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セラフィンゲイン  作者: 鋏屋
EP-1 セラフィンゲイン
20/60

第18話 魔女の目的

「以前兄が言っていました……」

 僕の問いに、雪乃さんはゆっくりと答えた。

「あの『聖櫃』は恐らく、セラフィンゲインのシステム領域だと……あのクエストNo,66『マビノの聖櫃』は、システム領域に行くための唯一のゲートなんだそうです」

 セラフィンゲインのシステム領域……つまりあの世界のコアとなる部分てことだろ? プレイヤー側からアクセス出来ちゃうってちょっとまずくない?

 そんな僕の心の中の呟きを見透かしたかのように、雪乃さんは話を続けた。

「兄の考えは多分間違っていないでしょう。その証拠に管理者である『使徒』達はあのクエストを削除しようとしました。ですが、さっきも言ったようにあのフィールドは、メタトロンによって外部アクセスを切断されていて削除出来なかったようです」

「でもさ、その『メタちゃん』とか言うのも変わってるわよね。だってものすごく頭のいいコンピュータなんでしょ? だったら何でわざわざ自分の所にこれる手段を残しているのかしら?」

 『メタちゃん』ってお前……

 マリアの出会って直ぐのそう言うところは、どうやら人間だけが対象じゃないらしい……

「メタトロンがどういう思考を元に『聖櫃』を残しておくのかは判りません。ですが、これはあくまで推測ですが……」

 雪乃さんはそこでいったん言葉を切り、少し考えながらこう答えた。

「メタトロンは人間の思考や行動を蓄積し学習する為に実装されたプログラムです。あのクエストでメタトロンは我々プレイヤーを試しているのかもしれません」

「試す? 試すって何を?」

「明確な意志を持って挑む者達……その者達に過酷な試練を与えた場合の集団意識、その心理と行動選択データをサンプリングするために……」

 雪乃さんの言葉が頭の中で反響する。そう言えばあの日、鬼丸が似たようなことを言っていた気がする。


『此処に来るには戦闘能力よりもむしろ『動機』や『意志』みたいな物が重要なんだ。チームとしてのな……』


 互いに信頼しあい挑戦するチームに過剰なまでの試練を与え、プレイヤー達を試す。過酷な条件下に置かれた人間の心理を探りデータを蓄積させる創られた天使。

 恐怖に駆られ身勝手な行動で仲間割れを起こすチーム。目的達成のため裏切り、また自分も裏切られる……全滅寸前のチームなんてどれも似たような物だ。メタトロンがあの世界を管理しているのなら、そんな人間の行動なんて他でいくらでも観てこれただろう。それでもなお、人間を試そうとする心理ってどんなんだろう? あの世界を統べる者にとって、それにどんな意味があるのだろう……

「兄がシステム領域を目指していたのは確かです。でもそこで何をしようとしていたのかは、今となっては判らない……兄が何の目的でそこを目指したのか、聖櫃で何があったのか、私はどうしても知りたい」

 そういうと、スノーは深い息を吐いた。

「兄の意識は、恐らくまだセラフィンゲインに存在している。現実世界での肉体は消滅しても、意識データとしての『朋夜』はまだあの世界にとどまり続けている……」

「まさかそんな……何を根拠に?」

「私にはわかるの。兄妹だからなのかもしれないけど……あの世界で、兄の気配を感じるの。兄はまだ、あの世界に居る……」

 それはいつも冷静で論理的なスノーの答えとは対照的な、根拠のない、それでいて確信めいた答えだった。超が付くほどの天才的頭脳を持ちながら皮肉にも半身をもがれた運命を呪い、絶望の果てに自分の肉体に見切りをつけ自ら創造した世界に意識だけを補完させる……現実世界で羽をもがれた使徒が、この世ならざる世界で本物の天使になる……か。

 ファンタジーじゃあるまいし。と思う反面、どことなく否定できない気分がある。俺の場合、兄妹であるスノーとは違いもっとシンプルな考え『あの鬼丸が意識が戻らないまま死ぬわけがない』という思いだけだ。現実側に意識がないまま逝くつーのが鬼丸らしくない。あいつが現実側に不在なのなら、あいつが居るべき場所はあの世界以外考えられない。それほどあの世界での鬼丸は強烈な個性を放っていたんだ。

 ゲーム内にデジタルデータとして転送された被験者の意識が、現実世界の肉体が無くなってもサーバ内残留し続ける……

 あの世界でロストした未帰還者達が、現実側に肉体を残したまま意識を消滅させた結果なら、その逆もまたあり得るのではないだろうか?

