんじゃよ。
それぜーんぶわしに押し付けるんじゃよ。
いくらわしがそういうの得意だからってひどいとは思わんか?
それでの?わしをこき使った後に、侘びとかくれる奴もいるんじゃよ。
でもの?詫びを寄越すくらいなら、最初からわしに押し付けんな!
寄越さん奴も腹経つが寄越して次また押し付ける奴も腹経つ!
あいつら何なの?死ぬの?
最近は、転生させる理由も適当になってきて、
気に入ったからとか、若くして死んだからとか、面白そうだからとか、
まあ色々あるけれども!こいつ転生させるって決めたんだったら最後まで自分で面倒見んかい!
なんで仕事わしに押し付けてくるんじゃ!
この腰痛も全部あいつらのせいじゃ!
荒れてるなーまあ軽く肯定してみようか。
大変ですねー、まあわかりますよ。うちの知り合いにもそんな奴いますし。
どこも一緒なんですかねー。
あ、ここですかねー痛いところって、
ーあ〜そこそこ、
お主にもいるのかあんな奴らが、どんなやつじゃ?
んーとですねーまああまり言いたくはないんですがね。
まあ神様相手だとバレるでしょうし言っちゃいましょう。
高校の頃の知り合いなんですけどね。
同じ委員会に所属してたんですよ。
それで、参加必須の会議とかも出てこないし、
知り合いってことで文句は言われるし、
仕事もほぼしないので、そいつのぶんなぜか僕に回ってくるんですよね。
別段こっちは仲良くしたくもないのに向こうからは近づいてきて
文句を言うと今度何か奢るからって謝るんですけど、
卒業まで一度も奢ってもらえませんでしたね。
ーまあどこにでもいるんじゃの、そういうの
そうですね。
そういえば神様って言ってましたけど
一神教の神のように全知全能なんですか?
それとも多神教の神ように何かを司るのような?
ーわしら神と言ってもの?全知全能ではないのじゃよ。
お主らより少しばかり高い場所に生きているだけに過ぎん。
だからそうじゃの、多神教よりかの。
そうなんですか。
ーまあどこかに一神教に出てくるような神もいるのじゃろうが、
わしは知らぬの。いてくれるのならわしの仕事やってくれんかの〜
仕事って何やっているんですか?
ー自分の世界の管理を2つ、あとはほとんど転生関連じゃの。
わしとどう時代に生まれた神はもう自分の世界を10以上持っているというのに
わしどうしてこうなったんじゃろ…
世界って数多く持っている方が偉いですか?
ーいや、わしら神の間に上下関係はないのじゃよ。
世界を作るのはわしらにとっては生きがいみたいなものでの。
自分好みの世界を作るのは面白いんじゃぞ?
はあそうですか…
まあ神じゃないからわかりませんが
聞いた限りだと面白そうですね。
ーじゃろう?生態系を考えたり、世界の仕組み、バランスを考えたり、
他の世界を見て参考にしたりと、色々と面白いんじゃ。
それなのにあいつらのせいでわしは未だに2つしか作れていないんじゃ。
ああ腹がたつ
うーんそれならその2つの世界でやりたいこと全部やってしまったらいいんじゃないですか?
あ、終わりです。
ー…なるほどそれは考えたことなかったの…今度試しにやってみるかの。
いいんじゃないですかね。
それでお代の方ですけど、
ー…最初も思ったのじゃが神に向かって遠慮ないよなお主。
まあ神様でも客なので、
ーまあ良い。お代はお主の店に置いておく。
それとの、わし姿色々と変えれるんじゃよ。
ブハッ
思わず吹いた。
爺さんが一瞬で超絶美女になったらそりゃ吹くだろ
ーこっちが本来の姿じゃ、では送るの。
あ、ちょ待って!
あーご利用ありがとうございました?
目が覚めた。
「夢か、変な夢だ。」
念のために店に行ってみた。
机の上に手紙と金が置いてある。
まじか…
ーマッサージ意外と気持ちいもんじゃの
次からもよろしく頼む。
それと世界の話じゃがの。
うまくいきそうじゃ。
そのアドバイスも足しといた
それじゃの。
手紙が爆ぜた。
「まじか…」
夢じゃなかったらしい。
この物語はフィクションです。
途中に出てきた高校時代の話は作者の経験ではありません。
本当です。