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佐々木由香の朝は早い。

朝5時に目を覚まし顔を洗い髪をとかす。まだ9歳ながら美容に気を使っているので、早寝早起きは当たり前である。ちなみに夜は8時に寝る。



由香は学校に行く準備を終えると必ずやることがある。覗きである。本人は覗きだと思っていないが男の子の部屋のドアを少し開けて寝ている姿を数十分眺めているのは覗きである。




由香には弟がいる。このご時世で弟がいる人は多くない。弟が生まれた時はちょうど6歳の時であった。小さいながらに神様に感謝し涙した。

それからというものいつも弟にベタベタしてデレデレだったのだが母にそんなんだとおっきくなってから嫌われちゃうかもと言われそれをやめた。




どうしたら弟に好かれるか、友達や先生いろんな人に聞いた。それで導き出した答えは、自分からは近づかないが寄ってきたら構ってあげる作戦である。だからベッドまでは近づけないのだ。見てるだけ。




朝食の時間になると弟が起きてくる。その少し前にリビングに行きテレビをつける。朝はニュース番組や天気予報などしかやっていない。見たいものはないがお姉さんぶるのである。

少しして弟が起きてきた。



「おはようお姉ちゃん」



「…おはよ」



弟が挨拶するまでは挨拶しない。そしてちょっとクールに挨拶する



お姉ちゃんは朝のニュースとか見て大人だなぁとかクールでかっこいいなぁとか思われたいのである。



「今日は目玉焼きだあーこれ大好きっ」



弟の好物や嫌いそうなものなどは一度聞いたら後でメモってある。もちろん目玉焼きが好きなのはもう知っている。目玉焼きにはマヨネーズと醤油をかけるのが弟流だ。由香はソース派であったが弟の話を聞いてからすぐに変わった




「お姉ちゃんは学校でどんなお勉強してるの〜?」



由香がクールぶってると大体、弟が何か話しかけてくる。




「ん、りくにはまだ早い」



「そ、そっかー僕も早く学校行きたいなあ〜」



すぐ会話が終わってしまう。由香は弟と長く話していたいが我慢しているのだ。そうクールぶるために。本当なら『んっとね!今は漢字をたくさん覚えてるわっ。6年生で習う漢字もお姉ちゃん書けるのよ〜!それと社会についても勉強してるわね?男の子との接し方とか、あ、お姉ちゃんはりくがいるから皆んなよりもすんごいんだからっ、』と言いたいのだ。でもクールじゃない




それからも少し弟と話して朝食が終わり弟の幼稚園の準備が終わると由香が先に学校に向かうことになる。弟は車だが由香は歩きだ、もちろん時間がかかるからである。登校のため玄関に行くと弟がちょこちょこ走ってきていってらっしゃいと言ってくれる。それに対しての由香の言葉は「ん」である。




家を出て少し進み角を曲がると友達が待ってる。この子は美由紀、由香の親友で登校も一緒にしている。



「おっはよー」



「おはよー、ねぇ今日もりくってばすっごく可愛かったのー!天使!」



「そっかそっか、よかったね〜羨ましいよ」



ここまでがいつもの挨拶。



「それでさ、昨日の宿題でわかんないとこあってさー由香はできた?」



「できたよ、見せてあげる」



「やったーよかったよ〜昨日の算数ほんとよくわかんないんだもん」



「算数なんて簡単だよーわたし、りくにかっこいいって思われたいから知的な女子を目指してるんだもん。算数くらいできなきゃダメだからねー」




こうして由香の1日は始まって行く。

弟のために勉強も頑張る。

素敵なレディを目指して


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