 自分の肉体に限界を感じていた鬼丸が、あの世界にとどまり続けることを望んだとしても不思議はない。

 セラフィンゲインは天使が統べる地……そういう奇跡には事欠かない。鬼丸は何らかの方法でそのAIと邂逅し、あの世界にとどまる方法を見いだした……

 はたまたそのAIと契約でも交わしたのかもしれない。なにせ『契約の天使』なんていう名のAIなんだし……って何考えてんだ? 俺は……

「それが私が『聖櫃』を目指す本当の理由……」

 そう言って雪乃さんは僕を見る。毎度の事ながら、どう考えても見えているとしか思えないその瞳には少し不安の色が伺えた。

「ごめんなさいカゲチカ君。『最強チームを作る』なんて言ってホントはそんな動機で……その……なんか、だましたみたいで……」

「い、いい、いや、ぼぼ、ぼ、僕は、べ、べべべつに……」

 雪乃さんがスノー化が解けたのにつられて僕のシャドウ化も解け、自分の意志とは無関係にまるでバトルDJのテーブルの様に勝手にスクラッチを決めまくる僕の言語にノーリアクションで見つめるちょっと潤んだ瞳。そんな目で見つめられると僕の方こそごめんなさいっ!!

「いいじゃん、そんなの。あたしもカゲチカもそんなの抜きで楽しんでるんだし。それにさ、雪乃の目的は『ラグナロク』の目的でしょ?」

 そう言って笑うマリア。相変わらずのその軽さは別にして、そのことだけはマリアが正しい。確かに『伝説の最強チーム』という言葉にブルッときてチーム入りを決めたけど、今ではそんなの抜きにして単純に『楽しい』からだ。

「マリアさん……」

「そんな顔しないでよ〜 『仲間』でしょ? あたしら。きっと他の連中も同じだと思うよ。ねえ、あんたもそうでしょ、カゲチカ?」

 ―――仲間

 かつて僕にそう言って笑った男の妹に、さも当たり前のような顔をして同じ言葉をかけるマリア……少しだけおまえに感謝するよ。

 鬼丸、あんたに言えなかったけど、あんたの妹は紛れもなく仲間だよ。

「よし、そうと決まればなんかやる気出てきた。今日も暴れるぞぉ!!」

 と、およそ年頃の女の子が口にしないだろうと思う言葉を発して妙な気合いを入れるマリア。『がんばるぞ!』とか『やるぞ!』じゃないんだね、君の場合。

「よし、とりあえず秋葉へゴー!」

 と妙なテンションで拳を掲げた後、急に思い出したように僕の方を見た。

「―――と、その前におなか空いた。駅前でパスタとクラブサンド宜しく!!」

 そう言ってとびきりの笑顔で僕の右肩を叩く栗毛の悪魔。その宜しくって何っ?

「前回のEXPみんなレベルUPに回しちゃったじゃない? 装備の補充考えたらアクセス分ぐらいしかリザーブなくてさ、キャッシュにしなかったのよね。それにあんたには色々貸しがあるじゃない?」

 ちょっと待て。なんだその貸しって? ガイドもこなしたし初回のアクセス料もそうだけど、最初の頃のデッド&リスタートの分も僕が立て替えてまだ返してもらってないぞ!? そもそも仮想世界にもかかわらず毎回沢庵で暴飲暴食を繰り返すおまえの飲食代を誰が払っていると思ってるんだっ! どう差し引いても、貸しはあっても借りはないだろっ!!

