表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/14

8 あきと

最近はりくとずっといるわけではない。りくは他の友達も作りたいみたいだし、邪魔しちゃ悪いからたまに他のやつとも遊んでる。でも、いつも少しりくのことが気になってりくの近くで遊ぶんだ。

たまにちらちらみると、普段とは違う一面が見えることもあるしな。



この前はりくが春樹ってやつに話しかけに行ってるとこを見たんだ。春樹は本ばっかり読んでるやつで、あんまり仲良くなれる気はしない。でもりくはアタックしに行ったみたい


そこでのやり取りは少し離れてたからわからないけど本を貸してもらってた。その本を見たとき、りくの目がキラッとしてたからどんな本なのか凄く興味が湧いた。

その時間はずっと本読んでるみたいだったからたまに後ろを通って覗こうとして見たんだ、するとりくはすっと本を胸元に倒して見えなくしちゃうんだよ。

俺以外の奴が後ろ通る時もそうやって隠してるから誰にも見せたくないのかも。こっちは余計気になるけどな。



無理に聞くのも悪いかもしれないから今度軽く聞いてみて教えてくれなかったら深くは突っ込まないことにしようと思う。親友に嫌な思いをさせたくないしな。




でも気になる。どんな本なんだろう。

そんなこと考えてるとチラッとだけ見えたんだ。隅の方だったけど、ごちゃごちゃした中に吹き出しみたいなのがあってその中に文字が書いてあった。でも俺は漢字が読めないし、ひらがなだって全部わかるわけじゃない。あの本には漢字で文字が書いてあったんだ。



りくは漢字が読めるのか!?そんなはずないと思ったけど、実際読んでるところを見た。りくは頭がいいと思ってたけどここまでだとは思ってなかったんだ。俺が漢字いや、ひらがなすらわからないものがあると知ったら、りくはどう思うだろうか、、



俺は少し冷や汗をかいてこれからは家に帰ってから勉強しようと心に決めた。

そしてある程度知識をつけてから本のことを聞こうと思った。


あれは多分難しい本だ。カバーしてあるくらいだから傷を付けちゃまずいような高い本かもしれないしな。

春樹は本ばっかり見てる奴だけど頭がいい奴だと認識が変わった。前は少しオタクっぽい奴だと思ってたんだが、違うみたいだな。

俺も今度友達になってみるかな、、。

















お泊まり会に参加したい。

だけど母はだめだといっていた。どうやって説得すればいいのかと頭を悩ませる。


俺の家は結構裕福なんだ。母がどんな仕事をしているのかは知らないけど、家にいることが多いのにお金がたくさんある。

俺が欲しいといったものはなんでも買ってくれるし、今までは不満などなかったのに。でも最近不満があるんだ、それは友達の家に遊びに行きたいといったときや、そうだ、今回のお泊まり会。

母は俺と離れるのが嫌みたいでいつも一緒にいるのが俺にとっては嫌になってきてる。

ここはしっかり伝えるべきだよな。




幼稚園が終わった帰りの車でりくはお泊まり会に参加するっていってた。俺も参加したい。

だから家に帰ったら絶対説得するんだ!



「ただいま」



家に帰るとすぐに母が近寄ってきて抱きついてくる、母は子離れが必要だと思う。だからこういうところからスタートしなきゃな。



「おか・・」「やめてくれよっ!あんまりベタベタすんなよ!」



母は少し驚いたみたいな顔をしてる。あれ、少し強く言いすぎたかな、?ちょっと心配になってきたぞ



「お、おかえりなさい。どうしたの?あきとくんなにかあったの?」



「なにもないよ、それより俺お泊まり会参加するから」



「まって、それはだめよ?危ないことがたくさんあるのよ?あきとくんはお家にいましょう?」



いつもこうだ、外は危ないといってあまり遊ばせてくれないし、遊べるのは隣の家の子供が俺の家に来て遊ぶくらいだった。その子供ってのも女だし、母は仲良くしろというけど俺は好きじゃない。俺は男友達と遊びたい。



「あんまりダメダメ言わないでくれよっ!そんなんだったら俺、家出てくからっ」



そう言って玄関を飛び出した。

でも家を出てもどこになにがあるかも知らないし、隣の家くらいしか知り合いもいない。

もちろんすぐに母が出てきて抱きついてきた。



「あきとくんっ!・・・ごめんなさいね?お母さんいっつも心配なのよ。男の子はなにがあるかわからないの。だから心配なの・・・」



少し泣きながら言われるとちょっと悪いことしたかなって思ってしまう



「心配してくれてるのは知ってる。ありがたいと思ってるし。でも幼稚園は安全だよ、お泊まり会は行かせてよ・・」



「わかったわ。お泊まり会は行くことにしましょう?だからお母さんのこと嫌いにならないでね?」



「うん。わかったよ」



案外言ってみるものだなーこう簡単に許しが出るとは思ってなかったから少し気が楽になったよ。

これでりくと長い時間遊べるなっ





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