「ちっさいわねぇ〜 細かい男は嫌われるよ。仲間でしょ〜? ねえ、雪乃?」

 そう言って同意を求められた雪乃さんは微妙な微笑み返しでスルー。

 ―――今さっきちょっとだけおまえに感謝した自分が悔しくて仕方ないよ……

 


 そしてその日のアクセス後、おなじみの沢庵46番テーブルに集まったメンバーに、スノーの家で聞いた真相を皆に掻い摘んで説明した。後で聞いた話だがスノーはこの46番テーブルを年間で指定契約してるらしい。そんなことが出来るなんてのも知らなかったが、いったいどれだけの経験値を支払ったんだろうか……

「なるほどね。どおりでスノーにリアルで会わないわけだぜ。家からアクセスしてんだもんな。しかし目が見えないってのは驚いたぜ」

 と言いながらリッパーはしみじみとスノーを見た。確かにこの世界じゃスノーは完全な健常者だから無理もない。もっともスノーの話から言って、それを目的に開発されたといっても良いシステムな訳だし。

「それにしても…… 一目兄の姿を見てみたいっていう妹の願いを叶えるために、病に冒されながらもそれに応えようとする兄の姿…… ううっ…… 良い…… 良い話じゃなぁ〜い」

 そういいながらチ〜ンと涙を流しつつ鼻をかむドンちゃん。顔と体に似合わずモーレツに涙もろいらしくのっけからこんな感じで説明する俺たちは逆に驚かされた。心は乙女と言うけどさ、他の要素が真逆なだけギャップに驚くと言うより、もう何かのギャグなんじゃね? という疑いすら沸いてくるね。つーか、むしろギャグであったほうがいい気がするのは俺だけだろうか。

「鬼丸が『使徒』だっただけでもサプライ〜ズだったのにプリティ・スノーがまさかそのプリティ・シスターだったとはね。ミーもベリーにサプライ〜ズね。これってアレか? トウダイ・モトクラ・シーってやつかYo」

 ちげーよっ!! 

 だいたいなんだよ『シー』って! 『ア・バオア・クー』じゃあるまいし。変なとこで区切るなっ! 諺なんて覚えんでいいから。悪いことは言わん、おまえは無理に頭使うな。ただでさえ残り少ない大事な回路がショートするぞ!

「ま、目的地が一緒な訳だしいいんじゃね?」

 と軽くリッパーが呟く。まあ、おまえの場合は切り刻めればいいわけだしな。サンちゃんは相変わらず無言のお地蔵さんを決め込んでいるが、その表情は反対の色が見えない。基本スノーの優秀な副官的立場を貫いているようだ。

 とりあえず黒いサルはほっといて、一応皆納得といった表情だった。

「みんな…… ありがとう」

 そう言って立ち上がり一同に感謝の礼をするスノー。

「な〜に言ってんのよスノー。……もぐもぐ……さっきも言ったでしょ?……もぐもぐ……みんな仲間だって」

 もはや習慣となりつつある無意味なアクセス直後の食事を堪能しつつララが言う。あのな、とりあえず食うか喋るかどっちかにしろっ

「つーかなぜ食う? なぜ頼む? リザーブすっからかんのくせしてっ! おまえどうせびた一文払う気ねぇだろっ!」

「人聞きの悪いこと……もぐもぐ……言わないでよ。ツケよ、ツケ。セラフ撲殺してたんまり稼いだらちゃんと色つけて返すって……もぐもぐ……」

 撲殺っておまえ…… 一応女子なんだからもう少し言葉選べよ……

「それにあんた傭兵時代に結構稼いでたんでしょ? かわいい後輩の、しかもこんなかわいい女の子に何も言わずに奢ってあげるぐらいの渋い男であってほしいわね」

「アクセス直後の馬鹿げた食事を、しかも毎回こんなアホみたいな量食う後輩のどこがかわいい後輩なんだっ! ギャル曽根だってもうちょっと遠慮するぞっ! スタミナ満タンな上リアルで腹も膨れねぇつー無意味な食事代に経験値払う身にもなれっ!」

 俺の声をBGM代わりに黙々と空き皿を量産するララ。こいつ全く聞いてねぇな……

 そんなに食いたきゃドンちゃんの店で『マ・クベの壺焼き』でも食えっての、自分の金で!

「ううっ…… スノー、あたしに出来ることなら何でも言ってね。あたし一肌でも二肌でも脱いじゃうから」

 涙を拭いつつスノーにそう宣言するドンちゃん。愛すべき仲間意識なんだけど……

 でもドンちゃん、一肌脱ぐって比喩だからね? 間違ってもホントに脱いじゃだめだよ? 俺そんなの目撃したら当分悪夢でうなされそうだから

「で、今日は何を狩る? なんかウズウズしてきてとまらねぇんだけど」

 そう言いながら双斬剣をくるくる回すリッパー。足をそわそわと動かして落ち着きがなくなってる。礼の発作がまた始まったらしい。全くどいつここいつも訳わかんねーよ。一応戦闘集団なんだぜ? 俺らは……

「クエストNo.87『岩山に潜む驚異』にしようと思うんだけど……」

 と言うスノーの言葉に一同うなずく。約一名は相変わらず意味が分かっていない。

「おお、ララも『ドンペリ』狩りに挑戦するレベルまできたわけね」

 リッパーがしみじみと呟く。

 クエストNo.87『岩山に潜む驚異』とは岩山フィールドに生息する『レオガルン』というセラフを狩るクエストでクエストレベル6に相当するハイレベルなクエストだ。

 クエストレベルは基本的にはこのレベル6が最高位に当たり、このNo.87の他に3つのクエストが存在する。このレベルのクエストをクリアすることがプレイヤー達のいわば目的といっても過言ではなく、これをクリアすることで『上級者』と周囲から認められるわけである。ただし目標達成時の獲得経験値も破格だが、出現するセラフも5以下のクエストとは桁違いに強力かつ凶暴で生半可なチームでは確実に全滅。月刊ランキング3位以内のチームでさえ100%全員帰還は難しい。

 ちなみに鬼丸が消えたとされる難攻不落の代名詞、クエストNo.66『マビノの聖櫃』レベル6のクエストではない。『聖櫃』はランク外としてレベル表示はされていないのだ。この点だけを考えても『聖櫃』は特別なクエストである言える。

 さて、リッパーが言った『ドンペリ』だが、これは『レオガルン』の通称。レベル6のセラフだけあって当然その強さは折り紙付き。体長は7〜10m。見た目はでっかいペリカンのようで愛嬌があるのだが、怒り状態に陥ると巨大なくちばしがまくれあがり内部の骨格が露出し悪魔さながらの面相に変化する変わったセラフだ。

 普段の状態でもかなりの攻撃力を保持しているが、怒り状態になったらその攻撃力が2.5倍に跳ね上がる凶悪さを誇る。しかも『プロテクション』の魔法と同等の効果を持つ『波動』という特殊能力を行使し、さらにまくれあがったくちばしから発せられる奇妙な『鳴き声』には一時的にプレイヤーの体を硬直させてしまう『竦み』状態に陥らせる効果を持つ。

 そしてなんと言っても痛いのが脇をウロチョロする『雛』どもだ。『レオガルン』単体でもやっかいなのにコイツには、前に紹介したボスサイこと『ゲノ・グスターファ』と同じく子供が4,5匹くっついてくるのだ。通称『チビカン』正式な名称は『ガルン』と言い親である『レオガルン』の後に続いててくてくと登場する。見た目は親と同じ姿をしているが大きさは2回りほど小さく3m程度。攻撃力は親ほど強力ではないものの、嘴を駆使した強力な攻撃は健在でクエストレベル2〜3程度なら十分ボスセラフとして通用するほどだ。おまけに若干数値の低い『波動』も体得していて、数が多いだけにやっかいなことこの上ない。さらにこいつらは戦闘が始まって一定時間経過すると親である『レオガルン』が卵を産み、それがふ化すると復活するという極悪イライラオプションまであってとっても『ウザス』なセラフなのだ。卵はふ化する前にコンスタンスに潰しておかないと、ほっとけばどんどん増殖して手がつけられなくなってしまうのだが、親である『レオガルン』の対処に追われて思うようにつぶせないのが現状。有効な戦法は卵を生む際に完全に動きが止まり無防備状態になるのでその時を狙って集中攻撃するというもの。

 ただ、親である『レオガルン』の経験値も多いが、ほぼ無限に増殖する『ガルン』もまたそこそこの経験値を獲得できるので、旨く立ち回れば良い『稼ぎセラフ』であることから高価なシャンパンの銘柄にかけて『王』【ドン】のペリカンつーわけで『ドンペリ』と呼んでいる。

 また巣であるエリアまでも当然のように他のセラフが出現し、そのどれもがそこそこ強いので、いかに無駄な戦闘をさけ消耗を押さえて巣にたどり着けるかがキーポイントになるわけだ。

 あれからララも数回のクエストをこなし、もう少しで最初の障壁である『レベル20』に手が届くところまで来ているが、このレベル6のクエストは正直ララにはキツイのでは? と言う思いが強い。確かに他のメンバーはレベル6で『稼ぐ』実力のある上級者ばかりだが、このレベルまでくると下手に他人のフォローに回る余裕がなくなってくるからだ。クエストレベル6に挑戦するのはレベル20を越えてからでも遅くはないと俺は思う。

――――が

「たっくさんもらえるんでしょ? 経験値! 何より『ドンペリ』ってのが気に入ったわ。良いじゃんそれっ! それにけって〜い!」

 と、テーブルの料理をきれいに片づけたララは大はしゃぎだった。リザーブを使い果たし、最近バイトも休みがちで今月ピンチって言ってたもんなぁ……ララ。目の中で¥マークが泳いでるのが見えるようだ……

 本人がこうだから仕方ない。レベル6の洗礼を受けてみるのも良いかもな、コイツの場合…… よし行って来いや! 大零界へっ!!

「じゃあ決定って事で良いかしら?」

 とリーダーであるスノーが皆に一応の了解を取る。一同頷き異論がない様子。

「あたしもなんか燃えてきたわ〜」

 とドンちゃんが妙な気合いを入れる。怖いっ、怖いからっ、それっ!

「オ〜ケ〜 ミーもクーッってやっちゃうよ〜 そうそう、日本じゃペリカンはベイビーを運んでくるハッピーバードなんだよねー!」

 だまれサム、そりゃコウノトリだろ! 見た目だけのインチキ外人なんだからいちいち外人ぶるな。だいたいなんだその「クーッ」って? 飲んだら言っちゃうか?

 そんな馬鹿なサムのコメントを最後に、俺たちはテーブルを立った。確かに俺も早く『聖櫃』へ行きたいのが正直なところだ。スノーの言うとおり鬼丸の意識が、未だこの世界に残留しているのなら、どうしても会わなければならない……

 多少ララにはキツイ戦闘になるだろうが、このメンバーで挑むのだ。俺とリッパーが先手先手と動き機先を制すればララにかかる負担は軽くなる。それになんと言ってもいざとなればスノーが居る。彼女の『メテオバースト』を2,3発当てればほとんど『チビカン』は始末でき、しかも波動で多少相殺されようが『ドンペリ』の体力も大幅に削れるだろうからそれほど心配しなくても良いかもな。

 そんなことを考えながら、俺も傍らに置いてあった安綱を手に取って立ち上がり、沢庵の出口へと向かった。

 だが……

 エントリー先のフィールドで俺たちを待っていたのは、そんな安易な考えを持って挑んだことを後悔したくなるような『死闘』だった……



初めて読んでくださった方、ありがとうございます。

毎度読んでくださる方々、心から感謝しております。

第18話更新いたしました。

だいぶインターバルを空けてしまいました。にわかに死亡説が流れる中、何とか生きておりました。生きててすいません。プライベートがぐっちゃぐちゃで更新どころではありませんでした。ようやく落ち着きかけ、何とか更新できました。

サブタイトルを見て「おや?」と思った方、鋭いですねぇ〜

……ってごめんなさい、ホントすいませんっしたっ!!

前回の次回予告は忘れてください。逝ってよし!です。暖めていた内容を大幅に変更しました。もう少し引っ張ります。少々雪乃に喋らせすぎた感があり収集が付かなくなったと言うのが正直なところです。さてどうしましょ……(オイっ)

まだバタついてはいますが何とか隙を付いて更新していきますのでおつきあいくださいね。

鋏屋でした。


次回予告

スノーと鬼丸の経緯を知り、その結束力を強め同時に目標に向かって気持ちも新たにその決意を強めたメンバーは、いよいよ最上位クエストレベル6に挑戦する。成長著しいララだったが、未だ時期尚早なのでは? と一抹の不安を覚えるシャドウも最終的には「このメンバーなら何とかなる」という安易な考えでエントリーに賛成、クエストにエントリーする『チームラグナロク』 だが、そこで彼らを待ち受けていたのは予想外の出来事だった……


次回 セラフィンゲイン第19話 『契約の天使』 こうご期待!

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